皆さん、こんにちは。シェイクの吉田です。
皆さんの組織において、マネジャーとメンバー間に
壁は発生していないでしょうか?
例えば、マネジャーはメンバーに、自ら主体的に行動すべきだと感じ、
メンバーはマネジャーに、方針や指示が曖昧で頼りなさを感じ、
お互いに不満を感じているような状態です。
今回は、このマネジャーとメンバーの間に発生する壁を解消する
3つのアプローチについて考えたいと思います。
1つ目は、「人の成長」へのアプローチ。
メンバーの視座を高め、マネジャー視点を持つ支援をすることで、
自律性が高まり、壁が解消します。
最近、増えている事例は、生産性向上などに繋がる改善業務を
プロジェクト化して、若手にプロジェクトリーダーを任せ、
若い時期からマネジメント経験を積ませる方法です。
実際の経験付与が難しい会社では、ケーススタディによる疑似体験も見られます。
マネジャーが、日常において、どのような場面に直面し、葛藤し、
意思決定をしているのかをケースを通じて疑似体験することで、
意思決定の軸となる、経営理念や戦略について深く考えるようになります。
2つ目は、「組織の仕組み」へのアプローチ。
有効なのは、マネジャーとメンバーの情報格差をなくすことです。
マネジャーは何も情報を隠していないと思っていても
メンバーは「隠されている」と感じていることが多いもの。
人は、情報が自分に開示されていないと感じると、自律性が失われ
人に依存する傾向が強くなります。
社内SNSを活用するなど、皆に等しく情報が開示されているという
安心感があることで、メンバーの当事者意識が高まり、
マネジャーとメンバーの壁が薄れていきます。
同時に変わっていくのが、マネジャーの役割。
情報の透明性が高まり、全員が等しく情報を持っているようになると
マネジャーが情報によって組織をコントロールできなくなり、
マネジャーの役割は、業績や人の管理から、
成長支援や、対話が起きる組織風土づくりに変化していくのです。
3つ目は、「組織の構造」へのアプローチ。
これは、マネジャーという役職をなくすアプローチです。
マネジャーとメンバー間に壁があるのなら、マネジャーという
役職をなくせば、その壁がなくなるというもの。
一人一人が変革の当事者として従来のマネジャーの役割も担います。
最近、東証一部に上場したアトラエ社なども、マネジャーという
肩書の人がいないことで知られていますが、これから、益々、
このようなマネジメントスタイルの企業が増えていくことでしょう。
そして、このような企業が、より人から選ばれる企業になり、
優秀な人材が集まってくることになると感じています。
ロンドン・ビジネススクール教授のゲイリーハメル氏は、
現在「進化優位」というテーマに取り組んでいます。
それは、組織の変化スピードを、世の中の変化スピードに限りなく
近づけ、理想的には先行させることだと言います。
今回、紹介した3つのアプローチは、マネジャーとメンバーの
壁を解消するためのアプローチとして紹介しましたが、
それは、変化の激しい時代に対応できる自己成長する組織になるための
3つのステップと言えるのではないでしょうか。
マネジャーが組織をコントロールするのではなく、
一人一人が、組織を変革する当事者となり、自己組織化する組織へ。
未来を見据えた、組織変革が求められていると感じます。