コラム

「シェアド・リーダーシップ」3つの可能性

皆さん、こんにちは。シェイクの吉田です。

先日、広告業界の企業の役員を含む全マネジャー約60名に対して
「シェアド・リーダーシップ研修」を実施させて頂きました。

リーダーシップ研修ではなく、「シェアド・リーダーシップ型組織」に
していくためのマネジメント手法に関する研修で、
なぜ必要か、どのような組織を目指すのか、どのように実現してくのかを理解し、
明確にする機会になったと感じました。

シェアド・リーダーシップは、
「必要なときに必要な人がリーダーシップを発揮し
誰かがリーダーシップを発揮している際はフォロワーシップに徹するような状態」

と定義されます。

実施させて頂いたのが、変化が激しい広告業界の企業で、
個性や強みを活かすことが価値創造に繋がりやすい業界であったことも
あるかもしれませんが、非常に親和性が高く、好意的に受け止めて頂き、
今後の組織変革に向けての有効な機会になったと感じました。

受講者の感想で、

  • シェアド・リーダーシップという手法が初見であり、1つのフォーマットとして確立されていることを知り、取り組み効果が期待できるように感じた。
  • シェアド・リーダーシップにより自部門の課題である業務シェアや経験の共有が図れると感じた。
  • なぜシェアド・リーダーシップ組織が大切なのか?当社組織との親和性など改めてその重要性を実感できました。
  • 従来型のリーダーシップでマネジメントを行うことに限界を感じていた自分にとって、シェアド・リーダーシップの概念は、非常に勇気づけられる内容でした。
  • 自分自身が何でもやってしまいがちなタイプで、指示出しリーダーだと再認識した。シェアド・リーダーシップという言葉自体、初めて知ったので、部下にリーダーシップを発揮させるような行動を実践できれば…と思った。
  • シェアド・リーダーシップという考え方は、リーダーだけでなく、今後リーダーを目指す若手社員にとってもとても良い考え方であると思います。

といった声がありました。

広告業界のように、変化が激しい業界はもちろんですが、
旧態依然とした変化の遅い業界でも、大企業でも、目指すべき価値があると感じています。

今回は、このような機会を頂き研修を実施する中で感じた、
シェアド・リーダーシップが実現する3つの可能性についてまとめました。

1.「脱 受け身」 1人ひとりが価値創出の主体者になる可能性

失われた30年と言われて久しいですが、その原因は、
「新たな価値を生み出すことが出来なかった」ことが大きいでしょう。
管理監督型のマネジメントのもとに、高品質・大量生産を強みとしてきた
日本企業が新たなイノベーションを起こすことが出来なかったと
言えるのではないでしょうか?

今後は、言われてこなす仕事の多くは、AIに置き換えられるでしょう。
前例踏襲、受け身では、ますます価値を生み出せなくなり、
1人ひとりがこれまで以上に価値を生み出す主体者になっていくことが
求められます。

シェアド・リーダーシップは、全員が価値を生み出す主体者になるための
マネジメント手法であり、AIが普及し、価値の生み出し方が
変わっていけば行くほど、シェアド・リーダーシップ型組織である
重要性が増してくる
と思います。

2.「脱 ゆるさ」 1人ひとりが強みを発揮し、成長する可能性

2つ目は、人が成長する可能性です。
2023年12月5日の日経新聞の一面に、
「成長もタイパ、居心地に背」というタイトルの記事がありました。

若手や中堅社員は、職場環境が良くても成長機会の乏しい
組織に背を向けて、転職してしまう実態に関する記事でした。

「ゆるい職場(中央公論新社)古屋星斗著」にも論じられているように
成長機会が乏しい「ゆるい職場」からは、「ここにいても成長できない」と
感じる社員が離職しています。

ゆるさを排して、昭和時代のように厳しく接すればいいのかというと
そうでもありません。パワハラマネジメントもご法度の時代です。

ゆるくもなく、厳しくもなく、押さえつけるのでもないマネジメントを通じて
若手・中堅社員を動機づけ、成長を支援することが求められています。

そのような問題を解決するアプローチに関する可能性を、
シェアド・リーダーシップマネジメントに感じています。

1人ひとりの強みを活かし、リーダーシップ発揮の経験を積む支援をするマネジメントは
若手に対する権限委譲に繋がり、成長を促進し、
「脱ゆるさ」を実現する具体的なアプローチの可能性を感じます。

3.「脱 管理」 マネジャー自身も価値創出の当事者になる可能性

冒頭に紹介したシェアド・リーダーシップ研修の受講者のマネジャーから、

「従来型のリーダーシップでマネジメントを行うことに限界を感じていた自分にとって、シェアド・リーダーシップの概念は、非常に勇気づけられる内容でした。」

といったコメントがありました。
私自身、日々、多くのマネジメント研修のファシリテーターをしていますが、
悩んでいないマネジャーを見つけるのが困難なくらい
皆さん、悩みや葛藤を抱えておられます。

殆どの人が、マネジメントをしながらも、プレーヤーとしても活動し、
管理監督から育成、日々の問題解決からイノベーションの創出まで、
幅広い業務に忙殺されています。

日経トップリーダー(2022年11月)の調査によると
若手社員の83%が「管理職になりたくない」と回答しています。

従来のマネジメントは限界に達しており、若手社員も管理職に
なりたがらない現状を踏まえ、マネジメントの変革が求められている
と思います。

これまでのマネジメントは、「縦ライン」の維持が大きな目的にありました。
トップの意向を現場に伝え、現場を動かすことに加え、
経営が意思決定を行うために現場の状況を経営に伝えるなどの
縦ラインにおける、情報の橋渡し機能も大きな機能だったと思います。

シェアド・リーダーシップにより、メンバー1人ひとりが
当事者として価値を生み出す組織を実現した時、マネジャーの役割は
大きく変わります。
もちろん、シェアド・リーダーシップを実現するための
組織マネジメントは必要なものの、マネジャー自身も価値を生み出す当事者になります。

そのように変わっていかないと、マネジャー自身の付加価値が上がらず、
成長も止まり、市場価値が低いマネジャーになってしまうでしょう。

3つ目の可能性として感じるのが、マネジャー自身も価値創出の
当事者になるという可能性です。

まとめ

ここまで、「シェアド・リーダーシップ」3つの可能性についてみてきました。

最近、「ティール組織」「ホラクラシー型組織」「DAO(分散型自律組織)」
といったようなマネジメント手法が紹介されるようになりました。

このようなマネジメント手法を聞くと、「日本企業にはなじまない」
「大企業では難しい」と感じる方が多くおられるのではないかと思います。

しかしながら、今回紹介したシェアド・リーダーシップは、
「必要なときに必要な人がリーダーシップを発揮する」ことを実現することを
目指したものであり、従来のピラミッド型の組織形態でも、
マネジメント手法を変えていくことで、どの会社でも実現可能な
アプローチだと感じています。

このようなアプローチが広がることで、日本の企業の競争力が増し、
1人ひとりの可能性が解放され、イキイキと働く人が増える
世の中になることを願っています。

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