こんにちは。シェイクの吉田です。
リーダーシップ開発の研修を行っていると、「今まで自分にはリーダーシップを発揮するのは無理だと思っていたけれど、初めて自分にもリーダーシップを発揮できると思えた」という感想をいただくことがよくあります。
「リーダーシップ」というテーマは、100年以上にわたり研究が続けられており、現在もなお進化しています。「リーダーシップ」を「目的に向けて人を動かす力」と定義するならば、「どうすれば人が動いてくれるのか」という問いは、時代を超えて重要なテーマだと言えるでしょう。
今回は、リーダーシップ理論の歴史を振り返りつつ、最新のリーダーシップ理論についてご紹介します。この内容が、皆さん自身のリーダーシップを見直すきっかけや、自社でのリーダーシップ開発のヒントになれば嬉しいです。
リーダーシップ理論の歴史
特性理論
1940年頃まで主流だったのが「特性理論」です。この理論は、一言で言えば「リーダーの資質は生まれつき決まっている」という考え方です。優れたリーダーは、生まれた時から特性や資質を備えており、そうした特性を持つ人が自然にリーダーシップを発揮するとされていました。
行動理論
その後、「行動理論」が主流となります。この理論では、リーダーシップは生まれつきではなく、「どんな行動を取るかによって決まる」と考えます。理想的な行動を取ることでリーダーシップを発揮できるとされ、「リーダーは育成が可能」という視点が強まりました。
状況適応理論
さらに発展して、リーダーシップは状況に応じて変化するべきだとする「状況適応理論」が登場します。この理論では、組織の特性や相手が置かれた状況に応じて、取るべき行動を使い分けることが重要とされています。特に変化が激しい状況や、相手の成長度合いに応じた柔軟なリーダーシップが求められると説かれています。
変革型リーダーシップ理論
1980年頃からは、時代の変化に応じて「変革」を起こすリーダーシップが重視されるようになりました。この「変革型リーダーシップ理論」では、リーダーシップはマネジメントとは異なり、変革を起こすことが目的だとされています。明確なビジョンを示し、人々を鼓舞するカリスマ性がリーダーに求められるようになったのです。
パーソナリティ・ベース・リーダーシップ理論
そして現在、注目されているのが「パーソナリティ・ベース・リーダーシップ理論」です。この理論では、自分のパーソナリティ(個性や特性)を活かすことが、最も効果的なリーダーシップ発揮につながるとされています。
もちろん、明確なビジョンを持ち、人々を鼓舞するリーダーシップも重要ですが、誰もがそのようなカリスマ性を持っているわけではありません。むしろ、人に寄り添うことで効果的な影響力を発揮するスタイルもあります。
自分らしいリーダーシップとは?
私自身、この「パーソナリティ・ベース・リーダーシップ理論」に強く共感しています。理由は、この理論に基づいて自分の強みや特性を理解し行動した人々が、「自分もリーダーシップを発揮できる」と認識を大きく変化させている姿を多く目にしてきたからです。
リーダーシップ=カリスマ、という印象を持つ人が多い中で、自分の強みを活かしたリーダーシップのスタイルを発見することは、大きな転換点になります。
研修で「●●型リーダーシップ」と名付けるワークを実施すると、次のようなユニークなスタイルが出てきます。
- きめ細やかに相手に寄り添う「タフマン型」
- SDGs(誰も取り残さない)リーダーシップ
- 「頼れるアニキ型」リーダーシップ
- 心の底まで巻き込み型リーダーシップ
- 熱血教師型リーダーシップ
- ハイブリット(未来志向+順応)型
- 「安心感」リーダーシップ
- 「見守りパパ」型リーダーシップ
これらを通じて、参加者は「自分らしいリーダーシップ」を見つけ、実践する力をつけていきます。
自分らしさがリーダーシップを輝かせる
私は、パーソナリティ・ベース・リーダーシップだけが正しい理論だとは考えていません。行動理論、状況適応理論、変革型リーダーシップ理論も、それぞれに大切な要素があります。特に状況適応理論は、変化の激しい現代社会において不可欠な視点です。
しかし、これらすべての理論の基盤となるのが「自分らしさ」を活かすパーソナリティ・ベース・リーダーシップだと感じます。一歩を踏み出し、自分の特性を活かして周囲に影響を与える経験を積むことは、リーダーシップを育む上で欠かせません。
AIにはない「自分らしさ」という特性を活かして、影響力を発揮すること。それが、一人ひとりのやりがいと働きがいにつながると信じています。