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ビジョン浸透のための2つの文化

こんにちは。シェイクの吉田です。

経営者やマネジャーが抱える課題の一つに「ビジョンが伝わらない」があります。

企業におけるビジョンの大切さは、言うまでもありませんが、共通認識があることで、メンバーが自律的に動けるようになり、協働が生まれます。
しかしながら、伝えているのに、伝わっていない」ということに悩んでいる経営者も多いのではないでしょうか?

自分自身も、このテーマに課題意識を持ち続けてきました。
私が意識してきたこととしては、

・1、2回では伝わらないことを前提として、繰り返し伝え続けること
・自分自身の内面や葛藤と向き合い、ビジョンを力強く語れる自分づくり(経営者が心から信じていないビジョンは伝わらない)
・ストーリーテリングなど伝え方も工夫し、自分の言葉で語ることを意識した

といったようなことです。

経営者が語る努力をすることは大事な前提で、語ったビジョンが伝わるための組織をつくっていくことも大切だと感じています。

今回は、ビジョン浸透において重要だと感じている2つの文化についてまとめました。

Disagree and Commit

1つ目は、「Disagree and Commit」です。Amazonで重要とされている考え方です。

チームメンバーが自由に意見を交換し、徹底して意見を交換させます。「上位方針だから違和感があるけれども、従っておこう」と安易に同意するのではなく、異論がある場合は、異論を唱えることが求められます。しかしながら、最終的に下した決定に対しては全員がコミットして、協力して実行する、というものです。

多くの日本企業で見られるのは、逆のパターンが多いように感じます。

若手や中堅社員研修を実施していると、ビジョンや中期経営計画に対する不満が続出することがあります。「中期経営計画に納得できない」「ビジョンが分からない」といったものです。

これは、若手や中堅社員にとどまらず、マネジャー研修でも同様のことが多く起こります。経営計画に対して、「抽象度が高すぎて動けない」といったもののです。ビジョンや経営計画に納得しておらず、コミットメント出来ていない様子が見て取れます。

マネジャーがこの状態ですと、いつまで経っても、ビジョンに対して組織が一つになることはなく、そのようなマネジャーのもとではメンバーもビジョンにコミットすることはありませんので、組織は強くならず、業績も悪化していきます。

『決まるまでは、黙って意見を言わない。決まったら、陰で文句を言ってコミットしない』では、組織は衰退するばかりです。

「Disagree and Commit」の文化をつくるためには、このような文化を作っていきたいと経営者が宣言したうえで、経営者(マネジャー)が部下に意見を求める、意見を途中で反論や論破せずにじっくりと聞く、聞いた内容を受け止め、対話する姿勢を持つ、といったことが大事です。

説明責任と質問責任

2つ目は、「説明責任と質問責任」です。これは、キントーンで有名なサイボウズ社で使われている言葉です。

「説明責任」は、相手の納得感が得られるように「わかりやすく説明すること」です。特にビジョン浸透においては、経営者やマネジャーがメンバーに分かりやすく説明する責任があります。私は、「上司こそホウレンソウ」が大事だと考えていますが、上司こそ、意思決定にかかわるプロセスなどの中間報告をはじめ、メンバーに対して、細やかなホウレンソウをすることが大切です。

一方で、ここで大切なのは、メンバー側の「質問責任」です。「質問責任」とは、メンバーが思ったり、違和感を覚えたりしたことがあれば「わからないままにせずに、質問すること」です。

「なぜ、そのビジョンなのか。自分の部署にどのように関連するのか。この数値目標に決定した背景は何か」など、分からないことを分からないままにせずに、質問していくことが求められます。

経営者が研修に参加して、メッセージを伝えることがあります。その場で、経営者が質問を募っても、メンバーからは殆ど質問が出てきません。出たとしても、ビジョンや戦略に関することではなく、些末な質問に終始する会社が多くあります。そして、経営者との対話が終了した後に、「〇〇はよくわからなかったよね」といった声が出てくるのです。

質問することは、メンバーの責任です。特に、ビジョンや経営計画に対して、質問して疑問を解消することなく、陰で不平不満を言っていることが、組織としての力を弱めている可能性があることを自覚することが必要です。

このような組織文化をつくるためには、「質問責任」があるということをメンバーに伝えることが必要ですが、いきなりメンバーがビジョンや経営計画に質問をするのは難しいでしょう。期初の方針発表や、日ごろの会議の際に対話をする場を設けることが大切です。

また、個々のビジョンやありたい姿、仕事の目的などをメンバーが自覚していることも重要です。個人にこのような軸があると、その軸と照らし合わせて、共感や違和感が生まれ、質問が生まれやすくなります。個々のビジョンやありたい姿などを明確にすることは、結果的に、ビジョンや経営計画の浸透に有効に機能するのです。

最後に

シェイクは、「誰もがリーダーシップを発揮する社会を創る」ことを目指しています。それは、組織の発展にも、個人のイキイキにも繋がる社会だと考えています。

「Disagree and Commit」と「説明責任と質問責任」の2つの文化をつくることは、社員1人ひとりが、組織に依存するのではなく、自律してリーダーシップを発揮している姿を実現すると言えるのではないでしょうか?

このような組織文化をつくることが、業績を上げる組織づくり、そして、社員のイキイキさにつながっていくと思います。

受け身の社員を主体的に転換する方法(成果を出す仕事の進め方)
多様化する時代に必要なマネジメント改革・組織づくりを徹底解説(組織づくり))
この記事を書いた人
吉田 実
誰もが持っている「無限の可能性」と「目が輝く権利」。一人でも多くの人の「イキイキ」のために、これからも邁進していきます!
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