コラム

テレワークの孤独

皆さん、こんにちは。シェイクの吉田です。

テレワークが進み、自宅で仕事をする機会が増えた人が多いと思います。

最近ある会社の2年目社員に聞いた話ですが、1年目のOJT期間が終了し、
先輩の関与も少なくなる中、テレワークでずっと家にいると、
社会から取り残されている孤独感を感じているという話を聞きました。

テレワークを導入した別の会社においては、お客様に対する納品が遅れたことが
判明し、対応している社員に確認したところ、その社員が体調を壊しており
連絡がつかない状況になっていたとの話を聞きました。

特に、一人暮らしをしている人においては、テレワークが始まってから、
一日中、誰とも話さなかった日があるという話も聞きます。

これまでも、職場における孤独が問題になることもありましたが、
これからは、職場の孤独ならぬ、より深刻な「テレワークの孤独」問題が
起きるのではないかと感じています。

フェイスブックと組織心理学者アダム・グラント氏の調査によると、
人が働く上で重視する3つの動機として、キャリア、コミュニティ、社会的意義を上げています。

キャリアとは「仕事」に関するものであり、内発的動機の源泉になり、
コミュニティとは、「人」に関するもので、一体感と所属意識が高まり、
社会的意義とは、「志」を指し、自尊心を高めると分析しています。

霊長類研究の第一人者、京都大学の山極総長は、
「人間の五感は「オンライン」だけで相手を信頼しないようにできている」
とおっしゃっており、テレワークが推進されることで、この3つの中で、
特にコミュニティとしての動機が揺ぐことが懸念されます。

孤独は、大きく二つの側面で問題があると言われています。
一つ目は、孤独が個人や組織のパフォーマンスに悪影響を与えることであり、
二つ目は、孤独は健康を害することで、どちらも、調査による裏付けが報告されています。
(2018年6月ハーバードビジネスレビュー「職場の孤独」)

この孤独という問題を考えたとき、2つの観点で思考を深めると有効であると
感じています。それは、テレワークによるチーム作りの工夫と、リアルの場の価値の見直しです。

テレワークによるチーム作りにおいては、今まで以上に、
コミュニケーションの取り方を工夫することが大切でしょう。
コミュニケーションの頻度や内容が、これまでとは変化しており、
積極的に「雑談」を取り入れたチームマネジメントも増えています。
チーム作りの工夫を行うことで、人の孤独を解消することが求められます。

また、近年、会社で「運動会」などのイベントが復活する傾向が話題に
なっていましたが、このようなリアルの場の価値を問い直し、活かすことが、
信頼関係や一体感、組織への所属意識といった感覚を高め、
孤独を解消する切り口となると思います。

話は変わりますが、人材育成においても、研修のオンライン化が進みました。
オンラインのメリットはたくさんあるものの、一方でリアルの研修の価値は
何かも、考えさせられます。

最近、コロナの影響で、2年目研修や3年目研修といった若手研修を
中止したり、延期したりする動きも多く見られます。

「学ぶ」という目的なら、研修のオンライン化や、e-ラーニング等による
自律的な学習を実施することで、研修を実施しないという選択肢もあると思います。

一方で、人や組織と「繋がる」という目的においては、研修の価値は高いと
言えるでしょう。特に、最近の若手社員は、「繋がる」ことに対して、
強い欲求を持っている世代
です。冒頭に、2年目社員から聞いた話を
紹介しましたが、若手社員の孤独を防ぐと同時に、組織へのエンゲージメントを高めます。

組織マネジメントにおいても、人材育成においても、「成長、成果」といいう観点だけではなく、
「繋がる」という観点も持ち合わせて、施策を考えることが必要だと思います。

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