2023年新入社員研修の様子
皆さん、こんにちは。シェイクの吉田です。
4月に新入社員を迎え、新入社員研修を実施してこられた人事の方も多いのではないでしょうか?
私自身も講師としては200名ほどの新入社員と直接かかわってきました。
最近3年間はオンラインでの研修も増えてきましたが、今年は、多くの会社で対面研修を実施されており、同期同士で、対面のコミュニケーションを楽しんでいる姿が印象的でした。
休憩時間には、「私も滋賀県出身です」とか、「大学時代の専攻が同じです」といったように、私の自己紹介の内容と自分の共通点に対して雑談をしにきてくれる新入社員もいて、温かい気持ちになりました。
今回は、私が今年の新入社員と接して感じたことを纏めたいと思います。
研修企画にあたり、人事の皆さまからご要望いただいたキーワード
今年、新入社員育成において、お客様からのご要望で多かったキーワードは、
- 自律成長、キャリア自律
- セルフリーダーシップ
- 実践力、個の力
- ストレスマネジメント
- 影響力、印象管理
といったような言葉で、不確実な時代において、一人一人が自ら目的を持ち、一歩を踏み出し、挑戦を重ねていく姿を
期待されていると感じています。
失敗を恐れる新入社員
一方で、新入社員研修の現場で、強く感じたのは、人事の期待と逆行するかのように、例年以上に失敗を恐れる気持ちが強くなっていることです。
例えば、研修で全体に発表するという場面においても、これまでは、ある程度、発言しやすい場をセットし、発言した人を承認することで、発言する人が増えてくることが多かったですが、今年は、頭では分かっていても、行動に移せない人が増えているように感じました。
自分は会社についていけるだろうか、同期から遅れをとっていないだろうか、といった不安を持ち、自分自身への自信の無さを感じているのかもしれません。
そのような中、新入社員が力強く一歩を踏み出していくために有効だったと感じる2つのアプローチを紹介させて頂きます。
実践から学ぶ研修設計
一つ目は「実践」です。
研修中に実践機会を設け、実践から学べる設計にすることです。
私の仲間の方がおっしゃっている言葉に、「百聞は一見にしかず、百見は一験にしかず」
という言葉があります。「百見は一験にしかず」というのは、その方の造語で、学ぶことにおいて、体験に勝るものはありません。
これまで新入社員研修で、実践演習(シミュレーション等)を研修内に組み入れる際は、既に学んだことを実践し、「出来ることと出来ないことを明確にすること」を目的にすることが多くありました。
近年は自信がない方が多く、出来ないことを明確にするだけでは行動につながらないため、
- 実践を通じて、出来る手応えを掴むこと
- 自身の行動を妨げるメンタルモデルを見つけること
- 自ら決めた行動を素早く実践し、決める大切さを体感すること
といったように、失敗を恐れる自分を乗り越え、
一歩を踏み出す自分になるために実践機会を活かすことが
多くなってきています。
現場の疑似体験
二つ目は、現場の「疑似体験」です。
例えば、先輩社員の1年間の実体験をもとに、実際の困難な出来事に対してどのように乗り越えていったかを分析し、ケース化したものを疑似体験するものです。
他にも、実際の先輩社員に協力いただいて、ある設定のもと、1対1のコミュニケーションをロールプレイングの形で疑似体験し、相手からフィードバックをもらうといったような場面を作り、現場でのコミュニケーション(相手尊重をしつつ、自己から発信していく)のイメージを持っていただいたプログラムもありました。
現場で起きる困難な出来事を事前に知り、準備をすると同時に、そのような出来事に遭遇した時の、自分の考え方の癖を知ります。
同じような出来事に直面しても、同期が自分と違うアプローチをとることを知り、自分の考えが正しい訳ではないことを知ります。
そして、自分の思考の癖を知ることで、現場で自分が陥る罠を知ることが出来ます。
困難なことがあっても、自分の特徴を踏まえたうえでの、アプローチを明確にできたことで、覚悟と柔軟性が芽生えているように思いました。
まとめ
変化が激しく、将来が見通せない不安要素が強い世の中になっています。
AIなどの技術開発が加速化し、人間である価値を問われる時代になっています。
確かに、不安に感じる要素が増えている世の中かもしれません。
このような時代の人材育成においては、「実践から学ぶこと」と、「研修を現場に近づけること」の2点が
益々重要になると思います。
皆様の人材育成においても、このようなアプローチが、何らかのヒントになれば幸いです。