コラム

「自律型人材」を育成するための新人教育

皆さん、こんにちは。シェイクの吉田です。

この4月も、多くの会社で新入社員研修を実施させて頂きました。
新入社員研修を実施させて頂くにあたって、ご要望を頂くことが多いテーマは、

  • 学生から社会人への意識の切り替え(相手視点の強化や主体性の向上)
  • 仕事の進め方やマナーの理解と実践
  • 自律的に成長するための行動の定着化

などですが、今年実施する中で、新たなテーマになってくると感じたことをご紹介いたします。

それは、リアリティショックに向き合うものです。
最近、新入社員に見られる傾向の一つに、「マッチング傾向」が挙げられます。
自分の思い描いていた理想と現実が違う場合、「合わない」と判断して、
心のシャッターを下ろしてしまうという傾向です。

「希望の配属ではない」「やりたい仕事と違う」「上司と価値観が合わない」
といった現実に対して、自分には合わないと判断して、いきなり離職してしまう
ということが実際に起こっています。

頂いたご要望としては、希望通りの配属にならなくても、
自社でのキャリアを諦めるのではなく、まずは、現実を受け止め、
配属した部署で前向きに業務に取り組み、自らキャリアを切り拓く
マインドセットをしてほしい、というものでした。

実際に研修を実施させて頂き、研修開始当初、
絶対に希望通りの配属ではないと受け入れられないと言っていた受講者が
希望通りの配属にならなくても、前向きに取り組んでいくことを、
同期に宣言していた姿は、感慨深いものがありました。

この事例をご紹介させて頂いたのは、この事例にこそ、
「自律型人材育成」の重要な要素があると感じたからです。

配属ギャップに限らず、新入社員は入社後、様々なギャップに直面します。
いわゆるリアリティショックと呼ばれる事象ですが、
人事や現場は、出来る限りギャップが起きないように調整をすることに
注力されることが多いと思います。
出来るだけ、スムーズに社会人生活が始められるように
あらかじめ地ならしをするようなイメージです。

でも、本当に必要なのは、ギャップが起きないように調整するのことではなく、
むしろ、正面からギャップに向き合わせる準備と支援をすることではないでしょうか?

正面からギャップに向き合うこと自体が、自律型人材を育成することに繋がると思います。

2020年度、入社時には元気だったのに、
1年目が終了する時点ではエネルギーがかなり落ちている新入社員に多く会いました。
話を聞くと、多くの人がギャップに直面し、思い通りにならないことを嘆き、
そのことが、自分自身が頑張らない理由として正当化され、
結果としてエネルギーやモチベーションが低い状態になっていました。
諦め感のある状態と言い換えてもいいかもしれません。

入社後の主なギャップには、

  • 配属ギャップや業務内容ギャップ(やりたいことと違う)
  • 人や風土ギャップ(組織と合わない、人と合わない)
  • 自分自身の能力ギャップ(思っていたように出来ない、自信がない、不安)

といったものがあります。

「ギャップに向き合う」といっても簡単なことではありません。
今回の研修のように、ギャップに向き合うにあたっての準備に時間をかけ、
実際にギャップに直面したときに、「寄り添い」「並走する」サポートが必須だと思います。

上司や先輩、OJTトレーナー、メンターが、サポーターとして、
横で並走しながら、ギャップに向き合わせて乗り越える支援をしていくことです。

目の前に転がる石ころを取り除くのではなく、
一緒に石ころを乗り越える支援をしていくことだと思います。

仕事を覚え、社会人としての基礎を固めていく新人期に、

  • ギャップに向き合わせること
  • 寄り添い並走すること

の2点は困難を乗り越え、自ら考えて、行動し、
自分の人生を切り拓いていく自律型人材を育成する有効なアプローチだと思います。

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