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2025年入社の新入社員の特徴とは? 世代別傾向・接し方を徹底解説

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2025年新入社員レポート

2025年最新版!新入社員の特徴とZ世代の効果的な育成方法・かかわりとは?


はじめに

こんにちは。シェイクの松田です。
新入社員が入社してから約半年が経過しました。

皆様の会社の新入社員はどのような傾向・特徴があるでしょうか?

本記事では、他者からの承認欲求が高く、不安にも敏感であると言われる新入社員の特徴や傾向を、弊社で発行している2025年新入社員レポートをもとに改めてお伝えいたします。

そのうえで、今後配属以降に課題となりうる事象やそれらを踏まえた育成や関わりを解説してまいります。

新入社員の世代別特徴(特にZ世代)

Z世代の特徴
1.自己肯定感は高いが、不安にも敏感
2.承認欲求・情報感度も高め
3.ワークバランス重視の働き

1.自分らしさは大切にしつつも、他者との違いや評価に対して敏感

昨今のZ世代の傾向として多様性に寛容であり、「自分らしさ」を大切にします。
彼らにとって働くことは単に生活のためだけでなく、自己実現や価値観の表現の場でもあります。
その背景には、SNSを通じて自分の考えやスタイルを発信し、多様な価値観に触れてきた経験があります。幼い頃から「違いを認めること」が当たり前の環境に育ったため、他人に合わせすぎることよりも、自分の軸を持ち続けることを大切にする傾向が強いといえます。

一方で不安にも敏感です。自分が行ってきたことに対してSNSでの「いいね」の数や、フォロワー数など人から見られて、評価されてきています。
そのため、自分が批判されたり、評価されることに対して敏感であったり、必要以上に失敗することを恐れるという傾向にあります。

昨今の新入社員は「自分らしさ」を尊重されたいという強い欲求と同時に、他者からの評価や批判に敏感で失敗を恐れるという二面性を持っています。そのため、周囲には価値観を認め合いながらも安心して挑戦できる環境づくりが求められます。

2.承認欲求が高く、周囲の微妙な変化に敏感

昨今の新入社員は、承認欲求が高く、周囲の反応に敏感であるという特徴が見られます。SNSの普及により、「いいね」やフォロワー数といった数値化された評価に日常的にさらされてきた結果、自分の行動や発言がどのように受け止められるかを強く意識するようになりました。
また、2025年度の新入社員レポートによると、「どのようなときにモチベーションが高まるか」という問いに対し、「誰かから成果や努力を認められたとき」と答えた割合が3年連続で最も多い結果となりました。こうした傾向は、承認を重視する彼らの価値観を裏づけるものといえるのではないでしょうか。

肯定的な反応が得られれば自信を深められる一方、批判や無反応には過敏に反応し、不安や自信喪失につながりやすい傾向があります。
また、職場での人間関係でも、表情や言葉遣いといった微妙な変化に敏感に気づき、過度に気を配ることがあります。
こうした背景を理解し、安心して挑戦や失敗ができる環境を整えることが、彼らの力を十分に引き出すためには重要なのではないでしょうか。

3.ワークライフバランス重視の働き方

2025年新入社員レポートでも、年々「長く働き続けるための条件」として、「ワークライフバランスが保てる」ことを選択している方が年々増えています。昨年の38.0%と比較して、今年は、44.6%と1年で6.6%もアップしています。

ご一緒している企業様の新入社員からも、入社理由の一つとして「福利厚生が充実していること」や「勤務形態を柔軟に選べ、長く安定して働ける制度が整っていること」を挙げる声が多く、非常に印象的でした。
また、コロナの影響で、リモートワークの普及により「働く場所・時間の自由度」が上がり、柔軟な働き方が当たり前になったことや、命や健康、家族との時間を見つめ直す機会となり、仕事だけでなく生活も大事にしたいという価値観が広まったのが影響していると考えられるのではないでしょうか。

新入社員の課題・職場で起こりうる問題

これらの事象によって、職場でかかわる際に以下のような事象が起きる可能性があると考えられます。

1.不安が先立つことによって、行動が鈍化する
2.承認や反応がないと挑戦意欲やモチベーションが下がり、離職リスクが上がる
3.職場でのオンボーディングが上手くいかず、業務習得や戦力化に遅れが生じる

1.不安が先立つことによって行動が鈍化する

仕事は自分なりにやってみたり、先輩から教えてもらったことを実践して、それが経験となって、振り返り、次へつなげていくことが通常の流れかと思います。しかし、不安が先立つことによって、「本当にこれをやって上手くいくんだろうか?」「他に考えられるリスクはないだろうか?」と考えてしまうがゆえに行動が鈍化します。

それによって、本来的には行動をするからこそ、失敗・成功して経験を積むことができるものですが、行動が伴わないので、経験を積む数が少なくなる可能性があると考えます。

2.承認や反応がないと挑戦意欲やモチベーションが下がり、離職リスクが上がる

仕事を行っていく中では、自分の仕事に対して何らかの反応を得られない仕事も中にはあるのではないでしょうか。

私がご一緒している企業様では、新聞やウェブから自事業におけるトレンドや最近の動向などを調査したものを部署のメンバーに共有することを新入社員の仕事として渡しています。

新入社員がそれを行う目的は、その発信を通じて、自身の知見を広げることで、自事業の行っているビジネスそのものへの理解を深めるためのものです。

ただ、新入社員自身から、周囲からの承認や反応・フィードバックがないがゆえに「このままの発信方法でいいのだろうか?」「これって続けていることに意味があるんだろうか?」と疑問を持つ声が人事の方に挙がったそうです。

仮にこのまま反応やフィードバックを行わない状態を継続してしまうと、自信を失い、無難な業務しかしなくなったり、指示待ちになるなど成長の機会を自ら遠ざけてしまいます。加えて、努力が認められない状況が続くと「この会社では頑張っても意味がない」と感じ、早期離職を選ぶ可能性も高まります。

3.職場でのオンボーディングがうまく行かず、業務習得や、戦力化に遅れが生じる

オンボーディングとは、新入社員が職場の業務や文化、人間関係にスムーズに適応するための初期支援プロセスです。この期間に十分な関わりやサポートが得られないと、「何を優先すべきかわからない」「誰に聞けばよいかわからない」といった不安を抱えたまま業務にあたることになります。

職場でのオンボーディングがうまくいかないと、新入社員の業務習得や戦力化に大きな遅れが生じます。

その結果、仕事への理解が浅くなり、ミスや判断の誤りが増えるだけでなく、自信や主体性も育ちにくくなります。また、上司や同僚との信頼関係も築けず、チームにうまく溶け込めないまま孤立してしまうケースも少なくありません。最悪の場合、業務効率が上がらず、育成にかかる手間やコストが増えるなど、組織側にも影響が出てしまう可能性があります。

傾向と課題を踏まえた新人育成方法・かかわり方

そのような新入社員に対して、以下のポイントが重要だと考えます。

・仕事(業務)の目的・意味、やり方を丁寧に伝えること研修前:社員の現状を把握し、目的を明確にする

先ほどお伝えした通り、自分らしさは大切にしつつも評価や不安に敏感ということから、自分が行ったことのない仕事に対して「失敗したくない」といった不安を抱くことが多いと言えます。
そのため、仕事を行う意味(なぜあなたがその仕事を行う必要があるのか、この仕事を通して自分にとってどのような意味があるのか)を伝えたうえで、仕事をどのように行うかもワンセットで伝えることが重要です。
仕事における達成基準(ゴール)を伝え、達成する上でのポイント・ポイントに応じてどのようにそれを行うのか、またゴール達成におけるリスクなども伝えてあげられると、安心して仕事に取り掛かることができます。

・適切なフィードバックを行うこと

承認欲求が高いという状況も、学生の間、個別で育成を行われているという背景からも、成長した点やできていること、改善すべき点においても丁寧にフィードバックが求められます。

特に、私が今年感じたことですが、具体的な行動ベースで良い点・成長した点を伝えられると、今後自分なりにその行動が良いときちんとインプットがなされるので、その行動を維持・向上させることができます。

具体的には、私が担当している企業様で半数以上の方が朝から研修講師に対して個別に挨拶を行いました。それについて講師から良くできているとフィードバックを行ったところ、研修期間が1か月以上経過しても、気持ちの良い挨拶をしているとのことでした。

また、3週間にわたり弊社で研修を行った企業様では、少しずつ基準が上がってきた受講者に対して、講師から具体的に取り組み姿勢が良くなったことを伝えたところ、研修最終日には、自ら手を上げて発表する姿も見受けられるようになりました。

研修での一時例ではありますが、現場できちんと新入社員の行動を観察してできるようになっていることに関してはきちんと伝える、できていないことに関しては小さく、絞ってフィードバックを行っていただくことで、新入社員の成長実感を促進することもできるのではないでしょうか。

・1on1面談などを通して今の仕事と今後のキャリアとの関係などを話しておくこと

新入社員にとって、今の仕事が仕事人生においてある意味すべての情報であるため、仕事ってこんなもんだという考え方が本人にとってのキャリア観につながってしまう可能性があります。

今この仕事を通して学んでほしいことや、今後の展望などがあって配属を行っていると思われますので、そういったことを新入社員が直属の上司や、人事の方がお話しする機会を持つことをお勧めします。
すべてを話すことは難しい場合でも、こういう成長をしてほしいという会社・組織からの期待は伝えられるのではないでしょうか。

新入社員自身もありたい姿は持っている場合があるものの、解像度が低い可能性もあるので、そのありたい姿に到達するためには、今の仕事とどう繋がっているのか、今後に向けて何を行っていけるといいのかなどを話しておけると良いと思います。

そうすることで、新入社員自身が今の仕事と向き合うことの必要性や自分の人生にとっての意味を見出すことに繋がったり、会社そのものへの期待に繋がる場合があります。

事例

今回は来年度の新入社員研修の参考にしていただくための事例と、これから育成を行う方への支援できる施策の2つをご紹介します。

自律成長プログラム

狙い:入社後の早い段階で自ら成長をする方法を学ぶ
内容:与えられる経験に目的意識を持つことや自分で経験を取りに行くこと、またグロースマインドセットなどの成長するために必要な考え方や行動を学ぶ

本プログラムの受講者の方がアンケートにて以下のようなコメントを記載いただきました。

・自分で積極的に動くことの大切さを知ることができた。学ぶことについても、ただ学び自分の中で完結するのではなく、他の人に説明したり、何かに書き記すなど、言葉にすることで自分の中でも今一度整理し理解を深めることができるため、今後意識していこうと思った。
・これまで目標を漠然と設定していたが、それでは好ましくなく、達成目標が明瞭なものが望ましいと伺い、これから目標を立てる際に意識して行いたいと思いました。

RESILIENCE(リアリティショックの軽減)

狙い:配属後の不安軽減、職場で挑戦・行動することを促進する
内容:先輩社員に入社後に感じた「リアリティショック」を調査し、ケース化して学ぶ。
事前にケースで想定、解決策や考え方をグループで共有することを通じて、
様々な考え方や対処の仕方を事前に学び、また自身のストレスや不安の傾向を理解する

これらのように、自ら成長の方法を学び、挑戦や失敗を自己承認できる力を育むことに加え、
現場で起こり得るリアルな事例を事前に共有することで不安を和らげ、
安心して行動に移せる環境を整えることが、離職を防ぎ、成長を後押しする鍵となると考えます。

まとめ

今回新入社員の特徴としてまとめていますが、やはり、新入社員も「人」ですので、画一的にかかわるというよりそれぞれ育ってきた環境などによって大切にしていることなども違ってきます。

個々人の価値観を理解し、尊重することが、新入社員の成長を最大限に引き出す鍵となります。
新入社員一人ひとりが持つ個性や強みを見出し、その「人」に合わせた育成を行うことこそ、組織全体の未来を豊かにする土台となるのではないでしょうか。

少しでも皆様の新入社員育成にお力になれたら幸いです。

2025年新入社員レポート
この記事を書いた人
松田 あすか
「人は常に変化しているという前提に立つ」人は環境や状況によって日々変化・成長したいという欲求を持って生きているという前提があることを常に意識しています。
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