こんにちは、飯島です。
双子の娘は先日4歳になりました。
今回は娘の成長から感じたことを書きます。
長女はお絵かきが大好きです。
ただ、3歳を過ぎても写実的な絵を描くことがなく、
グルグルと塗りつぶしたり、丸や四角をたくさん描いたり…
本人に説明してもらわないと、大人には何かよくわからない絵を
ひたすら描いていました。
「2歳でアンパンマンを描きました!」
そんなSNSの投稿を見るたびに、やや焦りを感じたのも事実です。
ところがある日、保育園に迎えに行くと、
目と鼻と耳と髪の毛のある人間が5人描かれた紙が…
突然、明らかに今までと違う絵を描き始めたのです。
その後、絵の中の「ヒト」に表情が表れ、
装飾品(リボン等)や髪形、まつ毛によって男女の差が表れ、
大小によって年齢が表れ…
誰を描いているのかが、
絵の特徴によってある程度推測できるようになるまで
時間はかかりませんでした
ヒトやモノの特徴を識別し、
絵に表すような知識や技術、表現方法を身に付け、
それらがある時点で臨界点に達したかのように、
一度にいろいろなことが表現できるようになりました。
「ある時、突然多くのことができるようになる」
ヒトの成長って、面白いと改めて思いました。
しかし、少し経ってから何かを失ったような寂しさを感じます。
長女はぐちゃぐちゃな絵を描くことがなくなりました。
大好きなカメもアイスクリームも家族も友達も
実際の形や特徴を捉え、彼女なりに忠実に描いていきます。
「これは何を描いているの?お母さんが当ててみようか?」
といったやり取りはほぼ皆無になりました。
絵を見れば、ほとんどわかってしまうのです。
何を描いたのかを一緒に想像する楽しみがなくなり、
子どもが何を表現したいのか?
そんなことを私自身が考えることも少なくなりました。
ヒトには必ず目と鼻と口と耳があり、
女性ならいつもまつ毛があり、リボンがある…
絵が定式化されたと感じます。
もしかしたら、成長するということは、
同時に以前の感覚、考え方を
失っていくことなのかも知れません。
さて、新入社員が入社して8か月、
急に「社会人らしくなってきた」「組織になじんできた」と
感じる瞬間はないでしょうか?
それは喜ぶべきことであると同時に、
もしかしたら、仕事や組織・会社、社会の常識を受け入れることで、
何かを失った証拠かもしれません。
成長し続けることはとても大切なことです。
しかし、もし新入社員が「今」、違和感や疑問を持っていたとしたら、
「新人は視野が狭いから仕方ない」とか
「成長すれば、わかるだろう」などと聞き流すのではなく、
私たち先輩社員がすでに失ってしまったものとして、
改めて学んだり、考え直したりすることも
実はとても意味があるものなのではないか?
そう感じています。