コラム

OJTトレーナーの役割

皆さん、こんにちは。シェイクの吉田です。

先日、藤原 和博氏(元リクルート、元和田中学校校長)がオンラインでの学校教育において次のような発言をされていました。

オンライン教育における理想の形として、「最高に教えるのが上手な先生」の授業を放映し、学校の先生は生徒と同じ側に座り、「最高の先生」の動画を一時停止しながら、生徒の理解を促進する役割を果たせばいいのではないか。

といった内容でした。

私自身、この話を聞いたとき、これは、学校だけの話ではない。
企業における新人育成においても同じことが言えると感じました。

これまでの新人育成におけるトレーナーの役割は、主に仕事を「教える」ことと組織に「適応させる」ことでした。

ただし、トレーナーによって教え方にはばらつきがあり、人によっては、5年前、10年前の常識を教えているということも起きています。

ITツールが発達し、変化が求められるこれからの時代のOJTは藤原氏の発言と同様に、知識伝達や業務指導は新人が動画で学べる環境を整え、トレーナーは、別の役割を担っていくべきではないでしょうか?

今後は次の2つの役割が重要になってくると考えています。

一つ目は、新人を「活かす」役割です。

今年、精密機器メーカーのトレーナーからこのような話を聞きました。

その方は、職場の人を対象とした新技術に関する勉強会を新人に任せました。
職場の人はこれまでの考え方にとらわれているため、新技術の導入に対して古い考え方を適用してしまうそうです。

なので、新人には自由な発想で考えるように指示し、内容も基本は本人が考えたようです。

一方で、資料のまとめ方やプレゼンの仕方は、新人では至らないことが多いので、しっかり指導をしてレベル向上の支援をしました。

この事例の興味深いところは、新入社員の多様性、自由な発想が可能という点を
職場で発揮できる機会を設けている
ことであり、勉強会の本質部分(内容)は任せ、プレゼンや資料作成を支援していることです。

このような仕事が新人にとっては、自分自身の価値を職場で発揮する経験となり、また新人の能力を伸ばすことに繋がっていると思います。

二つ目は、「共に学ぶ」ことです。

IT企業人事責任者から次のような話を聞きました。

トレーナーに任命しているのは、新人から学び、アップデート出来る人です。
自分の知識を押し付ける人は、トレーナーには任命しないことにしています。
新人から学べる人でなければトレーナーは務まりません。

といった内容でした。

今の時代において、上から目線で「教えてやる」というスタンスではトレーナーは務まりません。

トレーナー自身がどれだけ成長し続ける背中を見せることが出来るか、
新人からも学ぶことが出来るか、新人と共に成長することが出来るかが、
新人にとっても重要な要素であると思います。

以前、シェイクが行った調査で、入社5年目以上で、期待以上の成果を出せている人と、成果を出せていない人とで、社会人1・2年目の時期に、上司や先輩・同僚から受けた関わりにどのような違いがあるかを調べました。

GAPが大きかった上位3項目は、

1位:スキルや能力向上につながる多様な経験をさせてくれる
(成果を出せている人:22.2% 成果を出せていない人:5.3% GAP:16.9%)

2位:上司や周囲の先輩・同僚が新しいことに挑戦する姿勢を見せてくれる
(成果を出せている人:20.0% 成果を出せていない人:5.3% GAP:14.7%)

3位:上司や周囲の先輩・同僚が仕事と真摯に向き合う姿勢を見せてくれる
(成果を出せている人:22.2% 成果を出せていない人:10.5% GAP:11.7%)

でした。

これらの結果から分かるのは、成果を出す新人を育てている人は、コロナの影響がある前から「活かす」「共に学ぶ」を実践しているということです。

※2020年度中堅社員レポートはこちら

時代の変化とともに「教える」「適応させる」という役割を動画やツールが担えるようになるにつれて、トレーナー自身も、自らの役割認識を変えていくことが
益々、求められているのではないでしょうか。

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