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マネジメント

管理職が行うべきピープルマネジメントとは【第三回】

こんにちは。
シェイクの桐山です。

管理職が行うべきピープルマネジメントというテーマで
管理職の皆様に向けて3回に分けてお送りしております。

【第一回】はこちら
【第二回】はこちら

一朝一夕で人の成長を引き出すことはできません。
人の成長が積み重ねの結果であるように、
人の成長を引き出すのも積み重ねの結果です。

管理職は人の成長を引き出すために何を積み重ねていけばよいのか?

多くの企業で実施してきた管理職研修や「成長」に
フォーカスを当てた組織診断から見えてきた、
成長につながる「明日からできる」「積み重ねる」ポイントの第三回です。

【第三回】「率先垂範」と「1対1+nの提案」

(1)率先垂範

明日からできることであり、明日から積み重ねていく行動の一つ目は
率先垂範として自分も何かしら新たな挑戦を始めるということです。

管理職研修を行っていて一番感じるのは、管理職の方ほど変化を恐れる方が多いということです。

変化・成長を求められて、前向きに受け取る管理職の方はあまり多くありません。

簡単に今までのやり方を手放せないのです。

経営の言葉に「成功の復讐」という言葉があります。
成功パターンには寿命があり、同じパターンはいつか通用しなくなる前提の中で、
人は一度手にした成功パターンを変えられず、いつか、大きな痛手を受けるという意味です。

だからこそ、今の経験や成功に安住せず、変化・成長を求め続けることが、
何歳になろうとも必要なのです。

さらに、弊社の調査データで、管理職の成長意欲が高ければ高いほど、
部下のリーダーシップを引き出していたり、
部下が共感するビジョンを語っているという調査結果があります。
(シェイク調べ2019年管理職310名対象 https://test.shake.co.jp/wp/news/642/

ピープルマネジメントにおいて、メンバーの個々のリーダーシップを引き出す重要性や
メンバーが共感するビジョンを語る重要性が多く語られていますが、
根幹のところはメンバーにベクトルを向ける以上に、管理職の方ご自身に対してベクトルを向け、
自分の変化・成長と向き合うことが重要なのではないでしょうか。

近年、「管理職になりたくない」という声が多いことから、
早い段階で管理職ポストへの意欲を醸成させるために行う研修が増えています。

エースを選抜するための研修ではなく、嫌がるポジションに対して前向きにさせるための研修です。

これは、地位・名誉に固執しないという時代的背景もありますが、
自組織の管理職ポジションを見て、魅力的に見えないという一つの表れであるとも言えます。

部下を見た時、成長を感じられないなと思ったら、自分の成長を疑ってみて下さい。

成長というのは「新たな挑戦」でもあります。
あなたはどのような新たな挑戦をしているでしょうか?

(2)1対1+nの提案

明日からできることであり、明日から積み重ねていく行動の二つ目は
一人で部下育成を抱え込むのではなく、
組織全体で相互に育成しあう風土を作っていくことをメンバーに提案し、
メンバーにも育成に対して焦点を当ててもらうことです。

こういった育成風土づくりをシェイクでは、1対1+nの育成と言っています。
(下記図参照)

近年、「孤育て」という社会問題があります。
核家族化、少子化が進む中で、周囲や親族の協力を得られず、
近所との付き合いもなく孤立した中で母親ないし父親が子供を育てている状態のことをいいます。

これは自分の子供は自分一人で育てなければならないという思い込みと、
頼まれなくてもお節介を焼く近所のかかわりが極端に減ったことから起こっている事象だと考えられます。

これと全く同じことが、管理職という立場にも起こっています。
管理職の方の多くは孤立しており、周囲に頼ることも、
育成ノウハウを共有しあう機会もほとんどありません。

更に、働き方改革により、雑談の時間や飲みニケーションの機会が減り、
組織全体のコミュニケーション量が減少しました。

それによって、目に見えない周囲からのお節介という機能も失われ、
ますます管理職の方の孤立が進んでおります。

組織開発の考え方で、組織のことを考える際、
組織を「システム」と捉えることが大切だと言われています。

組織におけるシステムとは、
「相互作用するあらゆる要素(人)が集まった複合体」という意味です。

つまり、その組織に所属する人同士が、
大なり小なり相互に影響を与え合って存在しているということになります。

例えば、組織内の誰かにスポットが当たれば、必ず誰かが影になります。
組織は相互に影響を与え合い、デコボコの関係が生まれます。

だからこそ、意識的に組織内の当事者に働きかけ、
組織の当事者が自ら組織を良くしていくという意識を持つこと
がとても大切になります。

その意識を醸成させる一つの要素が、組織への問いかけになります。

組織を良くしたいと思っている管理職は多くいても、メンバーに向かって、

「今、組織は良い状態か?」
「高めあっているか?」
「相互に良い影響を与え合っているか?」
「更によくしていくにはどうしたらよいか?」

と都度、問いかける方は多くありません。

あなたは、自組織を一つの「システム」としてみているでしょうか?
自分と部下だけの1対1の関係で組織を見るのではなく、
相互に関わりあっている1対1+nの関係として組織として見ているでしょうか?

部下1人に対して、管理職1人ではなく、
nという組織にいるメンバーが全員でかかわっているという関係です。

1対1+nの育成を組織に作り出す上でも、
まずは、一人で全て抱え込むことをやめ、組織の状態を問いかけるとともに、
組織全体で相互に育成しあう風土を作っていこうと
メンバーに提案することから始めてみてはいかがでしょうか?

この記事を書いた人
シェイク編集部
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