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キャリア自律

キャリア安全性を高めるには~会社・上司によるキャリア自律支援のポイント~

こんにちは。シェイクの吉田です。

5月22日に、日本の人事部「HRカンファレンス」で

「今の仕事でのキャリア形成が不安」から
「今の仕事でキャリアをつくりたい」へと転換する支援・施策とは?

というテーマで講演をさせて頂きました。
ご参加いただきました皆様、有難うございました。

カンファレンスで「ご自身は上司からどのようなキャリア支援を受けているか?」
という問いを投げかけたところ、
多くの方から、定期的な1on1面談を実施している、といった投稿をいただきました。

一部、特に支援はない、評価面談はあるがキャリア面談はない、
といった方もいらっしゃいましたが、各社キャリア支援の取り組みが広がり、
特に定期的な面談を実施されている様子が伺えます。

こうした仕組みや支援が整うことは喜ばしいと感じる一方で、
どのような支援がキャリア支援に本当につながるのでしょうか?
現場の管理職の方々は正しく理解されているでしょうか?

今回のカンファレンスでは、キャリア自律の推進に当たって
押さえるべきだと考えているポイントや、管理職からの支援の
具体的なアプローチなどをお伝えさせて頂きました。
講演で伝えたかったことや、その背景などを皆さんに共有いたします。

キャリアに関する問題意識

調査によると、キャリアに不安を感じている人は72%います(job総研調査)。
また、キャリアに期待感を感じている人は、26%にとどまり、
多くの人がキャリアに期待感を持てていません(シェイク調査)。

多くの人がキャリアに不安を感じ、キャリアに期待感を持てていない
時代において、私自身が感じている問題意識は、

①紹介会社が乱立する状況が生まれており、各社が業績を上げ続けるには、
 転職を促進させる動きを取らざるを得ず、そのことにより、
 世の中に転職を煽るようなメッセージやCMが溢れることにならないだろうか?
②キャリアに不安を感じ、何とかしないといけないと考える中で、
 踏み出す一歩が転職となってしまわないだろうか?
③転職をしないにしても、不安の中、どうすればいいかわからず、
 立ち止まってしまうことで、成長を止めてしまわないだろうか?

といったことです。

転職自体が悪いことだとは思いません。ただ、本当は今の会社で、
仕事に向き合うことを通じて、自らキャリアを構築する力を
つけていくことが有効なのに、

「この職場は自分に合わない」
「やりたいことと違う」
「やりたいことをやらせてもらえない」

といったような理由で、転職してしまったり、立ち止まったりすることが、
本人の可能性を狭めてしまっているのではないかと思います。

1人ひとりがキャリアを切り開くために~WILL開発の重要性~

キャリア自律とは、
「変化する時代において自らのキャリア構築と学習を主体的かつ継続的に取り組むこと」(キャリアアクションセンター)と定義されている通り、
キャリア自律するには、キャリア構築と学習に「自ら」取り組むために
自分を動かす原動力が必要になります。

私がこの講演で一番伝えたかったことは、

「自らを学習やキャリア構築に導く原動力となるWILLを開発することが重要。
しかし、やりたいことの視点だけでキャリアに関して安易なジャッジをして、
自分の可能性を狭めてしまうとしたら、それはWILLではない。
会社・上司は、1人ひとりが自らのキャリアを切り開いていく
本当のWILL開発の支援をしていくことが重要」

ということです。

一般的に「WILL=やりたいこと」で、
やりたいことを支援することがキャリア支援と捉えられがちです。

ただ、視野が狭い中で、『個人が「やりたいことだ」と決めつけていること』に
こだわることは、実際の職場で渡されるさまざまな仕事や役割に対する
「これはやりたい、やりたくない」という評価につながり、
結果として仕事への取り組み方が変わったり、モチベーションが変わったりします。

「WILL=やりたいこと」と定義して支援する姿勢は、間違えれば、
個人の視野の広がりを阻害し、仕事への姿勢も育たない結果を生むと考えます。
むしろ、自分の可能性を狭めていくと思います。

自分を突き動かす原動力となる自分らしさ、価値観、働く意味、
想いや意思、強みといったものをWILLと呼ぶならば、
自分を突き動かすのではなく、ジャッジして、
自分の可能性を狭めてしまうリスクがあるものは、視野の狭い中での思い込み、
言うならば、「思い込みWHAT」です。

「WILL」と「思い込みWHAT」を切り分け、WILLを開発することで、
キャリア自律を支援することが大事だと思います。

参加者からいただいたご感想

カンファレンスでは、WILLを開発するための上司の関わり方や
面談の進め方などを紹介いたしました。
ポイントを一言でいえば、「今の仕事、日々の仕事の中に興味・関心(WANT)を
見出す支援を部下に寄り添い、一緒に考える」というものです。

参加して頂いた方のご感想で、

・WILL=やりたいことだけではなく(WILLの中には一見WILLのように見えてWILLではないものもある)WANTの探求とCANの拡大が重要であると学びを得ました

・若手のキャリア自律支援について考えており、WillのまえにWantから、というのが参考になりました。

といったものがありました。

キャリア自律を支援する私たちの想い

今、多くの人がキャリアに不安を感じ、もやもやして立ち止まったり、
転職を繰り返したりする人が増えています。
キャリアの正解がない中、どうしたらいいかわからず立ち止まっても、
正解を求めて転職しても、不安が解消されることはありません。

答えを求めるのではなく、自分を高め、自らキャリアを切り拓いて
いける人になることこそがキャリア不安から解消される術だと思います。

このようなメッセージを発信し続け、
このような考えを、職場に落とし込んで、実現する支援をすることで、
個人がキャリア自律し、個人も会社も共に成長していく世の中に繋がると信じています。

従業員のキャリア観に関する調査結果
自律的にキャリア開発する社員を増やす(キャリア開発)
この記事を書いた人
吉田 実
誰もが持っている「無限の可能性」と「目が輝く権利」。一人でも多くの人の「イキイキ」のために、これからも邁進していきます!
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