こんにちは。シェイク吉田です。
先日、社内の勉強会で新入社員が、「マナーを学ぶ目的は『居場所づくりのための愛され力』だと思う」と発言していました。
私が新入社員の頃(30年近く前)は、マナーは型に押し付けられる窮屈なもので、自分の個性や自由を奪うもののように感じていました。当時はマナーに対して、前向きな印象を持てていませんでしたので、新入社員がマナーを前向きにとらえていたことを興味深く感じました。
4月には新入社員が入社し、マナーを教える機会がある人もいるのではないでしょうか。今回は、マナーについて掘り下げて考えてみたいと思います。
マナーとは社会化の度合いを示すもの
私自身、新入社員の頃は、マナーとは自分の社会化の度合いを示す土台になるものだと教えられてきました。新入社員は、信用がゼロであるため、相手から仕事をする人に値することを示すためには、まず、マナーを身につける必要があります。
「お客様や関係者との信頼関係を構築するためには欠かせないもの」であり、自分勝手な立ち居振る舞いにより、相手を不快にさせないためのルールです。
私自身、新入社員の時、適切な文書を書くことが出来ず、ビジネス文書に対してお客様からクレームを受けたことがあり、上司と一緒にお詫びに行ったことがありました。
マナーが出来ていないと、自分自身の信用のみならず、会社の信用を落とすかもしれないことを痛感したことを覚えています。
特に、周囲の人に対して信用がない新入社員においては、「0から信用を築いていくために」欠かせないものとして、前提として身につけなければならないものだと思います。
マナーとは相手視点
最近、私自身がマナー研修のファシリテーターをする際、一言で「マナーは相手視点」だと伝えています。「身だしなみや名刺交換、言葉遣い」といった型もありますが、型を守ることよりも、相手の立場に立った時に、相手はどう感じているのか、自分が相手にはどう見えるかを徹底して考えることが大事だと感じるようになりました。
「守らなくてはいけない型」といった側面だけではなく、「相手を思いやる行動や姿勢」といった印象に変わってきました。マナーを相手視点だと捉えると、少しずつ、マナーに対するネガティブな印象が消えていき、ポジティブな印象になってきたように思います。
ビジネスにおいて、相手の立場に立って考え得ることは欠かせませんから、相手の立場に立って考えることを鍛えるための第一歩とも言えるかもしれません。
新入社員研修で、研修内では姿勢正しくしているものの、一旦、教室を出るとダラダラと歩き、お手洗いで愚痴を言っている姿を見ることがあります。相手の立場に立ち、相手からどのように見えているかを想像する力が欠けていると言えると思います。
マナーとは自分の可能性を拡げるためのもの
マナーは相手のためにあると考えるとも言えますが、まわりまわって、自分のためだと考えることもできると思います。
例えば、新人研修のファシリテーターをしていると、人事の人から「新人の中で良い人はいましたか? 気になる人いましたか?」と聞かれることがあります。
印象が良かった人と答えるのは「姿勢がいい人、笑顔で講師の話に頷いていた人、時間前に着席していた人、積極的に質問をした人」などです。
一方で、気になる人は「姿勢が悪い、話していても反応が見えない、あくびをしている、時間に遅れてくる」などです。
こういった情報をもとに、人事は配属を決めたり、職場の上司に情報共有をしたりしています。
会社において、個人に与えられるキャリアチャンスは決して平等ではありません。その場合、よい印象を与えている人から優先的にキャリアチャンスは割り振られるでしょう。
「ファシリテーターの話を、目を見て聞き大きく頷く」という行動は、本人の可能性を拡げる可能性が高まる行動だと感じます。
そして、これは、ファシリテーターに対してだけではありません。職場での上司や先輩も同様です。上司や先輩の話に真摯に耳を傾け、時間を守るという行動が、結果として、自分自身の可能性を拡げているのだと思います。
マナーとは居場所づくり
新入社員が発言していた「マナーとは居場所づくり」「愛される力を高める」という考えも、自分の可能性を拡げる一部としてとらえることができると思います。
「自分の可能性を拡げるぞ」というほどポジティブでもなく、「マナーがないと信用を失うぞ」といったマイナス解消が強いわけでもなく、比較的ニュートラルな印象なのが、居場所づくりというとらえ方だと感じます。
多くの不安を抱えている新入社員も多くいます。そのような新入社員にとっては、マナーが出来ないと信頼を失うよ、といったメッセージは、少し怖さを感じるのかもしれません。
また、やりたいことが明確ではない人も多くいます。そのような新入社員には、マナーがキャリアチャンスをつかむ鍵だ、と伝えてもピンとこない人もいるかもしれません。
そのような人にとっては、職場で周囲の人にかわいがられ、愛され、居場所をつくる鍵がマナーであるとの考えは、多くの新入社員にとって、しっくりくる考えかもしれないと感じました。
最後に
マナーの本質とは何でしょうか。
社会や組織から見た視点、上司や先輩から見た視点、本人から見た視点、他にも様々な視点があり、どの視点から見るかによって、とらえ方も変わってくるように思います。
おそらく、会社によっても、個人によっても、違うのだろうと思います。
私自身は、新入社員のころは、自分を縛るものとして嫌だったマナーも、今では、とても意味があるものと感じるようになりました。
マナーを学ぶことは、新入社員が、きちんと社会や組織との接続をするいい機会だと思います。社会や組織のリアルを知っている私たちが、新入社員の立場に立ち、相手にとって響く言葉を紡ぎ出し続ける姿勢こそが、マナーの本質を考えるうえで、最も大切なことではないかと思います。
新入社員に「マナーってどんなイメージ?」と一言聞いてみることから始めてみるといいかもしれません。









