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退職に向き合う

皆さん、こんにちは。シェイクの吉田です。

私が2009年に社長になってから、毎年、何名かの社員がシェイクを退職していきます。
社員から、「お伝えしたいことがあります」と切り出され、
退職したいという申し出があると、様々な葛藤が起きます。

今回は、あるエピソードを紹介させて頂き、私自身が員の退職に対してどのように感じ、向き合っているのかをお伝えしたいと思います。

2022年8月末、3年目社員が一人退職していきました。
この社員が退職する時、ほとんどの社員から温かい言葉をかけられ、応援されていました。「また、一緒にプロジェクトしよう」「今度は、シェイクで副業したら」といったような声をかけられながら、温かく送り出される姿は感動的でもありました。

この社員から、最初に退職の相談を受けたのは、今年の1月でした。
彼の話をじっくり聞きましたが、私がその時に感じたのは、彼が負の感情にコントロールされて退職を希望しているということです。同時に、「今は辞めるべきではない」と思いました今辞めてもらうと会社が困る、ということではなく、彼の人生のタイミングにおいて、今辞めるべきではないと強く思ったのです。

彼は、2020年4月に、コロナ禍で世の中が混乱している中でシェイクに入社してきました。もともと、学校教育を改革したいという志を持っており、社会人向けの教育を学ぶことで、学校教育の改革に活かしたいという想いをもって、シェイクに入社しています。

入社以来、彼は真面目には働いているものの、仕事の意味を見いだせず、仕事に没頭できていない様子でした。「社会人教育は『人を会社という枠に適合させるもの』であり、そのような人材育成は本質ではない」という考えがあったようです。
自分たちがお客様に「人材育成」という価値を届ける立場でありながら、その価値を信じることが出来ない側面もあり、組織に対しては傍観者のように見えました。

退職の話を聞いていても、現状への諦め感や逃げの意識が垣間見え、モヤモヤしていてすっきりしない自分がいるから、立場や環境を変えれば、もっと自分らしく働けると感じているようでした。
シェイクという組織への不満がありながらも、自らは何も働きかけない傍観者でありながら、働く場所を変えれば、当事者になれると言っているように聞こえました。

私は、彼の話をとことん聞き切った上で、私が感じていることも率直に伝えました。
「組織の真ん中に立っていない。傍観者に見える。辞めるにしても、最後、組織の真ん中に立ち、傍観する立場ではなく、自分に出来ることをして組織に影響力を発揮してから辞めてはどうか」と伝えました。

結局、彼は、そのタイミングで退職することを辞め、8月末までシェイクに残ることを決めました。そこから、彼は自分を見つめなおし、仕事に対する取り組みを変え、仕事の価値を見直しました。シェイクの中での存在感が、大きく変わりました。シェイクという組織の真ん中に立ち、後輩や先輩に対しても自分が及ぼせる影響を考えて行動し、学んできたナレッジを共有し、お客様に向き合い、そして、本当に自分のやりたいことを考えました。

それまで彼にとって、組織の視点に立つことと自分が組織に染まってしまうという怖さがあり、その不安に抵抗したいという感覚があったのだと思います。2月以降、抵抗することを手放し、組織の視点に立ちました。
7月に入って改めて、面談をしたときに私が感じたのは、彼が組織に縛られまいと抵抗していた時は、むしろ組織にこだわり、組織に縛られており、2月以降、組織視点に立って、周囲に影響を及ぼしたとき、むしろ、組織に縛られず、彼らしい人生が立ち上がったといったことでした。

私の気持ちとしては、もちろん、辞めてほしくはなく、むしろ、組織視点を身に着けた状態でシェイクに残ってほしいという思いがありましたが、同時に、これで安心して送り出せるとも感じました。彼には自分の人生を自分が主体者として生きていく覚悟を感じました。
人は、半年でここまで成長できるものか、とも思いました。

「学校教育を変えたい」という彼の当初からの意思は磨かれ、シェイクで学んだことを活かして、次のステージに進んでいきます。私自身、彼の意思と人生の選択を心から応援します。
他の人にも、このような彼の想いが伝わったのでしょう。皆から応援され、退職していきました。退職の送別会や挨拶の場が、本当に温かい場となっていました。

経営者として退職にどう向き合うべきか。現実は、常に葛藤の連続です。
社員には長く働き続けてほしいし、シェイクで自己実現が出来る、という会社に成長させていきたいと強く願っています。それでも、退職していく人はいますし、そのこと自体は、決して悪いことではありません。

退職をしても、アルムナイとして繋がり続けることが出来る時代です。
東京から離れたところで活動していて、東京に来るたびに連絡をくれるメンバーもいます。シェイクに遊びに来てくれて、一緒に若手社員と座談会をすることもあります。そして、他社で働いてみて分かるシェイクで身につく能力やスキルを語ってくれたりします。
退職後も、業務委託契約を結んで一緒に活動しているメンバーもたくさんいます。

「退職=悪」と決めつけるのではなく、社員が退職する自由を持ちながらも、シェイクという場で、活動できる環境を作りたいと思いますし、退職したいという社員が出てきたら、少しでも、その人の人生のプラスになるようにこれからも向き合っていきたいと思います。

この記事を書いた人
吉田 実
誰もが持っている「無限の可能性」と「目が輝く権利」。一人でも多くの人の「イキイキ」のために、これからも邁進していきます!
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