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研修事例紹介

コロナ禍の新入社員に提供できる経験

皆さん、こんにちは。シェイクの吉田です。

コロナの影響で新入社員が、例年は出来ていた経験ができなくなる状況が起きています。

例えば、例年、新入社員が展示会に出展側として参加することが恒例になっていた会社では、
展示会自体を開催できなくなり、そのような経験を積ませられないという状況になりました。

例年は、新入社員が展示会で、運営や接客において、
自分たちに出来ることはあまりないことを自覚し、せめて、
マナーだけでも完璧に出来るようにと自分たちに出来ることを
必死に考える機会になっていたとのことでした。

そういった今年の新入社員に対して人事の方が
「実際に試合に出てバッターボックスに立たせたいのに、ずっと室内練習場で練習をしているようだ」
とおっしゃっていました。

先日、弊社が実施した若手・中堅社員の調査において、
組織から求められる期待以上の成果を出せている人と出せてない人の違いを調べました。

社会人1・2年目の時期に上司や周囲の先輩・同僚から受けたかかわりで、
最も大きなギャップがあったのが、
「スキルや能力向上につながる多様な経験をさせてくれる」
という項目で、成果を出せている人は22.2%、成果を出せていない人は5.3%と、
その差は16.9%になりました。

別の調査で、実際にどのような経験が、入社1年目の成長につながっているかを調査したところ、
「やりきった経験」「失敗経験」「自分ができないというジレンマを抱えた経験」が
成長実感につながる
ことが分かっています。

キャリア論で有名なエドガー・シャイン氏は、自らのキャリアを形成する基盤となるのは、
次の3つの問いへの内省だと言っています。

1.自分は何が得意か
2.自分は一体、何がやりたいのか
3.どのようなことをやっている自分なら、意味を感じ、社会の役に立っていると実感できるのか

これらは、それぞれ、1.能力・才能について、2.動機・欲求について、
3.意味・価値についての自己理解を深める問いです。

入社一年目の「やりきる経験」や「失敗経験」、「自分ができないというジレンマを抱えた経験」が、
これらの問いを生み、成長に繋がっているのでしょう。

経験は与えられるものではなく、自ら主体的に作りに行くことが
大切であることは言うまでもありませんが、リモート中心の働き方になり、
例年よりも新入社員が多様な経験を積みにくい環境の中、
私たちは、どのような経験を提供出来るのかを考えたいと思います。

各社の取り組みの一例をご紹介します。

  • 2年目で「後輩を教える」機会を作り、自覚を促す
  • 自発的にならざるを得ない役割を与える(小さなPJTのリーダー等)
  • 上司や周りから「期待をかけられる」機会を作る
  • 短い納期で仕事を与え、フィードバックすることで、達成感/成功体験の数を増やす
  • できる仕事でなく本人の力量×1.2倍の仕事を与える(質・量・時間)
  • できる先輩の「できなかった過去から、できるようになるまで」を語り聞かせる
  • 次の等級の役割や求められることを自ら考える機会を作る
  • 働く目的・キャリアビジョンを作る

各社の事例を踏まえつつ、現状において提供可能な一つの経験として
シェイクとしては以下のような提案をしたいと思います。

それは、
「コロナ禍で1年目を過ごした自分たちが、後輩に伝えたいこと」
を後輩に向けたコンテンツとして作成するという仕事を渡すことです。

きっと、今年の新入社員は、コロナの影響やテレワークの影響を受け、
様々な葛藤を抱えながら、1年目という時期を過ごしているはずです。

だからこそ、2年目になって、後輩が入ってくるにあたって、
自分たちが1年目に感じていたことをもとに、後輩を育成するための
育成コンテンツを作成するという経験を与えるといいのではないかと思います。

この経験の有効なポイントとして、以下が挙げられます。

  • インプットだけではないアウトプット機会になること
  • アウトプットに対するフィードバックと改善のサイクルを回す機会となること
  • 自分の感じてきたこと、学んできたことを内省・持論化する機会になること
  • コロナ禍の新入社員の生の声であり、今までにない新しさがあること
  • 教えることは他社への貢献につながり、かつ、自分の成長に繋がること

まだまだ先行きが見えない中で、積むことが出来る経験が少ない状況であるからこそ、
現場任せにするのではなく、全社としても新入社員が成長するための
土壌や仕組みを整えることが大切だと思います。

この記事を書いた人
吉田 実
誰もが持っている「無限の可能性」と「目が輝く権利」。一人でも多くの人の「イキイキ」のために、これからも邁進していきます!
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