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キャリア自律

キャリア自律推進における問題と、推進のためのポイント~HRカンファレンス講演を終えて~

皆さん、こんにちは。シェイクの吉田です。

11月21日(火)に日本の人事部「HRカンファレンス2023-秋-」で講演をさせて頂きました。

講演タイトルは、「キャリア自律は「個をどう活かすか」から導く Will-Can-Mustではたどり着けない成長ステップ」です。

今回は、講演の内容の一部をダイジェストでお伝えします。

講演にあたっての問題意識

もともと、講演を企画するにあたって私が感じている問題意識として、

  • キャリア自律を個人の自己責任で終わらせてはいけない
  • 組織が個人に「キャリア自律」を押し付けても個人の意識は変わらない
  • キャリア自律を、フワッとした「WILL探し」で終わらせてはいけない
  • WILL、CAN、MUSTで整理をしてキャリア自律が推進されると思ってはいけない
  • 組織と個人が対等、という一言で、組織と個人の関係を語ってはいけない

といったことがありました。

多くの組織で、キャリア自律を促進していますが、「キャリア自律をせよ!」というキャリア自律を押しつける組織と、「やりたいことが分からない」「やりたいことを伝えても、何でもやらせてもらえるわけではない」と感じる個人との間で、食い違いが起きていると感じていました。

一体、この食い違いは、なぜ、起きているのか。どうすれば解消できるのか。
これが講演を実施する背景にあった問題意識です。

キャリア自律推進において起きている問題

制度や仕組みだけ整えても活用されない

今回、講演に参加していただいたのは、人材育成の責任者や担当者の方々。
冒頭に、現在キャリア自律に関する取り組みを行っているかを聞いたところ、50%以上の人が、既に取り組みを行っていると回答されました。

一方で、取り組みにあたって、難しさを感じていることを送付頂いたところ、「意識の変化」「マネジメント層の変革」等に課題感を持っている人が多く見られました。

組織でキャリア自律を推進しようにも、キャリア自律を押し付けることになって、意識が変わらない、制度や仕組みだけを整えても活用されないといったことが起きています。

組織と個人の行き違い

キャリア自律においては、個人がキャリアを決め、個人が自分で成長することが求めらる一方で、新入社員や若手社員が個人の思いとして、「マーケティングがしたい!」「18時に帰りたい!」といったことを主張しても、状況に応じては「わがまま」と捉えられてしまうことがあります。

そこで起きている問題を「組織」の中で「自律」するためのポイントを押さえていないため、組織と個人で行き違いが生じていると置きました。
組織に所属しない個人が自律するのとは違い、組織で働く以上、押さえなければいけないポイントがあります。

そのようなポイントを押さえず、社員が組織に依存している状態で、WILL、CAN、MUSTで整理しても不安や焦り、現状への見切り、不満、受け身といったことで終わってしまいます。

WILL、CAN、MUSTで整理する前に、若手社員が押さえなければいけないポイントを紹介させて頂きました。

押さえるべきポイント:仕事観

仕事観とは

まずは仕事観です。
仕事観とは、「仕事に対する捉え方」や「働く目的」に該当するものです。

一つ目は、やりがいや成長、仕事そのものの面白さのために働く仕事観です。
二つ目は、社会や所属する組織、人のために働く仕事観です。
三つめは、お金や報酬、肩書のために働く仕事観です。

この中で、一つ目と二つ目の仕事観は、個人のキャリア満足に繋がり、三つ目の仕事観は、キャリア満足に繋がらないという研究結果があり、今の若手社員において、この一つ目と、二つ目の仕事観を培う重要性について
お伝えさせて頂きました。

仕事観を培う難しさ

最近の新入社員、若手社員の価値観として、以下のようなものがあります。

  • コスパ、タイパよく、楽に稼ぎたい、最低限の仕事しかしたくない
  • 自分の視点で「合わない」と感じたら、即、見切る

このような価値観のもとで、仕事と向き合うことが難しくなっています。

また、組織においても、

  • 生産性向上のための効率化の推進
  • ハラスメントを恐れて、新人や若手に踏み込まない

といったことが起きていて、仕事に向き合うことを支援することが難しくなっています。

経験付与の重要性

仕事観を培うために必要な、お客様に向き合う経験、自分と向き合う経験、苦手な人との関係構築に努める経験など、
「与えられた仕事をこなす」「やりたい仕事をやる」だけではない「一見無駄に見えること」や「やりたくないこ」も含め、研修、職場、上司などが力を合わせて、経験付与していくことが重要だと思います。

講演では、他のポイントとして、組織観を培う成長のステップや実際の事例などをご紹介させて頂きました。

講演を終えて

講演を終え、聴講された方々のアンケートコメントを読んでいると講演内容に「共感した」という声が多く、嬉しく思いました。

一部をご紹介しますと、

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これまでフワッとしていた「仕事観」というものの解像度が上がりました。また、仕事観に繋がる経験を多く積ませることが大事、との考え方を知れたことが大きな収穫と感じています。
「WILL探しではなく」といった視点や、具体的な事例があり理解が進みました。

新入社員にフォロー研修でキャリアの話・Will・Can・Mustを考えてもらっていますが、広がらない(自分の見える範囲で終わる)ことや、伴走が必要であることを聞き、納得しました。
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講演を終えて感じていることとして、改めて、個人が組織との関係性をどのように捉えるかが重要になってきたと思います。

組織は、個人に自律を求めるようになりました。
一方で、個人は不安や焦りの中で、メディアや友人の言葉に流され、
ここは自分の居場所ではないと離職する人も増えています。

私は、その大きな原因の一つに、組織と個人の関係があると思います。
組織で働く以上、組織の中で自律を求める以上、しっかりと
組織と個人がかみ合う世の中を作りたいと思います。

人が組織で働くことに喜びを感じながら、自分の強みや個性を活かし、
イキイキと働く世の中に貢献していきたいと思います。

従業員のキャリア観に関する調査結果
自律的にキャリア開発する社員を増やす(キャリア開発)
この記事を書いた人
吉田 実
誰もが持っている「無限の可能性」と「目が輝く権利」。一人でも多くの人の「イキイキ」のために、これからも邁進していきます!
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