こんにちは、シェイクの飯島です。
シェイクは8月が期末となります。
今回は期末に1泊2日で実施した全社ワークショップにおいて、
事務局として企画、運営を担った若手社員2名が
どのようなことを感じ、どのような成長をしたのかを
本人たちにインタビューをしながら、振り返りたいと思います。
ちなみに、今回の全社ワークショップは
「会社・事業の未来を考える」がテーマでした。
事務局は社員からの立候補で担い、
若手社員2名とマネジメント2名がプロジェクトを組み、
ファシリテーターはシェイク創業者である「森田英一氏」にお願いし、
主にこの5名で対話しつつ、
時に経営者を巻き込みながら、企画を進めました。
2023年1月にも全社ワークショップを実施しており、その際の記事は以下にアップしています。
全社員ワークショップから得た学び~「場」を共有することの大切さ~
企画の段階では、経営視点やマーケティング視点が必要なことも多く、
若手社員では経験不足、知識不足により
わからないことや想像できないことも多かったと思います。
プロジェクトチームは意見が出しやすい場づくりを意識し、
マネジメント層も、若手社員の”知らないからこその意見”を
大切にしながら、対話を進めました。
結果として、様々な場面で若手社員自らが自分の意見・考えを出したり、
わからないことは質問したり、時に議論のテーマにするなど、
自分事として取り組んでいたように思います。
実際にどのように本人たちが感じていたのか、
ぜひインタビューの内容をご覧ください。
事務局を運営してみての感想
飯島:よろしくお願いします。今日は、全社ワークショップを企画・運営してみての振り返りや感想について話していただきたいと思います。
率直に、全社ワークショップの事務局をやってみていかがでした?
山中:まずは、会場の都合でしたが、ワークショップ会場、食事会場、宿泊場所と移動が多くて、こうした物理的な移動だけでも組織を束ねるのは難しいと感じました(笑)
飯島:同じ敷地内でも1日に数回バス移動があり・・・確かに、あれだけでも大変でしたよね。2日間、山中さんがほとんど仕切って、みんなを動かしていました。また、今回は1泊2日ということで、小さなお子さんがいる家庭は、お子さんと一緒に参加できるようにしました。シッターの手配や会場との調整も山中さんがすべて取り仕切っていましたね。
山中:これまで調整業務は苦手だと思っていたのですが、今回のワークショップでは、全社員を巻き込む調整や様々な方面の方とのやり取りを通じて、実は調整が得意なのかも?と感じ、少し自信がつきました。同時に、研修実施の際の人事様の苦労も理解できました。
飯島:シッター手配や会場手配、直前まで参加人数の調整など、様々な調整がありましたが、責任感をやり切っ多のは山中さんの強みですよね。一方、川村さんはワークショップ中も場の様子をよく観察して、ファシリテーターの森田さんと積極的にコミュニケーションをとって、質問したり、意見したりしていました。
川村:常にこれでいいのだろうか?と心配はしていました。運営側としての私の発言が介入することで場を悪い方向に持って行っていないか?という不安もありました。
飯島:企画側として、いろいろと準備してきたからこそ、一つひとつの自分の発言や発信に責任を感じていたのではないでしょうか?
ワークショップの企画を通しての学び ~視野が広がるとは?~
飯島:ワークショップの開催自体は経営からの要請でもありましたが、ワークショップのゴールやそれを導くためのコンテンツまですべて自分たちで考え、まとめてきました。少なからずお二人の意見も反映されてきたと思います。企画側としての学びはどのようなものがありましたか?
山中:企画の立場として、組織をまとめることの難しさは様々な場面で感じまして、今まではメンバーの目線で見ていたことを別の目線でも見る機会となりました。
飯島:別の目線とは?
山中:今回、運営としてワークショップのゴールを描き、最終的に自分たちが話をまとめていく立場になりました。が、実際のワークショップのディスカッションの中でみんなが話す言葉がバラバラだな、と感じ、それをまとめていくことの難しさを感じていたように思います。
そう考えると、率直に組織運営をしている経営やマネジメントって難しいと実感しました。
飯島:私の視点からは、みんな見ている方向性は一緒だなと認識したのですが、山中さんはバラバラだと感じたんですよね?
山中:根本は一緒なのかも?と思う部分もあったのですが、実際に意見をまとめるのは難しいと感じました。
例えば、ワークショップの中で、シェイクのミッションの「イキイキと働く」を具体化する場面があったと思うのですが、イキイキを語る言葉もみんなバラバラですし、また、イキイキを定義したい人としたいとは思わない人といたので、それをどうまとめていけばいいのだろう?という難しさを感じていました。
川村:私も当初はみんなバラバラなんだな、という感想を持ちましたが、メンバーそれぞれが別々の考えを持っていて、それを意見として出したり、議論できる組織は悪い組織ではないと思います。そもそも、組織によっては個人の意見を表現する機会がなかったり、聞かれても個人の意見を持っていなかったりする場合もあると思うので。一方で、一緒に仕事をしているときは同じ考え、似た考えで働いているだろうと思っていたメンバーたちが、根本を詰めて話してみると、実は若干違う価値観や世界観を持っていると気付いたときは、少し寂しさも感じました。
飯島:経営やマネジメントをする上では、対話や議論は前提にありつつも、最終的には方向性や意思決定をする必要がありますが、「意見をまとめる」立場に立つことで見えたことがある、ということですね。また、価値観の話が出ましたが、普段の仕事の中では仕事観や価値観レベルの話をあまりしないと思うので、いざこうした場で話すと言葉や表現の仕方にずれや違いがあったのかもしれません。そこに寂しさを感じるのは、今までつながりや相互理解を大切にしてきた川村さんならではですね。
ワークショップの企画を通しての学び ~組織のジブンゴト化とは?~
川村:他には、今までシェイク社内では「会社・経営をジブンゴト化する」ということが語られてきていましたが、それはこういうプロセスで成し得るのだと、実感しました。
飯島:その気づきにはどんなきっかけがあったのでしょう?
川村:普段は自身の顧客の担当者として、目の前の案件に対して、コンサルタントとして開発、営業といった自分の役割の枠の中で仕事に向き合っている感覚はあります。一方で、目の前の業務だけに目を向け、シェイクの事業の中での自分の業務といった視点で考えることがあまりありませんでした。今回、ワークショップの企画をする中で、シェイクの事業全体について考える機会になり、組織をジブンゴト化できたり、シェイク全体を背負ったような感覚にもなりました。
飯島:企画段階から、ファシリテーターの森田さんと組織開発や事業の視点での話し合いが多かったので、やはり組織全体を俯瞰するという必要性があったんでしょうね。ただ、若手社員としてシェイク全体の視点に立つというのは、難しさを感じませんでしたか?
川村:そうですね。普段は全社会議やリーダー会議で話し合われた内容が自分に降りてくる感覚だったので、そういった視点に立つのは難しかったですが、今回、ワークショップを企画していく中で、運営メンバーにマネジメント層がいたこともあり、そういう階層の人がどんな視点で組織を見ているのか?を対話を通じて知れたことで、視野が広がっていったと思います。組織に対する認識をちゃんと合わせていくと、若手社員でもマネジメント層の視座で物事を考えることもできるのではないかと思います。
飯島:経験や知識の有無ではなく、がなくても、役割としてその視点に立つことが大事なような気がしますねした。もちろん、対話の場があるとか、質問ができるとか、情報が渡されることも大切ですが。また、川村さんは相手の意図をちゃんと聞こうとか理解しようというコミュニケーションをとりますよね。わからないことを聞くだけでなく、前提や背景を捉えようとする川村さんの姿勢が、マネジメント層やファシリテーターとの対話を促進し、結果として自身の視野を広げることに寄与していると感じます。
参加者としてのワークショップでの気づき
飯島:今回は自社のメンバーがファシリテーションをせずに、他の方にお願いして、ワークショップ中は私たちも参加者として場に臨みました。参加者としての気づきはありましたか?
川村:先ほど「視野を広げる」という言葉がでましたが、日ごろの雑談やコミュニケーションでは、具体的な案件や仕事に基づいて話すことが多いのですが、ワークショップでは、「お客様」「社会」という広い概念での価値提供の相手についても対話することが出来たのもよかったです。
山中:私も、普段の仕事の中で、例えば現在取り組んでいる研修コンテンツ開発においては、自分で考えることを通じて持論を作っていく感覚があります。それが、ワークショップでは、組織につながり、シェイクとしての持論になっていく、という感覚を持ちました。
飯島:自分の仕事が組織につながっている感覚ですね。みんなが共通のテーマについて考える機会、例えばワークショップの中でも、特定のお客様の課題、ではなく「我々が解決したい社会課題は何か?」という視点で考える場面があり、個々人の意見が会社を作っていくという実感を持ったのかもしれませんね。また、会社の枠ではなく、社会という枠で物事を見る機会にもなったのではないでしょうか。
川村:そういった社会課題への関心についても、メンバーと目合わせができたのは良かったです。最初に価値観がバラバラだったと話しましたが、人材育成の領域でも、個人の成長への興味がある人と事業や組織運営に興味がある人とがいて、視点の違いを感じました。
山中:話は変わるのですが、森田さんがファシリテーションを行ったことで、シェイクのメンバーがフラットな関係性でワークショップに臨めたと思います。例えば、社長が経営者として前に出てきたシーンもなかったと思います。グループワークの中で、新入社員や若手社員も経営者もフラットな立場で話ができていたと感じます。
メンバーとマネジメント層の双方に、マネジメント層や経営が最終的な決定や意見を集約していく責任があるよね、という暗黙の了解のようなものは双方にあるとは思いますが、そのような中でも1人ひとりが率直に意見を伝えあう場になっていました。
川村:マネジメント層が前に出てこなかったのは、経営がすべて主導していくという姿勢ではなく、メンバーが出し合った意見をまとめて反映していこうという意識があるからではと思っています。そういった姿勢を普段から感じていますが、今回のワークショップでもそう感じました。一方で、経営者個人の熱い想いの発信の場をつくれてもよかったかもしれない、とも思いました。
飯島:フラットでみんなで意見を出し合っていく、という側面だけでなく、普段聞けない経営者の想いを知りたいという視点は、確かに企画の時点では考えていなかったですね。実際にやってみて、初めて気づいた部分かもしれません。対話も大切だけど、経営のそういう想いを明確に語ってほしい、知りたいという想いがより鮮明になったのかも?今後そういう場面を作っていっても良いかもしれません。
山中:ワークショップの中では、明確な方向性を決めたわけではありませんでした。コストを費やしたのに、「具体的なものが決まらなかった」「会社としての明確な成果が欲しかった」という意見の方もいました。
事業として今後何をすべきなのか、その場で答えが出たわけではないので、人によっては物足りなさもあったのだろうと思います。
川村:確かに、今回のワークショップで、自分の想いとシェイクの目指す事業像の解像度を上げたことで、そこへの周囲との乖離を感じる人もいたかと思います。
山中:乖離があるからモチベーションを下げる、ではなく、自分たちで会社を作っていく、というマインドセットや自分の想いを目の前の仕事と紐づけていく、という意識は個々が必要な気がしています。
川村:個々の意識とともに、周囲や組織からのサポートもあると良いと思います。例えば個人の想いを軸に新たな仕事や役割を獲得するチャンスを作るなど。シェイクは特に個々の想いを持ったメンバーが集まっている組織なので、想いの実現と事業や会社の方向性の乖離を感じて、宙ぶらりんな感覚のまま、日々の仕事に追われることのないように、今後もどうしていけると良いか考えていきたいと思います。
飯島:ワークショップ自体は終わったわけですけども、お二人には新たな組織の課題やテーマが見えてきているようですね。全社ワークショップという大きなイベントだけでなく、お二人の日々のかかわりや仕事の中での雑談や問いかけ、そういったものからでも行動できることも多いような気がします。この経験をぜひ、日々の行動につなげていってほしいです。
まとめ 考察
全社方針や事業方針とまではいかなくても、
皆さんの組織方針の議論や組織ビジョンの策定の場に、若手社員の姿はあるでしょうか?
上位層が考えた方針を若手自らが自分事として考える場はあるでしょうか?
もしくは、そういったミーティングの場を若手が企画したり、ファシリテーションする機会はあるでしょうか?
若手社員は視野が狭い、知識がない、意見なんか出せない、と思っていませんか?
もちろん、どれも若手社員にとっては、ストレッチな仕事です。
しかし、若手社員でも、会社や組織のことを真剣に考え、より良くするためにはどうしたらよいか?
上位層の話を聞き、理解し、共に未来を考えたいと思っている若手社員は実は多いのではないかと思います。
今回私と一緒にワークショップの企画、運営に携わったメンバーは自ら手を挙げて、メンバーに入りました。
そうした想いや組織への貢献意欲を持つ若手社員にとって、安心安全の担保は必要とはなりますが、
普段の仕事では感じ取れない情報や議論に触れることは、若手社員の成長につながります。
無理に若手社員に提言を促す必要はないと思います。
ただ、そういった管理職や上位者の視点に立つ機会を作り、
相手の意見や考え方を否定せずに、傾聴し、共に考え、対話し、ともに作り上げていく姿勢を共に持つこと。
それは若手社員の視座を上げ、成長につながることに改めて気づいた全社ワークショップでした。