こんにちは。シェイクの佐々木です。
昨今の新型コロナウイルス影響下において、人材育成においても、オンライン化が急速に進んでいます。
既に研修をオンラインで実施している、またはこれから実施予定という企業様も多いのではないかと思います。
弊社がご支援させていただいている企業様でも、3月以降続々と新人研修をはじめとした研修のオンライン化が決定し、私もZoom研修受講マニュアルの作成や、オンラインサポートスタッフの育成など、まさにオンライン化の最前線で奮闘しておりました。
私も3月には想像もしていなかったことですが、結果として4月~6月には約7割、7月~8月にも約5割の研修がオンラインでの実施となり、研修内容としても、スキル系のものから、実践型シミュレーション、360度サーベイフィードバックまで、幅広い内容をオンラインで支障なく実施できています。
私自身もそうですが、日頃からオンラインツールを多く活用している若手世代は、今やオンラインでの研修運営のほうが普通のように感じられ、受講者(特に若手社員)の皆様もオンラインを当たり前のものとして受け入れ、うまく活用しながら受講してくださっています。
一方で、まだオンライン研修を実施されていない企業様からは、
- 集合研修と比較した場合の研修効果を懸念している
- 担当者としてはオンライン研修を実施したいが、上司にオンライン研修の実施イメージを掴んでもらうことに苦戦している
といったご状況をよくお聞きします。
私自身も、実施以前は「本当にオンラインで研修できるの?」と半信半疑だったのですが、実施してみると、想像以上にオンラインでも研修は機能し、むしろオンラインのほうが効果が高いと感じられる研修も少なくありませんでした。
そこで今回のコラムでは、弊社のオンライン研修運営方法とともに、弊社が実際にオンライン研修を実施する中で見えてきたオンライン研修のメリット・デメリットをご紹介いたします。
■シェイクのオンライン研修運営方法(ツール・実施形態)
まず、弊社でのオンライン研修運営方法について、使用するツール・実施形態の2つの側面からご説明いたします。
ツールとしては、弊社のオンライン研修では、多くの場合Zoomを使用させていただいております。
WebEXや、Teamsといったツールでも研修実施は可能ですが、Zoomでは1つのURL内で複数グループを作成する「ブレークアウトセッション」が使用できるため、利用頻度が高くなっております。
また、実施形態としては、
1. 個人型:受講者各自のPCから自宅もしくはオフィスで受講
2. 小グループ型:事業所ごとに何人かで集まって受講
3. ミックス型:本社の方は対面で、地方の方はオンラインで受講
の3パターンがあり、実施頻度は1.個人型が最も多く、3.ミックス型は少ないです。
個人型は、移動のコスト・リスクを削減できる一方で、集合型で実施を想定していたワークの変更が必要な場合や、個々の受講環境(PCやwebカメラ、WiFiなど)の整備が必要な場合もあります。
また、ミックス型は、対面の方とオンラインの方で理解度の差が出たり、オンラインの方からすると対面で参加できている方が羨ましく感じられたりといったことがありました。
上記はあくまで一例ですが、実施方法を迷われている方がいらっしゃいましたら、ご参考にしていただけますと幸いです。
■オンライン研修のメリット・デメリット
次に、弊社がオンライン研修を実施する中で見えてきたオンライン研修のメリット・デメリットをご紹介します。
様々な研修目的、運営方法がある中で、メリットもデメリットも一概には言えませんが、今回はその中でも多くの場合に当てはまるものをいくつかピックアップします。
まずメリットとしては、1つ目にコストの低減が挙げられます。
会場費・宿泊費・印刷費等の削減はもちろん、会場設営等の工数も削減できるため、思った以上にコスト削減できたというご感想もよくお聞きしました。
2つ目は、オンライン会議の機能を効果的に使うことによる、研修運営の質の向上です。
Zoomを使用する場合は、ブレークアウトセッション(グループワーク)が使用可能かつ、研修途中での組み換えも容易にできます。
つまり、集合型の研修では受講者に席を移動してもらわなければならないグループの変更が、オンラインでは受講者の負担なく実施できるのです。
また、投票機能やチャット機能を利用した全員の意見の可視化により対話の質を上げたりナレッジ蓄積を行ったり、チャットで質問を受け付けることにより集合型の場合よりも質問が出やすくなったりといった効果もありました。
3つ目としては、学びの質の向上があります。
- 1人で受講することによりマイナスの同調圧力を受けづらい
- Zoomの画面で常に表情を見られていることによる緊張感がある
- 講師の表情がアップで見られるので大人数で受講していてもダイレクトにメッセージを受け止めやすい
上記のような、オンライン研修ならではの特性が良い影響を及ぼしています。
また、運営側からすると、受講者にPowerPointなどに記入してもらったアウトプットを画面共有で見ることができるので、どんな議論が行われているのか分かりやすく、フィードバックしやすいという面もあります。
また、今年の場合、入社後オンライン研修が続いている新入社員からは「オンラインでも、ワークや全体発表の場が多くあったので、他者の意見や講師からのFBなどから、良い刺激がありました」など、Zoomの機能を有効活用した双方向の学びに対する良い評価もいただきました。
さて、ここまで、オンライン研修のメリットを3つご紹介してきましたが、もちろんオンライン研修も良い面ばかりではありません。
弊社でオンライン研修を実施させていただく際には、事前のZoomマニュアルの共有や、トラブル時のサポートスタッフの配置など、オンライン研修に不慣れな方でも安心してご参加いただけるよう、サポート体制を整えていますが、それでもやはり当日インターネット環境の関係でスムーズに受講できない方が出てきてしまう場合もあります。
また、テレワークの影響としてもよく挙げられることではありますが、やはり研修においてもオンラインでは相互理解、関係性構築、基準値上げ、踏み込んだフィードバックといったかかわりは集合型よりもしづらくなります。
今年、4月にオンラインで研修を実施させていただいた企業様に、緊急事態宣言解除後に改めて集合型で新人研修を実施させていただく機会が何度かありましたが、遅刻や受講姿勢の悪さ、相手視点に立てていない発言など、社会人としての基準値がセットしきれていないと感じる振る舞いをする新入社員が目立ったのも事実です。
以上、今回のコラムでは、オンライン研修の運営方法と、オンライン研修のメリット・デメリットについてお話ししました。
アフターコロナ時代には、オンライン・集合型それぞれのメリット・デメリットをふまえて最適な手法を選択することは、当たり前になると考えています。
さらに、集合型で実施していたものをオンラインに置き換えることに留まらず、
オンラインの特性を活かし最新のテクノロジーにキャッチアップしながら、学びの形をアップデートし続けることが求められるのではないかと思います。