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なぜ私がシェアド・リーダーシップ型組織を目指すのか

こんにちは。シェイクの吉田です。

私自身、シェイクの社長に就任して、今年で15年になります。
その経営者人生は失敗の連続でした。

今回は、私の失敗経験をお伝えしながら、
私が「シェアド・リーダーシップ」組織を目指す理由についてまとめたいと思います。

社長への就任

時は、2009年。社長に就任しました。
私は、創業者ではありません。創業者は、他の人には見えていないビジョンを語る本当に魅力的な人です。私自身、創業者とは、全く違うタイプの人間ですので、同じやり方では、超えていけないと思いました(今、思えば、超える、超えない、の問題ではないのですが・・・)。

また、自分が先頭を走り、人を引っ張っていく自信がなかったとも思います。
当時、サーバントリーダーシップという概念が出始めていたころで、自分はこのスタイルで行くことにしました。

私が志を語り、あとは、任せることが大事。1人ひとりが、自分の想いに沿って自由度高く活動すれば、会社は成長し、社員もイキイキと働ける、という信念で社長業を開始しました。

その目論見は、社長就任1年目でもろくも崩れ去ります。業績が低迷したのです。
就任1年目の決算を3か月後に控えたとき、収支が赤字になりそうなことを悟ります。

経営は、志を語り、あとは任せることで、うまくいくと思っていたのに、それだけではうまくいかないことを、社長就任1年目で気づきました。
赤字になれば、銀行からの借り入れもできなくなります。社内の雰囲気も悪くなります。
当たり前のことですが、会社は業績が上がらないと存続できず、社員のイキイキなど実現できないことを知りました。

事業をつくり、事業を通じて利益を上げること、それは経営の前提であり、その重要性を身をもって体験しました。

好調な業績を迎えて

社長就任1年目に、「志を語り、みんなに任せる」だけではなく、数字の大切さを知りました。その後、みんなの力で、業績を向上させていくことができ、業績問題を乗り越えることができました。

業績が向上していくと、会社の雰囲気も良くなっていきます。1人ひとりが、自分の個性を活かしながら、力強く活動をしていました。銀行からの借り入れも返済し、自分は「イケている経営者」だと感じていました。今、思えば、完全に慢心です。2016年頃のことです。

そこで、次なる失敗です。
1人ひとりが自分らしさを大切に仕事し、それで経営が上手く回っている中で、日々、私自身が感じている違和感にも蓋をして、気になることがあっても「それも個性」と全てを容認するスタイルを取っていました。

しかし、ある日突然、私の感情が爆発します。「違和感がある!」と。
完全なる私のリーダーシップ不足と器の小ささが原因です。

違和感があるなら、事前に、違和感を覚える出来事に対して、皆で対話をすればよいだけです。ましてや、感情を爆発させることなく、冷静に、「もっとこういう会社にしていきたいのだけれど、どうだろう?」と働きかければよかったのです。

私の違和感は、会社の価値観に関することでした。
普段から、会社の価値観を語ることなく、ある日、突然社長が、「価値観に違和感がある!」と言い出したものですから、社員はたまったものではありません。
そこから、約1年間、全社員で対話を繰り返し、会社は分裂することになります。

社員1人ひとりが、自分の個性を発揮しながら活躍できる会社を実現しようと思うのであれば、会社が何を大事にする会社で、どこに向かおうとしているのかを社員で共有し合うことが欠かせないことを学びました。
方向性や価値観を大事にしないで、権限委譲をしても、バラバラになりかねない、ということです。それでは、結局、社員がイキイキと働くことができないことを悟りました。

シェアド・リーダーシップとの出会い

私が、シェアド・リーダーシップという概念を知ったのは、立教大学の石川淳教授の「シェアド・リーダーシップ」という書籍を2021年に読んだことがきっかけです。
本を読んだときに、私が実現したい世界観がここにあると思いました。
シェアド・リーダーシップ組織とは、全員がリーダーシップを発揮している組織です。

石川先生と直接話をしたいと思いました。知り合いを辿って、石川先生を紹介してもらう方法もあったかもしれませんが、私は、先生の研究室あてに、直筆で手紙を書きました。
返事はありませんでしたが、もう一度、手紙を書きました。
2度目の手紙に対して、返事を頂きました。これが、石川淳先生との出会いです。

石川先生とは、シェアド・リーダーシップに関して、いくつかのプロジェクトをご一緒させて頂きました。石川先生と出会って3年が経った今、シェアド・リーダーシップに対する私の想いは、より強くなっています。

シェイクという会社の経営者として、このアプローチが有効と思うだけではありません。
世の中の多くの会社に必要なアプローチだと思うからです。

私が経営者として学んだ2つのこと、「業績を上げること」と「会社の方向性や価値観を明確にして、イキイキと働ける組織をつくること」の両取りが出来るアプローチ、それがシェアド・リーダーシップ組織だと感じています。

シェアド・リーダーシップ組織を目指す理由

なぜ、私がシェアド・リーダーシップ型組織を目指すのか?

それは、「会社の業績」×「社員のイキイキ」を実現できると考えているからです。

「会社の業績」において、これからの時代は、これまで以上に、会社の変化対応力が会社経営の要諦になってくると考えています。時代の変化や顧客のニーズを敏感に察知し、サービスにつなげていく力。日々の業務において、改善、仕組み化をし続ける力。こういった、現場を起点とした変化対応力が業績の向上にますます重要になると考えています。

私たちが置かれている「人材育成業界」においてももちろん例外ではありません。会社と個人の関係性の変化、キャリアに対する価値観の変化、人材流動化、HRテックなど様々な変化がある中、私たちも変化し続けていくことが必要です。全員がリーダーシップを発揮するシェアド・リーダーシップ型組織こそが、変化の時代に、最も変化対応力が高い組織であると考えています。

「社員のイキイキ」においては、人が自分らしく、自身の強みを活かし、社会や周囲に貢献していくことが、イキイキにつながっていくと考えています。それは、まさに、自分らしさや自分の強みを活かしたリーダーシップであり、1人ひとりがリーダーシップを発揮する組織は、人がイキイキと働くことに繋がると考えています。

特に、今後、定型的な仕事、明確な指示のもとの仕事は、AIが代替していくでしょう。その時に、人に求められるのは、自らの「WILL」を起点にした影響力であり、WILLを磨き続けることが、人が人らしく働き続けることに繋がると考えています。シェアド・リーダーシップ型組織は、人が人らしく働くことを実現することができる組織だと考えています。

私自身、経営者として「会社の業績」×「社員のイキイキ」を実現することが使命だと思っています。「シェアド・リーダーシップ組織」を実現していくことを通じて、よりよい組織、よりよい世の中を創っていきたいと思います。

この記事を書いた人
吉田 実
誰もが持っている「無限の可能性」と「目が輝く権利」。一人でも多くの人の「イキイキ」のために、これからも邁進していきます!
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