コラム

リアリティ・ショックから学ぶ

皆さん、こんにちは。シェイクの吉田です。

新入社員が成長していくにあたり、乗り越えるべき壁に、
リアリティ・ショックがあります。
リアリティ・ショックとは、入社前の期待や理想が、
入社後のネガティブな現実に裏切られた際に生じる心理現象です。

このリアリティ・ショックを自分の成長に繋がる乗り越えるべき壁と捉えるか、
自分の成長を妨げる壁として捉えるかは、その後の新人の成長に大きな影響を与えていると思います。

先日、お客様から新人育成において相談を頂きました。
「新人研修では理想を学び、自分の理想をもって現場に配属になるが、
理想と現実のギャップに苦しみ、期待される成長に繋がっていない」
といったことです。

例えば、どのようなギャップがあるかというと

  • 仕事に関するギャップ・・・仕事内容や、仕事の進め方に関するもの
  • 環境に関するギャップ・・・風土や上司・先輩・同僚に関するもの
  • 自分に関するギャップ・・・自分自身の能力不足に関するもの

といったことでした。

そこで、相談をして頂いたお客様と議論を重ねながら、
実際に、職場の上司や先輩社員にヒアリングして、リアルに即したケースを作成し、
職場でのギャップを疑似体験してもらうことにしました。
リアリティ・ショックの疑似体験です。

疑似体験したケースの例を挙げますと、

  • 価値観の違う、年の離れた上司や先輩への対応に関するケース
  • 依頼された仕事を自ら段取りをして取組むことが求められるケース
  • 自分では上手くいっている認識の仕事が、周囲の信頼を得られていないケース

などです。

価値観の違う上司と出会ったときに、その上司から学ぼうとする人と
避けようとする人の違いが出るなど、ケースにより同じ状況を設定しても、
受講者によって、捉え方や行動が全く違う状況が生じていました。

このことは、新入社員にとって、驚きだったようで、
リアリティ・ショックの疑似体験をしたことを通じて、
そのような場面に遭遇した時に取る自分の行動が、
唯一の解ではなく、他の選択肢があり得ることに気づいていました。

ビジネスには明確な答えはありません。
学生から社会人になると、想定もしていなかった事象が次から次へと起こります。
その瞬間の思考や行動が、その後の自分の成長を左右します。

研修では自分と違う同期の考えから、自分の思考の癖を見つける機会になりました。

例えば、「この人は苦手だから避けよう」といった思考になりがちである
という自分を自覚した上で、そのような思考になったとしても、
その瞬間に、「苦手なタイプだからこそ学べることはないだろうか?」や
「関係構築するために、出来ることは何だろうか?」
といった行動が出来る可能性があることに気づいていました。

私自身、リアリティ・ショックの疑似体験から気づきを得る
新入社員を見ていて感じたことは、新入社員の学び方が変わってきているということです。

講師が教えるという学び方ではなく、お互いの違いから学ぶ学び方に
変わってきていると感じました。

また、インプットで学ぶのではなく、アウトプットや体験から学ぶことが
有効になっていることを感じました。

コロナの影響もあり、リアルよりもバーチャルが多くなっています。
アウトプット機会よりもインプット機会が多くなっています。

このような状況は元には戻らないことを前提に、
これからの世の中に求められる人材を育成していくために
人材育成の手法も変わっていかなければなりません。

教えてもらって学ぶだけではなく、自らの目指す姿を持った上で、
自分の課題を認識し、課題を克服するための経験を自ら作り出し、
経験学習サイクルを回して、自律的に成長していく人材を育てていくことが必要です。

インプット重視の学び方からアウトプット重視の学び方へ。
教えてもらうのではなく、違いから学び合う学び方へ。
頭で理解するのではなく、体験を通じて学ぶ学び方へ。

学び方も、時代に合わせて進化していく必要性を感じます。

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