コラム

「弱み」を許せる組織

皆さん、こんにちは。シェイクの吉田です。

2022年も終わろうとしています。
一年を振り返ると、私にとっては大海原を航海しているような感覚があり、
海が荒れて大変なこともありましたが、この旅がダイナミックで楽しく、
前進出来た手応えがあり、感謝の気持ちで年末を迎えることが出来ています。
皆さんにとっては、どのような一年だったでしょうか?

さて、今回のコラムのテーマは、「弱み」を許せる組織です。

私が、組織を経営していて、課題に感じてきたことの一つに「人間関係」があります。
どうすれば、私自身、社員と良好な人間関係を築くことが出来るか。
どうすれば、社員同士が責め合わず、良好な関係性を築き協働することが出来るのか。

人間、「仲良くしろ」と言われて出来るものでもないですし、嫌いな人に対して、「好きになれ」と言われても、好きになれるものでもありません。

もちろん、私も全ての人と良好な人間関係を築けるわけではなく、過去においては、「〇〇な人だ」とネガティブに決めつけたことで、関係性が悪化し、離れていった人もいます。

組織においては「関係の質や協働が大事」といいますが、口で言うのは簡単、
実際はとても難しく、私自身も組織づくりにおいても悩むことばかりでした。

現在、私は、「誰もがリーダーシップを発揮できる社会」を実現することを目標に、一人一人が自分の「強み」を発揮し、その強みを活かしあう組織づくりを推進していますが、推進に当たって、感じたことがあります。

それは、「強みを発揮する組織とは、弱みを許せる組織である」ということです。

これまで、「強み」を発揮することは、一人一人の自分らしいリーダーシップ発揮に繋がり、それが、ダイバーシティの実現、イノベーションに繋がると考えてきました

もちろん、その考えは、今も変わりませんが、「強みを発揮し合うことは、弱みを許す」にも繋がると思うのです。

人を責めるとき、「なぜ、この人は、ミスが多いのか」「なぜ、この人は、相手の背景を踏まえたコミュニケーションが出来ないのか」と、「弱み」に目が行きがちです。

自分が大切にしている価値観と違う価値観を持っていることに対して、責めることもあります。一人一人、違うことは頭では分かっていても、その違いを許せないことも起こります。

どうすれば、弱みや価値観の違いを許せるようになるのでしょうか。
そのヒントが、2つの「強み」を知ることだと思います。

一つは、「他者の強み」を知ること。
もう一つは、「自分の強み」を知ること。

例えば、「細かい管理業務」が苦手な人がいても、その人が「発想力」が強みであることを知ることで、弱みを許すことが出来、補完し、協働する意識になれると思うのです。

また、自分の強みを知ることは、自信を持つことに繋がり、自分を許すことに繋がります。自分を許せると、人を許せるようになっていくのだと思います。

ただ、本当に他者の強みを知ることで、弱みを許すことが出来るのか?という疑問が湧くのではないでしょうか? 実際に、人を許すということは簡単なことではありません。
だからこそ、前提として、一人一人が、自らの強みを自覚し、成果のために、組織のために、必死に努力し、貢献することが必須だと思います。

「弱み」を許せる組織とは、弱みに対して、甘やかす組織ではありません。
本気で強みを活かして価値を出し合う組織であり、「成果」「組織貢献」への厳しさがあってこその組織だと思います。決して、生ぬるい組織ではなく、むしろ厳しさをあわせ持つ組織
だと思います。

働き方において、テレワークも当たり前になる中、良好な関係を築き、協働することは組織において、大きな課題になっています。
「価値観の浸透、ワークショップや合宿の実施、オフィス出社の必須化」など、様々なアプローチで、組織内の関係の質を向上させ、協働を促進しようとしていますが、それは、他者を受け入れる受容の範囲を広げ、許せるようにしているのだと思います。

他者の背景を知り、他者の強みを知ること、そして個々が強みを発揮できる組織を作ることが、今まで以上に重要になってきているのでは、ないでしょうか。

昔、若手社員から、「経営者の関係性が悪いから、経営者向けのワークショップを開催したい」と提案されたことがあり、若手社員主導で、シェイクの経営者ワークショップを実施したことがありました。若手が考えたプログラムに沿って、経営者の相互理解のためのワークショップを丸一日、実施したのですが、終わった後に、若手社員が言っていたことが印象に残っています。

「経営者の考えていることが分かって、モヤモヤしていたことがすっきりしました」

若手社員からすると、経営者に対する不信感から、自分たちが経営者を何とかしたいと思って、ワークショップを企画したのでしょう。結果、経営者の背景や想い、それぞれの強みなどが見えてきたことで、若手社員自身の経営者に対する不信感が解かれる機会になりました。

経営者同士の関係改善に加えて、経営者と若手社員の関係改善に繋がったのです。

2022年の漢字は「戦」だとのことです。国のレベルでも、争いが絶えません。
組織の中でも、争いとまではいかずとも、お互いを責め、許せない状況があるかもしれません。

2023年は、お互いの強みに目を向け、自分の強みを自覚し、相手を許すことが出来る組織づくりに、貢献していきたいと思います。そして、相互に尊重、尊敬しあうことで、価値に向けた本質的な対話がなされる組織になっていくことを願っています。

2023年、更に明るい未来が訪れますように。
皆さん、どうぞ、良いお年をお迎えください。今年一年、本当に有難うございました。

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