コラム

リアリティショックからのリーダーシップ開発

皆さん、こんにちは。シェイクの吉田です。

先日、フォロー研修で入社して約半年が経過した新入社員に会った際、
「コスパ良く成長したい」と発言している人がいました。

詳しく聞くと、出来るだけ回り道や苦労をすることなく、
出来るだけ短期間で、効率的に成長したいとのことでした。
従って、自分で試行錯誤することはコスパが悪く、
既にやり方を知っている人から正しく教えてもらうことが、コスパが良いとのことでした。

既にやり方が分かっていることにおいて、
「自分で考えて」と言われることに対して納得感が低いのはよく分かります。

一方で、どんな成長においても、コスパよく成長するとなると違和感があります。
それは、成長には2つの側面があると思うからです。

1つ目の成長は、「スキルや知識における成長」です。
「出来ないことが出来るようになること」で、例えば、資料作成や論理的思考など、
業務上必要なスキルや知識などを身に着けることです。

2つ目の成長は、「人間力における成長」です。
「視野が広がり、軸が定まること」で、例えば、お客様や上司の視点で
考えられるようになることや、自分自身の価値観や意思などが定まることです。
リーダーシップ開発における成長と言い換えてもいいでしょう。

「苦労は買ってでもせよ」「修羅場経験が人を育てる」といったように
言われるのは、2つ目の成長を指している場合が多く、
自分自身の視野が広がり、軸が定まる成長を得るためには、
苦労や修羅場を乗り越える経験を積むことが効果的
と言えます。

近年の新入社員に対する調査から「諦めが早い」「地道にやらない」といった傾向が見られます。
思い通りにいかないことがあれば、モチベーションを落とし、
辞めてしまうことが増えています。

皆さんは、リアリティショックという言葉は聞かれたことがあるでしょうか?

アメリカの組織心理学者、E.C.ヒューズ氏が提唱した考えで、
理想と現実のギャップに衝撃を受けることを言います。
最近の調査では、新入社員の約8割が何らかのリアリティショックを
感じている
という調査もあります。

このリアリティショックを和らげるために、人事や上司が丁寧なコミュニケーションを取り、
フォロー制度やメンター制度などを整え、少しでもギャップを和らげる努力をしています。
これは非常に大事な取り組みです。

一方で、新入社員の人間力における成長を考えたとき、
このリアリティショックを乗り越えることこそが、
成長に繋がる
と考えられないでしょうか?

リアリティショックとして新入社員が感じるギャップは主に3つあります。
①環境ギャップ、②仕事ギャップ、③自分ギャップです。

環境ギャップとは、職場環境や上司・先輩とのコミュニケーションにおけるギャップです。
仕事ギャップとは、思い描いていた仕事内容とは違うと感じるギャップです。
自分ギャップとは、自分が描く理想の状態と、思い通りにいかない自分とのギャップです。

これらのギャップこそ、成長機会に活用することが有効です。
そのためには、ギャップがあることを知り、ギャップに対する捉え方を変え、
ギャップを乗り越えるためのスキルを身に着けることです。

これから、新入社員研修の企画を考えられる際、配属前の時期や、
配属数か月後の新入社員に対して、
ギャップこそが成長機会になることをしっかりと伝えてはいかがでしょうか?

特に、新入社員は、上司の世代(昭和世代)とのコミュニケーションに
大きなギャップを感じ、不安感を持っています。

このようなギャップがあることを予め知り、準備をすることで、
リアリティショックでモチベーションを落とすのではなく、
成長する新入社員になること
が可能だと思います。

「リアリティショックからのリーダーシップ開発」
じっくりと考えてみる価値があるテーマだと感じています。

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