皆さん、こんにちは。シェイクの吉田です。
社長の役割の一つに新卒の採用の最終面接があります。最終的な採用の合否を決める機会ですから、不採用となる人も多くいます。
社内の採用担当者も、最終面接を受けた学生が不採用になるのはショックなようで、
聞かれるのは、「どのような基準で採用を決めているのですか?」という質問。
今回は、最終面接の際に意識していることをまとめたいと思います。
意識していることは2つで、一つ目は「見ること」。二つ目は「成長支援をすること」です。
まずは、一つ目の「見ること」から見ていきたいと思います。
因みに、シェイクの新卒の最終面接は2~3時間程度かけて行います。
学生に対しては、「最終面接は長いから時間に余裕を持って来てもらうように」と案内をしていており、長時間を覚悟してきていただいています。
そして、面接では、時間をかけてじっくりとその人の人生のストーリーを聞かせてもらっています。
採用の合否を決めている基準ですが、一言でいえば、「一緒に働きたいと思ったかどうか」です。そう言うと、とても曖昧でよく分からないかもしれませんが、2~3時間かけて、私自身が自分の中で、この人の人生を受け入れる覚悟を決める儀式をしている感覚かもしれません。
入社したら、その人の可能性を信じて、成長支援をしてシェイクで活躍できる状態に育ってもらえばいいのですから、究極を言えば、誰を採用してもいいのかもしれません。
しかし、その人の人生を応援したいと思える人でないと、入社後にうまく嚙み合わないということが起きかねません。「一緒に働きたいと思う人」とは、「その人の人生を応援したいと思える人」と言い換えてもいいでしょう。
では、どういう人が一緒に働きたいか? 人生を応援したいと思えるか?。
私が、その人の人生のストーリーの中で特に大事にしているのは
「この人はどのような人なのか」「何をしたい人なのか」の2点です。
私は、就職活動に限らず、人生において大切な問いは、
「自分は何者か」「自分は何をしたいのか」の2つの問いに集約されると思っていて、学生の話を聞きながら、この2つを見ています。
「この人はどんな人なのかな、何を大事にしている人か、強みは何なのか」といったことと、「何をしたい人なのかな、欲求の源泉はどこにあるのかな」といったこと。
この2つの問いに対する解が明確になっていることが大事というよりは、明確になっていなくても、この2つの問いに向き合うことが出来る人かどうかを見ているように感じます。
この2つの問いに向き合える土壌がないと、入社後に、可能性を信じて、支援をしにくくなることが懸念されるからです。
私自身が、この2つの問いを意識するきかっけになったのは、約26年前の自分自身の就職活動時にさかのぼります。私自身も、就職活動を始める前までは、自分が何をしたいかをしっかりと考えたこともなく、就職活動に入って、初めて真剣に考え始めました。
それまでの自分の人生を振り返り、どのような経験で今の自分が形成されたのだろうか? なぜ、自分は働くのか? といった問いに向き合い、毎日のように夜中まで、友人と語り合いました。その日の採用面接で聞かれたことや、答えたことを友人と話し、友人からフィードバックをもらいながら、日々、内省をしていたことを覚えています。
この2つの問いに対して、明確に言語化できた時、それが自分の軸となり、自分に自信が出てきて、言葉にも力強さが芽生えてきたことを覚えています。
この経験が、最終面接で意識していることの2つ目の「成長支援をすること」に繋がるのですが、就職活動とは、自分の人生について、深く向き合う機会であると思うのです。
就職活動とは、「自分は何者か」「自分は何をしたいのか」の2つの問いに向き合い、自分の人生の軸を言語化する最大のチャンスだと思います。この軸の言語化は、経験学習サイクル「実践」「経験」「内省」「持論化」の「内省」「持論化」にあたり、この言語化に向き合うことは、大きな成長をもたらすのです。
就職活動を迎える学生と話をしていると、面接で、「どのように伝えるといいのか」「何を話すといいのか」「どんな質問をすると受かりやすいのか」といった就活のテクニックに振り回されている人が多くいると感じています。
就活をテクニック論で振り回されてしまうことは、学生にとって勿体ないことであり、就職活動の機会は、テクニック論に終始するのではなく、じっくりと自分の人生と向き合い、成長する機会にしてほしいと思います。
面接で2~3時間、学生と話をする際は、その人がじっくりと人生を振り返り、何か、その面接の場でも人生の大切なことに気づける場になることを願って、話を聞き、質問を投げかけています。
面接で2~3時間というと長い時間かもしれませんが、人生にとっては、とても短い時間です。その時間が、人生にとって、何か大きな気づきを得る可能性があるかもしれないと願って……
最終面接という場は、学生にとって、日常的な場面ではなく貴重な機会ですから、その機会が少しでも成長の支援の場になればと思います。
また、学生の話を聞くだけではなく、私の人生のどん底経験を話すこともあります。
自分の人生の葛藤をお伝えして、辛い経験や失敗は決してマイナスではなく、そのような経験も人生を豊かにしてくれる可能性があることに気づいてほしいと思ってお伝えしています。
今回、書いた内容は、最終面接に限る話ではないかもしれません。
採用という機会は、人生において、大事な問いに向き合う機会であるからこそ、成長する機会にして頂きたいですし、採用する側の一人として、面接の機会を単に「見極める」だけではなく、少しでも「成長支援」の機会にしたいと思います。