コラム

ミネルバ大学から考えるこれからの人材育成

皆さん、こんにちは。シェイクの吉田です。

ミネルバ大学をご存知でしょうか?

ミネルバ大学は、2014年に開校されたサンフランシスコに本部を置く大学で、
合格率2.0%とも言われる超難関大学です。
合格者のなかにはハーバード大学やケンブリッジ大学を蹴って進学する例も多々あると言われています。

コロナ禍で、企業内における人材育成のあり方が大きく変わる中、
ミネルバ大学の思想や大学運営から、企業内の人材育成が学ぶことを目的に、
今回は、ミネルバ大学を取り上げたいと思います。

ミネルバ大学の特徴を簡単に紹介しますと、

  • キャンパスを持っていません。4年間で7都市を回りながら学ぶ全寮制の大学です
  • 講義は全てオンラインで行われます
  • 90分の授業はディスカッションが中心で、教授からの講義は10分以下に制限されています
  • 企業とのプロジェクトなどを通じて学ぶ授業もあります
  • 授業は19名以下の少人数で行われます
  • 授業は録画された上で、習熟度が採点され、教授からフィードバックされます
  • 年間の授業料は1万2950ドル、寮費は1万ドルと、アメリカの名門私学大学の授業料(4万~6万ドル)と比べると安価です。

ミネルバ大学では、授業が始まるときには授業の内容について、学生が勉強を終えていることが前提です。
その知見を使って、90分の授業ではひたすら討論するのです。
授業に出る前に、少なくとも、授業時間の2倍以上の準備が必要と言われています。

さて、コロナの影響で、企業内の人材育成が大きく変わっています。
ZOOMなどのツールを使ったオンライン研修も頻繁に行われるようになり、
e-ラーニングなどの活用も増えてきました。

これからの人材育成を考えるにあたって、私たちが、ミネルバ大学から学べることは何でしょうか?

私は、3つのポイントがあると感じています。

1つ目は、「主体性を発揮せざるを得ない仕組み」です。
授業では何も教えてくれません。授業でディスカッションをするために事前に、
自分自身で学び、持論化しておくことが求められます。
授業で受身的に学ぶ多くの日本の授業とは違います。

これは企業研修においても当てはまることで、
研修で学んでも現場で活用出来ないのは、学びが受動的であるからです。

自ら学び、自ら実践せざるを得ない環境を仕組みとして整備することが必要であり、
研修はインプットの場ではなく、職場で実践するためのディスカッションや
アウトプットの場に変えることが有効ではないでしょうか。

2つ目は、「自分自身の課題と向き合う仕組み」です。
ミネルバ大学は、学ぶべき項目やレベルが定義されています。
ディスカッションの様子から、自分の課題が浮き彫りになり、自らの課題を自覚して、
解決しようと心に決め、自らが主体者として課題解決に臨んでいます。

自ら、課題を自覚し、自ら解決の方向性を決めて学んでいく姿は、
これまでの人材育成で一般的であった一律学習とは一線を画するもので、
個々に応じた学習であり、企業内の人材育成に応用できることと思います。

3つ目は、「関係性や感性を育むリアルを体感するという仕組み」です。
ミネルバ大学は、効率的に学ぶためにオンライン教育を導入していますが、
リアルの場を軽視している訳ではありません。

7都市(サンフランシスコ、ソウル、ハイデラバード、ベルリン、
ブエノスアイレス、ロンドン、台北)を回って、
実際の街を感じ、各都市の企業でインターンをして学びます。
更に、学生同士が、全寮制で過ごすことは、相互の関係性を構築し、
リアルな人間関係の重要性を学ぶ
ことになります。

オンラインだけに閉じてしまうのではなく、
リアルでしか学べないことはリアルで学ぶ仕組みを構築することは、
まさに、コロナ禍での人材育成設計で求められていることであり、忘れてはならない視点です。

今、コロナ禍で大きく時代が変わっているからこそ、
新たな仕組みを構築するチャンスです。

より効果的な育成の仕組みを、より低コストで実現するための変革を導くことが、
今、私たちに求められていることと思います。

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