コラム

新入社員育成で感じたこと

皆さん、こんにちは。シェイクの吉田です。

4月に新入社員を迎え、新入社員研修を実施してこられた人事の方も
多いのではないでしょうか?

私自身も講師としては200名ほどの新入社員と直接かかわってきました。
最近3年間はオンラインでの研修も増えてきましたが、
今年は、多くの会社で対面研修を実施されており、同期同士で、
対面のコミュニケーションを楽しんでいる姿が印象的でした。

休憩時間には、「私も滋賀県出身です」とか、「大学時代の専攻が同じです」と
いったように、私の自己紹介の内容と自分の共通点に対して
雑談をしにきてくれる新入社員もいて、温かい気持ちになりました。

今回は、私が今年の新入社員と接して感じたことを纏めたいと思います。

今年、新入社員育成において、お客様からのご要望で多かったキーワードは、

  • 自律成長、キャリア自律
  • セルフリーダーシップ
  • 実践力、個の力
  • ストレスマネジメント
  • 影響力、印象管理


といったような言葉で、不確実な時代において、
一人一人が自ら目的を持ち、一歩を踏み出し、挑戦を重ねていく姿を
期待されていると感じています。

一方で、新入社員研修の現場で、強く感じたのは、人事の期待と
逆行するかのように、例年以上に失敗を恐れる気持ちが強くなっていることです。

例えば、研修で全体に発表するという場面においても、
これまでは、ある程度、発言しやすい場をセットし、
発言した人を承認することで、発言する人が増えてくることが多かったですが、
今年は、頭では分かっていても、行動に移せない人が増えているように感じました。

自分は会社についていけるだろうか、同期から遅れをとっていないだろうか、
といった不安を持ち、自分自身への自信の無さを感じているのかもしれません。

そのような中、新入社員が力強く一歩を踏み出していくために
有効だったと感じる2つのアプローチを紹介させて頂きます。

一つ目は「実践」です。
研修中に実践機会を設け、実践から学べる設計にすることです。
私の仲間の方がおっしゃっている言葉に、
「百聞は一見にしかず、百見は一験にしかず」
という言葉があります。「百見は一験にしかず」というのは、
その方の造語で、学ぶことにおいて、体験に勝るものはありません。

これまで新入社員研修で、実践演習(シミュレーション等)を研修内に組み入れる際は、
既に学んだことを実践し、「出来ることと出来ないことを明確にすること」を
目的にすることが多くありました。

近年は自信がない方が多く、出来ないことを明確にするだけでは行動に
つながらないため、

  • 実践を通じて、出来る手応えを掴むこと
  • 自身の行動を妨げるメンタルモデルを見つけること
  • 自ら決めた行動を素早く実践し、決める大切さを体感すること


といったように、失敗を恐れる自分を乗り越え、
一歩を踏み出す自分になるために実践機会を活かすことが
多くなってきています。

二つ目は、現場の「疑似体験」です。
例えば、先輩社員の1年間の実体験をもとに、実際の困難な出来事に対してどのように
乗り越えていったかを分析し、ケース化したものを疑似体験するものです。
他にも、実際の先輩社員に協力いただいて、ある設定のもと、
1対1のコミュニケーションをロールプレイングの形で疑似体験し、
相手からフィードバックをもらうといったような場面を作り、
現場でのコミュニケーション(相手尊重をしつつ、自己から発信していく)の
イメージを持っていただいたプログラムもありました。

現場で起きる困難な出来事を事前に知り、準備をすると同時に、
そのような出来事に遭遇した時の、自分の考え方の癖を知ります

同じような出来事に直面しても、同期が自分と違うアプローチを
とることを知り、自分の考えが正しい訳ではないことを知ります。
そして、自分の思考の癖を知ることで、現場で自分が陥る罠を知ることが出来ます

困難なことがあっても、自分の特徴を踏まえたうえでの、
アプローチを明確にできたことで、覚悟と柔軟性が芽生えているように思いました。

変化が激しく、将来が見通せない不安要素が強い世の中になっています。
AIなどの技術開発が加速化し、人間である価値を問われる時代になっています。

確かに、不安に感じる要素が増えている世の中かもしれません。

このような時代の人材育成においては、
「実践から学ぶこと」と、「研修を現場に近づけること」の2点が
益々重要になると思います。
皆様の人材育成においても、このようなアプローチが、
何らかのヒントになれば幸いです。

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