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マネジメント

マネジメント能力が高い人の共通点とは?マネジメント能力を高める研修事例を紹介【チェックリストつき】

こんにちは、シェイクの佐々木です。

今回のコラムは、

・自社で管理職候補者や管理職の育成をしていきたいが、ポイントが分からない
・管理職候補者や管理職向けの研修を見直していきたい
・自分自身のマネジメント能力を高めていきたい
・部下のマネジメント能力を育成したい

といった方に向けて、

・そもそもマネジメント能力とは何か?
・マネジメント能力が高い人・低い人の行動特性の違いは何か?
・どうすればマネジメント能力が高められるのか?

について、シェイクの研修実施事例も踏まえて解説していきます。

マネジメント能力とは

そもそもマネジメントとは、「管理」や「経営」を意味する言葉です。
アメリカの経営学者P .F.ドラッカーは、マネジメントを「組織に成果を上げさせるための道具、機能、機関」と定義しています。

一般的にビジネスでは、ヒト・モノ・カネ・情報といった経営資源を効率的に運用し、目標達成のために組織を機能させる能力が「マネジメント能力」とされています。

マネジメントとリーダーシップの違い

しばしば「マネジメント」と「リーダーシップ」が混同されることがありますが、この2つは異なるものです。

近年のリーダーシップ論の第一人者であるジョン・P・コッターによると、マネジメントの目的は、「複雑な状況にうまく対処すること」です。複雑な状況に対処するために、まず計画と予算を策定し、それを達成する能力を開発するために組織化と人員配置を行います。実行の段階では、状況をコントロールする仕組みをつくり、計画とのギャップがあれば問題解決の計画を立て、組織を効率的に管理運営していきます。

一方で、リーダーシップの目的は「変化に対処すること」です。方向性を決め、ビジョンを描き、戦略を練ります。そして、ビジョン達成のためにメンバーの心を1つにし、動機づけを行い、変革を阻む困難を乗り越えて人と組織を導きます。大規模な変革時にはあらゆる階層でリーダーシップが必要になります。

また、マネジメントは管理職に求められるものであるのに対して、リーダーシップは立場や役職に関わらず発揮することができるものです。

変化の激しい時代においてはマネジメントだけ、リーダーシップだけがあれば良いというわけではなく、双方の能力が必要です。

マネジメント能力を構成する要素

マネジメント能力は「業務マネジメント能力」と「人材マネジメント能力」の大きく2つの要素から構成されます。

2つの要素について、具体的に解説していきます。

業務マネジメント能力

より詳細に見ると、

・戦略的意思決定力
・プロセスマネジメント能力
・ナレッジマネジメント能力
・リスクマネジメント能力
・コストマネジメント能力

の5つの要素があります。

戦略的意思決定力

さまざまな情報を的確にとらえ、優先順位の高い戦略について適切な意思決定をする力のことを指します。

プロセスマネジメント能力

継続的な業務改善、効果的な仕事の進め方の提案をする能力を指します。

ナレッジマネジメント能力

業務に役立つ情報・ナレッジを収集蓄積し、ノウハウとして使えるよう整理する能力を指します。

リスクマネジメント能力

遭遇するリスクへの準備を整える、あるいは発生したリスクに適切に対処する能力を指します。

コストマネジメント能力

担当部署や業務に関連する予算・コスト・資産などを把握し、適切な管理、合理的な判断をする能力を指します。

人材マネジメント能力

人材マネジメント能力についても業務マネジメント能力と同様、より詳細に見ると、

・人事管理能力
・組織統制能力
・能力開発スキル
・指導援助能力
・指示命令能力

の5つの構成要素があります。

人事管理能力

メンバーを適切に人事評価し、メンバーの個別事情にも配慮して、適切な労務管理をする能力を指します。

組織統制能力

メンバーのベクトルが合うよう、ミーティングなどを効果的に開催し、情報の共有化をする能力を指します。

能力開発スキル

業務遂行を通してメンバー(後輩)の能力を引き上げる力を指します。

指導援助能力

メンバーが業務を完遂するために、メンバーの状況に応じて適切な指導援助をする能力を指します。

指示命令能力

上位方針に基づき、メンバーに対して適切な指示命令をする能力を指します。

マネジメント能力が高い人の共通点

マネジメント能力が高い人の共通点は、メタ認知能力(自分が認知していることを客観的に把握する力)が高いことです。

具体的に、「対業務」「対人」「対自己」の3つの観点で、メタ認知能力がなぜ重要なのか説明したいと思います。

対業務

業務遂行や問題解決においては、目的意識が欠かせません。
目の前の業務に没頭し、視野が狭まってしまうと、目的を見失い、成果を出しにくくなってしまいます。

対業務でのメタ認知能力が高い人は、例えば

・そもそも目的は何なのか?
・目的に対して、目標や手段は適切か?

など、自分の思考や行動を認知して、冷静に軌道修正をすることが多いと言えます。

対人

メタ認知能力が高い人は、メンバーの感情や状況への感度も高い傾向にあります。
そのため、メンバーとの人間関係を構築しやすく、サポートや育成が上手くいきやすくなるでしょう。

例えば、メンバーの表情から心情や状況を読み取り、「今、業務上で困っている事はありますか?」「今の状況を好転させるためにどんなサポートが必要ですか?」といった声かけを適切なタイミングでできる傾向にあります。

また、自分とメンバーだけでなく、メンバー同士やチーム全体の関係性も客観的に捉えられます。

対自己

自分の言動が他者にどのような影響を与えているか認知することは、管理職をはじめ影響力が高い立場にある人に必須の能力と言えるでしょう。

時代や状況、相手によっても求められるマネジメントが変わる中で、自己認知をしたうえで、自分の行動を変えていくこと(メタ認知的技能)も重要です。

管理職として、メンバーを動かすためにメンバーに寄り添った発言が必要なこともあれば、時にメンバーにとって耳の痛いことを言わなければならないこともあるでしょう。

特に後者のような状況において「これは○○さんにとって受け止めづらい指摘かもしれない」と認知したうえで発言をするのと、そういった認知なく思い付きで発言をしてしまうのとでは、受け止め方が変わってくる可能性があります。

マネジメント能力チェックリスト

マネジメント能力について、現時点でのレベルをチェックしてみましょう。
下記のチェック項目に対してそれぞれ5段階で自己評価し、AとBそれぞれの合計点数を出して、4象限のマトリクスの中での自分の傾向を確認してください。

【5段階】
5:かなり当てはまる
4:だいたい当てはまる
3:どちらとも言えない
2:あまり当てはまらない
1:全く当てはまらない

チェック項目A

①規則で決められた事に従うべきだということを、部下・後輩にきちんと伝えている
②部下・後輩の仕事に関して、指示命令を細かく与える
③「部下・後輩の仕事量」のことについて部下・後輩に言及している
④所定の時間までに仕事を完了するように部下・後輩に要求する
⑤部下・後輩を最大限に働かせようとしている
⑥部下・後輩がまずい仕事をやったとき、その人自身を責めるのではなく、仕事ぶりのまずさを責める
⑦部下・後輩に、仕事の進み具合についての報告を求める
⑧毎月の目標達成のための計画を綿密に立てている

チェック項目B

①部下・後輩は気軽にあなたと話し合うことができている
②全般的に、部下・後輩はあなたを支持してくれている
③部下・後輩の個人的な問題に気を配っている
④部下・後輩はあなたを信頼している
⑤部下・後輩が優れた仕事をしたときには、それを認められたと本人は感じている
⑥職場で問題が起こったとき、適切に部下・後輩の意見を求める
⑦昇進や昇給など、部下の将来について気を配っている
⑧部下・後輩を公平に扱っている

チェック項目A
25点以上25点未満
チェック項目B25点以上創意工夫型人間関係重視型
25点未満業績重視型ことなかれ型

あくまで現時点でのレベルをチェックするものであり、高い点数がつかなかったからといってマネジメントに向いていないというわけではありません。
次の「マネジメント能力を高めるためのポイント」を参考に、能力開発に取り組んでいきましょう。

マネジメント能力を高めるためのポイント

ここまで、マネジメント能力とは何か?マネジメント能力が高い人の共通点とは?といった点について解説してきました。

マネジメント能力は生まれつきのものではなく、後天的に高めていくことができます。
シェイクは、マネジメント能力を高めるためのポイントは下記3つだと考えています。

①自身の現状と求められる基準とのギャップを客観的に理解する
②課題を踏まえて知識やスキルをインプットする
③職場での実践と振り返りを通じて自分なりのマネジメント持論をつくる

①自身の現状と求められる基準とのギャップを客観的に理解する

マネジメント能力を高める必要性を感じるのは、多くが管理職になるときや、その手前のタイミングでしょう。

そこまでの仕事経験が人によって異なる中で、マネジメント能力がどの程度培われているかも人によって大きく異なるため、まずは自分の現状を知ることが重要です。

また、現状を知るだけではなく、求められる基準とのギャップを知ることで、今後の能力開発につなげることができます。

②課題を踏まえて知識やスキルをインプットする

①で説明したように、現状が人によって異なる中で、一概にこれを学べばマネジメント能力が高まるというものがあるわけではありません。

先に見た「マネジメント能力を構成する要素」を参考に、足りていない要素に関する知識やスキルをインプットすることをおすすめします。

集合研修を実施する場合は1人ひとりの課題に沿ったインプットをすることは難しいですが、業務マネジメント能力と人材マネジメント能力の双方の観点を押さえつつ、研修を通して達成したいゴールや、研修の対象となる層全体の課題感を踏まえて内容を調整すると良いでしょう。

③職場での実践と振り返りを通じて自分なりのマネジメント持論をつくる

このコラムの冒頭で説明したように、ヒト・モノ・カネ・情報といった経営資源を効率的に運用し、目標達成のために組織を機能させる能力が「マネジメント能力」です。

業務マネジメント能力、人材マネジメント能力といった要素はありますが、単にこれらの知識・スキルをインプットし、理解するだけでなく、実際に組織を機能させることができてこそ「マネジメント能力が高まった」と言えます。

部署やメンバーの状況、自身の現状や傾向も異なる中で、インプットしたことを活かしながら実践し、振り返り、改善するというプロセスを繰り返すことが重要です。

またそのプロセスの中で自分なりのマネジメント持論をアップデートすることが、今までの自分の成功パターンを捨て、新たな行動に転換することにつながります。

マネジメント能力を高めるための研修

マネジメント能力は、一朝一夕で高まるものではありません。
シェイクでは、職場での実践を通じてマネジメント能力を高めるプログラムを提供しております。

プログラム① プレ・マネジメント研修

「マネジャーに求められる役割を理解し、個人・組織の2つの軸を明確にし、今後の影響力発揮につなげる」をテーマとした、管理職候補者向けプログラムです。

2日間の研修で、

・マネジャーとしての役割認識
・マネジャーとしての個人軸の明確化(働くうえで大切にしたい価値観)
・マネジャーとしての組織軸の明確化(組織のあるべき姿)
・今後に向けて取り組みたいテーマの具体化

といった内容を扱います。

プログラムの受講者からは、

・ケーススタディで問題発見から対応法の検討~優先順位付けなど自分なりに考える良いトレーニングになりました。

・職場の違う方と多く話すことができ、自分の思考の癖に気づけたことや、周りの方の着目点は参考になりました。

・ビジョンや組織の目指す姿などを考える際、できるだけ多くの視点(長期・短期、社内・社外)で考えてみることを意識してみようと思いました。

といった感想をいただいております。

プログラム② マネジメントスタイル変革

「業務管理型から部下1人ひとりに合わせた成長支援型マネジメントへの行動変容」をテーマとした管理職向けプログラムです。

導入研修で管理職としての役割理解や、360度サーベイを用いた自己客観視を通して意識転換を行ったうえで、プログラム期間を通して育成したい部下を1人決めていただき、狙って育成することを職場実践課題として取り組んでいただきます。

フォロー研修では職場実践の振り返りや部下育成スキルの付与を行うことにより、職場実践のPDCAを回し、さらに実践の質を高めていきます。

最終フォロー研修では再び360度サーベイをとり、プログラム期間での成長の手ごたえを得るとともに、今後に向けて改めて自己課題の認識を行います。

プログラムの受講者からは、

・自分が本気で変わるためのきっかけとなりました。ここで満足せず、職場で実践していくことが大切。またここからスタートという気持ちでいきたいと思います。

・自身がやってこなかったビジョンを掲げ、それなりの反応が部下から得られており、また2回目の360度サーベイで成長を実感できた。時代に合わせて変化させる必要はあるが、学んだことを継続すれば1年後、また違ったチームが運営できていると思う。

といった感想をいただいております。

プログラム詳細はこちらをご覧ください。
https://shake.co.jp/service/organization/#management-style

プログラム③ LEARN&GROW(心理的安全性とフィードバック)

「『高い目標』を達成するために、高い心理的安全性をベースにした組織・個人が成長し続ける『学習する職場』を形成する」をテーマとした管理職向けプログラムです。

マネジメントには多くの要素がありますが、本プログラムでは狙いを「学習する職場」の実現とし、学習要素を絞り込むことで、心理的安全性と高い目標基準の両立を目指していることが特徴です。

「プログラム② マネジメントスタイル変革」と同様、研修間に職場実践を行っていただく建付けとなっていますが、本プログラムではそれぞれが独自の職場実践内容を考えて実行するのではなく「メンバーへの取り組み内容の共有」及び「メンバーへのフィードバック実践」の2つを全員共通で取り組むようにすることで、「他の管理職も取り組んでいるから、自分もやらなければ」という意識を生み出し、実行率の向上につなげました。

プログラム受講者(管理職)の部下からは、

・研修前は上司が忙しいことが原因でコミュニケーションが全くとれていませんでしたが、研修後は私を含めた部下とのかかわりを増やそうとしている様子が見えました。

・私の今後の能力開発のための具体的なアドバイスを、月に数回の頻度でいただけるようになり、ありがたく思っています。

といった感想をいただいております。

プログラム詳細はこちらをご覧ください。
https://shake.co.jp/service/organization/#learn-grow

まとめ

今回のコラムでは「マネジメント能力が高い人とは」というテーマについて、その特徴や、能力を高めるためのポイントを解説しました。

シェイクでは、各企業様の課題感にあわせて研修をはじめとしたソリューション提供を行っております。

マネジメント能力の向上に関しては、下記のページでも施策をご紹介しておりますので、ぜひあわせてご覧いただけますと幸いです。

組織づくりに関するサービス
https://shake.co.jp/service/organization/

解決する課題「優秀な管理職が育つ仕組みを構築したい」
https://shake.co.jp/solution/probrem03/

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https://shake.co.jp/contact/service/

人が育つ職場のつくりかた(成長支援組織)
多様化する時代に必要なマネジメント改革・組織づくりを徹底解説(組織づくり))
この記事を書いた人
佐々木 春希
人や組織がより良い未来に向けて動き出すきっかけに立ち会えることが、人材育成という仕事の魅力です。
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