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マネジメント

自社での管理職育成は上手くいっていますか?管理職の成長を促し、強い組織をつくるためのポイント

みなさん、こんにちは。シェイクの江波です。

VUCAと言われる時代、マネジメントの在り方や働き方、管理職に求められる能力や期待役割においても今と昔では大きく変わってきています。

現在、管理職を担っている方は現場で多くの経験を通じて結果を残し、管理職にふさわしい能力があると認められ、管理職になっていると思います。しかしながら、時代の変化とともに、以前は通用していた能力が現在では活かされないことも少なくありません。

このコラムでは、管理職の一般的な役割から、シェイクの管理職育成施策事例まで、管理職の育成に悩む人事の皆さまにとって役立つ情報をお伝えできればと思います。

管理職の一般的な役割とは

管理職に求められる一般的な役割は、会社が目指すべき方向性に対して自組織における「目標設定」を行い、目標達成に向けた「戦略・戦術」を描き、「問題特定および解決策」を考え、「人材育成」を率先して行い、「人事評価」まで担います。また、これらの役割を通じて組織の成果を最大化し、チームの士気を高めるために「コミュニケーションの促進」を行うことが求められます。

管理職が成長しない要因

管理職が成長しない要因はいくつかあります。

1つめは、管理職自身も、目標達成が求められるプレイングマネジャーであり、日々多忙であるため、自己研鑽(自己磨き、自己学習 等)に時間を充てることができていない点です。

2つめは、短期のチーム目標に追われていて、マネジメントや組織づくりにじっくりと時間をかけられていない点です。若手の離職問題など、必要に迫られ1on1面談に取り組まれる方も多いと思いますが、それらの個別支援がさらに時間を奪います。結果として、チームビジョンやチームの課題を考えきれず、マネジメント変革行動や実践まで手が回らない状況です。

これら2つの要因は、管理職の置かれている環境にもその要因があるとも言えるでしょう。
3つめの要因として、管理職自身に起因するものがあります。それは過去の成功体験に固執してしまい、変化への適応ができないという点です。管理職はフィードバックを受ける機会が少なく、自身の課題に気づきにくく行動変容が難しい側面もあるため、ここには育成施策を打つことが有効であると考えます。

管理職が成長するために求められる能力

内省を深め、自己認知力を高める

管理職が自ら周囲にフィードバックを求める

管理職の立場になると周囲からフィードバックを得る機会が少なくなります。一方で、自らの行動や姿勢が周囲に与える影響力も大きくなってきます。そうした影響力を自己認知することが重要なのですが、自らフィードバックをもらいにいくというのは、非常に勇気がいることです。また、管理職としてのプライドもあり、特に部下や若手社員にフィードバックを求めにいくことへの行動のブレーキが生じてしまう人も少なくないのではないでしょうか。

フィードバックがなくなると学びや気づきの機会を失うことになり、成長の鈍化にもつながります。上司のみならず、共に働く周囲のメンバーにも管理職自らフィードバックを求めにいくことで自身の成長へとつなげる必要があります。

フィードバックを受け止める

フィードバックを受ける際は相手が伝えたいことをきちんと聞き(傾聴力)、受け止める力を高めることも重要です。フィードバックを受けると、行動の背景や言い分を説明したくなったり、自身には納得いかないこともあると思いますが、「周囲・他者からはそのように見えているという事実」を受け止め、客観的に自分自身を見つめ、内省を深め、自分と向き合うことが大事です。

アンラーニングの必要性

フィードバックを受けると様々な感情が芽生えますが、自身の内なる言い訳(アンコンシャスバイアス)を自覚する必要もあります。自分自身の中にある前提や過去の経験が正しいとは限らないという前提に立ち、学びなおしをする機会を意図的に設けるとよいでしょう。

こうした内省を深め、自己認知力を高めることは個人ではなかなか実践できません。既任・新任を問わず、管理職研修として実施し、これらの内省のプロセスを360度サーベイで経験したりしながら、自己客観視を進め、行動変容へとつなげています。

権限委譲を通じて組織づくりと部下育成を加速させる

部下の成長を促進する組織づくり

皆さんの会社では、管理職はどの程度、メンバーに仕事を任せているでしょうか?管理職はメンバーに成長機会を渡すことができているでしょうか?

私自身、メンバーに仕事を任せることに対して、心理的なブレーキを感じていた過去があります。その時を思い返すと、「自分でやった方がはやい」「教える時間が無駄ではないか」など、様々な要因・感情がありました。権限委譲することは簡単なことではないと感じます。

しかし、権限委譲するメリットもたくさんあります。

1つめのメリットは、権限委譲がメンバーの成長機会の提供につながることです。

管理職が担っていた仕事の一部を渡すことで、メンバーは新たな仕事経験を通じて業務範囲を広げます。仕事を渡す際に上司からの期待を明確に伝えることが、メンバーの積極性や主体的な行動(リーダーシップ開発)を引き出すことにもつながります。

2つめは、管理職が本来すべき業務に時間を割くことができる点です。多くの企業で「管理職=プレイングマネジャー」という話をよく耳にします。メンバーに権限を渡していくことで管理職自身が本来注力すべき業務(組織マネジメント等)に時間を費やす事ができます。

一方で、権限委譲は決して業務を丸投げするということではありません。

業務を渡す際も、権限を委譲する範囲を定め、判断基準等をすり合わせることが重要ですし、業務の進捗を定期的に確認し、必要なサポート・支援を通じてメンバー育成にもつなげていくことも必要です。いったん任せた業務に関してはメンバーを信頼し、メンバーの能力を尊重することを心掛けます。この一連のプロセスは、管理職自身の成長にもつながると考えています。

権限委譲を通じて組織づくりと部下育成を加速させる

部下の成長を促進する組織づくり

皆さんの会社では、管理職はどの程度、メンバーに仕事を任せているでしょうか?管理職はメンバーに成長機会を渡すことができているでしょうか?

私自身、メンバーに仕事を任せることに対して、心理的なブレーキを感じていた過去があります。その時を思い返すと、「自分でやった方がはやい」「教える時間が無駄ではないか」など、様々な要因・感情がありました。権限委譲することは簡単なことではないと感じます。

しかし、権限委譲するメリットもたくさんあります。

1つめのメリットは、権限委譲がメンバーの成長機会の提供につながることです。

管理職が担っていた仕事の一部を渡すことで、メンバーは新たな仕事経験を通じて業務範囲を広げます。仕事を渡す際に上司からの期待を明確に伝えることが、メンバーの積極性や主体的な行動(リーダーシップ開発)を引き出すことにもつながります。

2つめは、管理職が本来すべき業務に時間を割くことができる点です。多くの企業で「管理職=プレイングマネジャー」という話をよく耳にします。メンバーに権限を渡していくことで管理職自身が本来注力すべき業務(組織マネジメント等)に時間を費やす事ができます。

一方で、権限委譲は決して業務を丸投げするということではありません。

業務を渡す際も、権限を委譲する範囲を定め、判断基準等をすり合わせることが重要ですし、業務の進捗を定期的に確認し、必要なサポート・支援を通じてメンバー育成にもつなげていくことも必要です。いったん任せた業務に関してはメンバーを信頼し、メンバーの能力を尊重することを心掛けます。この一連のプロセスは、管理職自身の成長にもつながると考えています。

部下のリーダーシップ開発を行う

皆さんの会社ではメンバーの課題ではなく、強み(得意領域)についてどの程度認識し、マネジメントを行っているでしょうか?自己効力感が低いとされるイマドキの若手社員に、課題ばかり指摘していると成長実感が持てずに行動が阻害されたり、離職につながる原因を生み出してしまう可能性もあります。

シェイクではシェアド・リーダーシップ型組織(自分の強みを活かして組織や顧客に貢献できる組織)を推奨しています。環境変化が激しい現代において市場や顧客へさらなる価値提供をするためには管理職層が部下の強みを認識し、一人ひとりの強みを最大限に活用するマネジメント手法を取り入れる必要があるのではないかと考えております。

例えば、「意見を整理して伝える」ことが強みの若手社員に部内の「会議オーナーを任せてみる」といった強みを活かした役割を付与することがあります。たかが会議オーナーと思われるかもしれませんが、若手社員にとっては大きな役割です。人は期待されると「自分が求められている、頼られていること」を実感しますので、メンバーの自己効力感を高めることにつながります。

その後、その若手社員が会議運営のプチリーダーという役割を担い、様々な社内の会議の企画・運営を任せられるようになることもあり得るでしょう。プチリーダーとは、「自分の持ち味を活かし、組織内の役割を担い、周囲に貢献している人」を指しています。メンバーはプチリーダーという経験を通じて、職場でリーダーシップを発揮し、成長実感や手ごたえを得ることができるでしょう。

こうした、意図的な業務アサインや役割付与によって、メンバーのリーダーシップ発揮のきっかけが作られ、シェアド・リーダーシップ型組織に向けた土壌が作られていくのだと思います。

※以前、弊社代表の吉田が発信したコラムも参考にしていただけますと幸いです。
https://shake.co.jp/news/240726/

管理職の育成を促進させるための組織風土づくり

管理職の主体性を引き出す仕組みづくり

私が以前担当していた某大手食品メーカー企業での管理職研修を実施した際に非常に印象に残っている言葉があります。それは、受講者である管理職のみなさんが発した、「うちの会社は言ったもの負け」という言葉です。

上司にあたる経営幹部からは「管理職はもっと主体的に行動・発信をしてほしい」という期待がある一方で、管理職の心の声としては、「主体的に行動・発信をしたら全ての責任を背負わされる」といったものでした。

こうした管理職層の課題に対して、シェイクで実施した事例をご紹介させていただきます。

①研修での気づきや学びを整理し、自身のありたい姿と職場での具体的行動を宣言する

②研修でのグループ(平均4名)に対して1名の経営層が入り月に一度、職場での行動に
 対する振り返りを定期的に行い、ありたい姿への支援を行う

研修をやりっぱなしにするのではなく、経営層が管理職育成にコミットして職場実践を通じて管理職育成の促進をはかっています。経営層とのコミュニケーション機会も増えるため、管理職の育成促進のみならず、経営層との関係構築にもつながっています。

フィードバック文化の構築

管理職はメンバーの評価はするが、上の立場になればなるほどフィードバックを受ける機会が減ってくるのではないでしょうか。管理職の成長を加速させるためにも上下関係なくフィードバック文化を構築させることがとても大事ではないかと思います。

フィードバックという言葉だけを聞くとネガティブな印象を持たれる方もいますが、

フィードバックの語源は「Feed(養分・食べ物)」+「Back(戻す・返す)」とも言われており、相手の成長を促すために養分を戻す意味合いも含まれています。

ポジティブフィーバックとチャンスフィードバック(ネガティブフィードバックではない)を伝え合うことができる組織風土を構築することが管理職が成長し続けるポイントのひとつではないかと思います。

管理職とのコミュニケーション量と質の向上

私自身の過去のマネジメントでの失敗談になりますが、私が以前マネジメントをしていた組織で、「モチベーションが高かったり、能力が長けているメンバーは勝手に大丈夫だろう」と、フォローが手薄になってしまい、どちらかというと課題が多いメンバーに多く時間を費やしていました。結果、優秀層ばかりが会社を辞めるという過去の苦い思い出があります。

「優秀層=大丈夫、課題があるメンバー=フォローが必要」と勝手に思い込んでしまっており、”マネジメントの落とし穴”だなと思いました。

「管理職層は大丈夫だろう」ではなく、私自身の過去の経験から管理職層こそ抱えているものや責任が重い仕事をしているからこそ、定期的なコミュニケーションやケアが必要だと考えます。「ケアと言っても、手厚いフォローが必須というわけではありません。上司や経営層と意見を交換したり、お互いの視点から考えていることを共有する機会を設けたり、マネジメント上で悩みを抱えたときに相談ができる管理職同士の横のつながりを意図的に作っていくような支援から始めるのはいかがでしょうか?

シェイクの管理職育成施策事例

「管理職としての役割を理解し、管理職として必要不可欠なスキルを実践できる状態になる」ことをテーマにした管理職研修のご紹介になります。

この研修でのポイントは、管理職としての役割理解や360度サーベイを用いた自己客観視を通して意識転換を図ったうえで研修の学びを職場での実践につなげるところになります。実践後の振り返り研修では、改めて自身の成長課題を明確にし、管理職としてのさらなる行動変容につなげるプログラムです。

約半年間、4日間の研修を通じて管理職としての意識変革を行います。

キックオフ研修(2日間研修)

●研修ゴール

管理職としての役割理解と、これまでの活動を振り返り、管理職としてのありたい姿(自部署や自分自身をどうしていきたいか)を磨く

・プレーヤーではなく、管理職になったという意識変化。管理職として求められる視座や視点の理解

・管理職として組織ビジョン、管理職としての軸・覚悟を持って組織運営する事を
 決めている

・組織としての注力テーマや目標達成に向けて、チームや部下をマネジメント
 していくための基礎スキルを理解している

※360度サーベイを活用して自己客観視を通じて研修ゴールへとつなげる

職場実践課題

組織ビジョンに向けた実践/管理職としてのありたい姿に向けた実践

振り返り研修(2日間研修)

●研修ゴール
職場実践と振り返りを踏まえて自己理解を深め、管理職としての意志を固めたうえで、
具体的行動につなげる

・職場実践での振り返り、前回研修からの変化を認識し管理職としての成長を実感している

・管理職としての視座になり切れていない自分や課題も認識し、管理職としての自己変革
 ポイントを明確にし、管理職として、軸、覚悟を持ってマネジメントをしていこうとして いる。そのためのマネジメントスキルを習得している。

※360度サーベイを活用して自己客観視を通じて研修ゴールへとつなげる

研修に参加した受講者からは、

・改めて管理職の自覚と必要性を考えた。360度サーベイでの他者評価を真摯に受け
 止め、ここで意識を変えることが最初で最後のチャンスだと思って取り組んで行こうと思う。

・仕事を自分でやらず、誰に振るかをまず考えるようになった。メンバーに任せてフォロー を通じて育成していく重要性を体感することができた。

・目的やビジョンを共有し、部下に腹落ち感を持たせて納得して業務に取り組んでもらう
 ことが何よりも重要であるということに気づくことができた。

・自分が思っている以上に管理職として、組織への働きかけや部下育成への期待が大きい
 ということを実感した。

・部下を含めたチームと思っていたが、そもそも「チームとは?」という部分が曖昧なまま で、それに対するアクションを取っていなかったと感じた。それが各方面に悪影響として 派生していると感じた。

といった感想をいただいております。

まとめ

今回は、「現代における管理職に求められる能力と押さえるべきポイント」、「管理職の育成を促進させるための組織風土づくり」について解説をさせていただきましたが、人材育成や組織風土に絶対的な正解はありません。

明日何が起こるか分からない変化の激しい世の中で勝ち残っていくためには、これまでの経験に固執するのではなく、常に変化を受け入れ、自らが変わり、チャレンジし続けていくことが大事だと思っています。

多くのアンケート結果では、管理職になりたくないと答える人が半数以上いると言われていますが、管理職を目指したいと思う人が増え、組織の中核を担う管理職層がイキイキすることで会社や組織、世の中が今よりも良くなると信じております。

人が育つ職場のつくりかた(成長支援組織)
多様化する時代に必要なマネジメント改革・組織づくりを徹底解説(組織づくり))
この記事を書いた人
江波 克敏
その人がもつ強みが生かされる職場環境であれば、イキイキと働ける人がもっと増えると思っています。
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