こんにちは。シェイクの吉田です。
「Will開発」、シェイクがこだわってきた言葉です。
2009年に、リーダーシップ=「想い(Will)×実現力」と定義し、リーダーシップ開発の鍵は、「Will開発」にあると考えました。そして「Will開発」という言葉を商標登録し、セミナーを実施し、プログラムを開発して世の中に発信しました。
しかしながら、思い描いたように展開できませんでした。
「やりたいことはありません」
「Willを問われるのは苦しいです」
といった言葉に代表されるように、「Will開発」という言葉が、若手社員に響かないのです。それ以来、どうすればWillが開発されるのだろうか、と考え続けてきました。
考え続けてきたこの問いに、ようやく自分なりの解が見つかり、言語化できた感覚があります。今回のコラムは、その概要をまとめたいと思います。
言語化したWill開発の本質
5月16日に、HRビジョン主催のHRカンファレンスに登壇しました。講演テーマは、「自分の感情に向き合うことから始めるWillの育み方」です。
講演を終え、私が感じたのは、
「これまで、数多くの講演をしてきたが、一番しっくりくるメッセージを伝えることが出来た」
ということでした。
私が伝えたメッセージは、
Willは「探す」ものではない、「育てる」ものである
そして、Willを育てる鍵は、「好奇心」にある
ということです。
たったこれだけのことかもしれませんが、ようやく、ここまで言語化出来たというのが率直に感じていることです。
リーダーシップ発揮につながるWill開発の鍵が「好奇心」にあるのではないかと、言葉を置いたのが半年以上前のこと。
1月に株式会社リガーレ様との共催で、「好奇心」に関するセミナーを開催し、その後もヒアリングや言語化をしながら、今回のHRカンファレンスに向けて、我々が伝えたいメッセージを、シェイクのメンバーと一緒に言語化してきました。
これまで、私自身、何度も似たようなメッセージを発信してきたように思います。しかしながら、Willとは探すものではなく、育てるものだと言語化できたことで、私自身が、世の中に提供していきたい価値が明確になったように感じます。
「Willを育てる」とは?
Willとは、遠いところにある大きな夢ではありません。
好奇心(今、この瞬間の些細な心の動き)を起点とする欲求です。
Willを見出すためには、「やりたいことは何か?」を考えるのではなく、仕事や職場で「今、心が動いたこと」に気づくことです。
自分の感情に気づき、自身の好奇心のパターンを見つけることでWillを育むことが出来るのです。

育てるWillの可能性
講演後、聴講していたある若手社員が次のような感想を伝えてくれました。
一つ目は、「この講演を学生時代に聞きたかった」ということ。学生時代には、「Willを明確にしましょう」というキャリア教育が盛んで、夢を持つことが正しいこととされてきました。
Willを明確にすることを求められながらも、明確にできない苦しさを感じてきた経験から、Willは探すものではなく、育むものであるという考えに共感したとのことでした。
二つ目は、「この考えは企業の離職防止につながるのではないか」ということでした。
キャリア不安から、やりたいこと(Will)を探して、転職してしまう人が多い中、やりたいことは探すものではなく、今の仕事の取り組む中で育んでいくものであるという考えが広がることで、離職防止につながると考えたとのことでした。
イキイキと働く人が一人でも多く増えてほしい。
誰もがリーダーシップを発揮している社会を創りたい。
このような社会の実現を願いながら活動を続けていますが、その世界に一歩近づけたのではないか。そのように感じた機会になりました。
まだ、小さな一歩かもしれませんが、その一歩が大きなうねりになる日を実現するために、歩み続けたいと思います。