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若手〜中堅に効くリーダーシップ教育の体系

個々が強みを発揮するシェアド・リーダーシップ型組織へ(リーダーシップ開発)

こんにちは、シェイク吉田です。

「リーダーシップ」と言えば、100年以上も前から様々な理論が存在し、研究されてきました。古くは、リーダーシップは生まれつきの能力と考えられた特性理論に始まり、PM理論、SL理論、変革型リーダーシップ、サーバントリーダーシップなど、さまざまな理論があります。

たくさんあるリーダーシップ理論において、どの理論を、どの順番で学べばいいのか、迷っている人もおられるのではないでしょうか?

今回は、特に日本におけるリーダーシップ学習において効果的な「学ぶ順番」について考察したいと思います。

リーダーシップ入門は「パーソナリティ・ベース・リーダーシップ」

まず、最初に学ぶのは、「パーソナリティ・ベース・リーダーシップ」が有効です。
「パーソナリティ・ベース・リーダーシップ」とは、個々の個性や強みを活かしたリーダーシップを発揮していく考え方です。
チームメンバー全員が、リーダーシップを発揮することができ、それぞれがよい影響を与え合うことでパフォーマンスが高まっていくことを狙っています。

リーダーシップトレーニングをしていて感じるのは、リーダーシップを発揮した経験のある人が限られているということです。実際に、2025年4月に弊社が実施した調査によると、2~10年目の非管理職の正社員の内、職場でリーダーシップを発揮する機会がないと回答した人が、48.6%と約半数でした。

職場でリーダーシップを発揮できない理由を問うと、「自信がない」「モチベーションがない」といった心理的なハードルが中心となっています。

先日、あるメーカーの中堅社員向けリーダーシップ研修を実施した際、このような発言をした受講者がいました。

「リーダーシップという言葉が苦手で、リーダーシップという言葉を使わないでほしい」

リーダーシップを発揮する自信がなく、発揮するのが難しいと感じている一方で、職場では、リーダーシップ発揮を求められるために、苦しくなっているとのことでした。

このような方に共通するのは、リーダーシップに対する次の考え方です。

・リーダーシップは、先頭に立って導くことである
・変革など、大きなことを成し遂げなければいけない

だから、自分にはリーダーシップはないと感じ、無理だと諦めてしまっているのです。

リーダーシップを学ぶうえでの最初のステップは、この誤解を解き、「自分にもリーダーシップを発揮できる」と感じてもらうことです。

リーダーシップとは、目的に向けた周囲への影響力であり、誰もが自身の強みを活かしたリーダーシップを発揮できることを理解してもらうことです。

これが、「パーソナリティ・ベース・リーダーシップ」です。
周囲への気配りを強みとする人は、困っている後輩に声をかけてサポートをする影響力を発揮することもリーダーシップです。人間関係構築力を強みとする人は、会議での積極的な発言や飲み会の企画などで、職場の活性化に影響力を発揮することもリーダーシップです。

最新のリーダーシップ理論でも、自分の強みを活かしたリーダーシップが最も効果的であると言われており、リーダーシップを最初に学ぶには「パーソナリティ・ベース・リーダーシップ」が最適です。

次のステップは「シチュエーショナル・リーダーシップ」

自分の強みを活かしてリーダーシップを発揮できる手応えを感じ、自己効力感が高まってきた後に学ぶことが有効なのは「シチュエーショナル・リーダーシップ」でしょう。

シチュエーショナル・リーダーシップとは、相手(フォロワー)の成熟度(能力×意欲)に応じて、指示、支援、委任、コーチングの4スタイルを使い分けることが有効だという理論です。

シチュエーショナル・リーダーシップが効果的なのは、「状況や相手によってリーダーシップの形は変わる」という“柔軟性”を学べる点にあります。

シチュエーショナル・リーダーシップは、相手の成長段階に応じて、適切なかかわり方を選択する色合いが濃いですが、さらに応用的として、置かれている状況に応じてリーダーシップスタイルを使い分けることの必要性を合わせて学ぶことが有効でしょう。

緊急性が高い局面では、指示命令的にぐいぐいと引っ張ることが有効でしょうし、関係性が悪い職場では、調整力を発揮しながらチームビルディングに影響力を発揮することも求められます。

つまり、リーダーシップとは“ひとつの型”ではなく、“状況に応じて変化させる技術”でもあることを学ぶのが次のステップになります。

様々なリーダーシップスタイルやスキルを必要性に応じて学ぶ

パーソナリティ・ベース・リーダーシップと、シチュエーショナル・リーダーシップを学んだ後は、実践する中で、職場の状況や本人の特性に応じて、その人にとって必要なスタイルやスキルを学んでいくことが有効だと思います。

リーダーシップスタイルとしては、ビジョン型や、サーバント型など、いくつかのスタイルを使い分けられると有効です。

私自身の経験をお伝えしますと、シェイクの前社長は、ビジョナリーなタイプのリーダーシップを発揮する人で、私自身はサーバント的なリーダーシップスタイルだと感じてきました。
以前は「私は前社長とは違うので、自分のスタイル(サーバント型)でリーダーシップを発揮していればいい」と思っていました。
それは有効である一方で、最近は“ビジョナリーな自分”、“指示命令な自分”、“サーバントな自分”など、少しずつではありますが、状況に応じてリーダーシップを使い分けられるようになってきたように感じます。自分の中に引き出しが増えてきた感覚です。

このように、状況に応じてスタイルを使い分けられるようになっていくことで、自分の可能性が広がるのだと思います。

実際には、いずれのリーダーシップ発揮においても、正しい自己認識は絶対条件で、自分の強みや課題の自覚や、他者が見ている自分と自己認知のギャップの自覚などは、欠かせない学習要素となります。

そのうえで、置かれている状況に応じて、必要なリーダーシップスキルを学ぶことが有効です。ビジョン設定やストーリーテリング、フィードバック、アサーションなどのコミュニケーションスキルなどです。

職場でリーダーシップを発揮するうえで、喉が渇いた状態で、スタイルやスキルの幅を広げていくことをお勧めします。

まとめ

冒頭にお伝えした、「リーダーシップという言葉が苦手」と発言された方は、研修終了時には、「リーダーシップは、人をひっぱるだけではなくて、小さなことでも影響力を発揮することだと分かり、前向きになれた」とおっしゃっていました。

この方に、いきなりビジョンを語ることの重要性を伝えても響かなかったでしょう。特に、
日本においては、リーダーシップ教育が不十分な傾向にあり、苦手意識を持った人が多いと感じます。

本コラムが、リーダーシップ開発を設計する際、リーダーシップを学ぶ順番に目を向ける参考になれば幸いです。

個々が強みを発揮するシェアド・リーダーシップ型組織へ(リーダーシップ開発)
この記事を書いた人
吉田 実
誰もが持っている「無限の可能性」と「目が輝く権利」。一人でも多くの人の「イキイキ」のために、これからも邁進していきます!
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