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マネジメント

リーダーだって人間だ!感情との向き合い方

こんにちは。シェイクの吉田です。

皆さんは、感情的になってしまい後悔した経験はあるでしょうか?
私自身、何度も経験しています。

例えば、退職を考えている部下に対して、「その考えは違うだろ!」と感情的にフィードバックしてしまったことがあります。また、マネジメント方針が合わず、感情的になったこともありました。いずれの場合も、私が大事にしている価値観との違いを感じ、受け入れることが出来ませんでした。その後、感情的になったことを詫び、できる限り丁寧なコミュニケーションを取りましたが、元の関係性に戻ることはなかったと思います。

パワハラ防止法が施行された今、私自身、自分が置かれている立場を考えると、感情的になることが、人との関係悪化にとどまらず、組織存続の危機にもなると感じていますし、絶対に超えてはいけない線だと認識しています。

とはいえ、当時を「あれは失敗だったな」と振り返る一方で、その時の感情や違和感は、大事な心の動きだったとも思います。もちろん、感情的になることはよくない前提で、感情的になることを恐れて、自分の感情に蓋をしてしまったら、自分らしさを失うのではないかという恐れがあります。

先日、リーダーをしている方が、次のように言っていました。
「声を大にして言いたいですが、リーダーだって人間なんです」

今回は、管理職の「感情との向き合い方」について考えたいと思います。

感情こそ、エネルギーの源泉

近年、管理職の仕事は、体を使う労働「肉体労働」ならぬ、感情を使う労働「感情労働」と言われています。生身の人間を相手とする労働で、感情の抑制、忍耐などが要求され、理不尽なことで責められることがあっても、常に感情をコントロールし応対することが求められます。

冒頭の私の事例のように、感情的になることはリスクが伴いますから、感情を出すこと=悪のような風潮が強まり、感情のコントロールをするためのアプローチが盛んです。

例えば、ABC理論などの認知的アプローチ、アンガーマネジメントなどの行動的アプローチ、カウンセリングなどの環境的アプローチ、運動や睡眠などの身体的アプローチなどです。

感情的になることのリスクを考えると、このようなアプローチが有効であることはもちろんですが、私が問題意識を感じているのは、感情をコントロールしすぎることによる弊害です。

私が、今、多くの管理職と接している中で感じるのは、感情が見えない管理職が増えているということです。リスクを冒さないために、感情に蓋をして、降りかかってくるタスクをひたすらこなしていたり、部下にとってとにかくいい人でいようとしたりするがあまり、人間の心を失ったマシーンのようです。

AIに置き換わらない人間の営みとは何でしょうか?
それは、喜び、怒り、悲しみなどの感情に端を欲するものではないでしょうか?

会社・組織をけん引しているリーダー・管理職自身が、感情を押し殺していては、管理職の仕事は、苦行にしかなり得ないかもしれませんし、会社としてのエネルギーにもつながっていかないでしょう。

だからこそ、管理職ほど、感情を大切にし続けるべきだと思います。

感情こそが、人としての器を大きくする

管理職になりたくない若手が増えています。調査によると7割以上の人が管理職になりたくないと考えています。

一方で、「感情労働」であり、感情に向き合い続ける管理職という役割を担うことほど、人が成長する機会はないと考えています。
特に「タテの成長」と言われる、人間的成長や人の器の拡大につながると思います。
それはなぜでしょうか?

私は、2つの理由があると考えています。

1つ目は、管理職ほど、心が揺さぶられる役割はないからです。

論理だけで人は動いてくれません。役職に身を任せて指示命令をしても、指示待ちの人を育てるだけです。

個別に相談があると言われれば、退職を切り出されるのかとびくびくし、実際に人が減っていく中で、理不尽な状況を切り抜けなければなりません。

なぜ、自分はこのような状況に耐えなければいけないのか、と理性と感情が交錯し、何が本心なのかもわからない状況になるかもしれません。

このような感情と向き合い、折り合いをつけ、その中で、光を見出し、前に進む、そのプロセスこそが、自分自身の意思を磨き、人としての器が大きくなっていくのだと思います。

2つめは、感情の裏にこそ、信念があるからです。

「腹が立つ」「違和感がある」という感情も日常茶飯事だと思います。

そういったネガティブな感情の奥になる根っこにこそ、信念や軸が隠れていることが多いと思います。

私自身、過去の自分の感情を思い起こすと、感情の裏側に自分の信念がありました。私は、「経営とは場づくりである」「人を大切にする」という2つをマネジメントポリシーとしていますが、いずれも、上意下達マネジメントに対する憤り、人より業績を優先することへの違和感に端を発しています。

憤りや違和感とうい感情こそが、信念の根っこ。

だからこそ、自分の感情に鈍感にならず、敏感であり続けることは、特にこれからの世の中において、大事だと感じています。

ネガティブな感情も含めた自分の感情の奥にあるものに目を向け、感情に向き合い続ける過程で、自分の軸が磨かれ、人間的に成長していくのだと思います。

感情と向き合うことこそが、人間の営み

感情と向き合うこと、感情を扱うことは、楽なことではありません。
でも、その営みこそが、喜びや悲しみといった、生きるという営みそのものではないかと思います。

感情をコントロールすることを否定するつもりはありません。
そのことは大事なうえで、あえて、感情を解放すること、感情に素直になること、そして、感情に向き合いことも、感情をコントロールするのと同じくらい大事だと思います。

私も社長というマネジメントをする立場ですが、感情を失わず、感情を大切に、生きていいきたいと思います。

個々が強みを発揮するシェアド・リーダーシップ型組織へ(リーダーシップ開発)
多様化する時代に必要なマネジメント改革・組織づくりを徹底解説(組織づくり))
この記事を書いた人
吉田 実
誰もが持っている「無限の可能性」と「目が輝く権利」。一人でも多くの人の「イキイキ」のために、これからも邁進していきます!
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