こんにちは、シェイク吉田です。
誰もがリーダーシップを発揮している状態「シェアド・リーダーシップ」を目指す際、多くの管理職から次のような懸念の声が上がります。
「自由奔放に発言させると、現場がカオスになる」
「チームがバラバラになり、成果にマイナスな影響が出るのではないか」
また、管理職が意を決して働きかけても、メンバーが「どうぞ、お手並み拝見。本当にできるのですか?」という冷めたポーズを取ってしまい、一向に自走が始まらないケースも少なくありません。
なぜ、こうした停滞が起きるのでしょうか。
それは、リーダーシップに対する「認識のズレ」に原因があります。 今回のコラムでは、リーダーシップの本質を「前に進める人」と「止める人」という視点から紐解いていきます。
リーダーシップの本質:それは「影響力」である
まず、リーダーシップを次のように定義します。
「目的に向けて、人を動かす力(影響力)」
ここで重要なのは「役職」ではなく、その人の発言や行動の結果として「目的に向けて物事が前に進んだか」という一点です。
どれほど正論を吐いても、物事を停滞させているのであれば、それはリーダーシップとは呼びません。
現場でよく見られる「リーダーシップの誤解」には、大きく分けて3つのパターンがあります。
よくある誤解①:自説固執型(論破が目的の人)
「自分の意見を押し通すこと」をリーダーシップだと思い込んでいるケースです。
・論理的に相手を論破し、屈服させる
・チームの最適解より、自分の納得感を優先する
一見、エネルギッシュでリーダーらしく見えますが、本質は違います。
リーダーシップとは「自説を通すこと」ではなく、「成果に最もつながる意思決定を導くこと」です。
時には、他者の意見の方が優れていることもあります。その際、潔く自説を手放し、チームとして最善の選択を支持できるか。そこに真のリーダーシップが宿ります。
よくある誤解②:批評家型(代替案なき懸念の人)
当事者ではなく、審判のような立場で関わるケースです。
・「前提が甘い」「リスクが高い」と懸念点だけを出す
・重箱の隅をつつくような細部にこだわり、本質的な議論を止める
こうした発言は知的で鋭く聞こえますが、自分は「どうしたいか」というポジションを取りません。
人の意見を評価し、批判することに終始する振る舞いは、場のエネルギーを奪い、意思決定を遅らせるだけです。「批判」はリーダーシップではなく、単なる「ブレーキ」に過ぎません。
よくある誤解③:責任回避型(後出しジャンケンの人)
安全な場所に身を置き、決して泥をかぶろうとしないスタンスです。
・会議では沈黙し、終わった後に陰で不満を漏らす
・物事がうまくいかなくなると「私は最初から反対だった」と蒸し返す
自分を「当事者」ではなく「傍観者」に置いているため、意思決定の結果にコミットしません。
しかし、関わる以上、中立など存在しません。意思決定に関与せず、結果だけを後出しで批判する行為は、組織の推進力を著しく削ぎ落とします。
「前に進める人」と「止める人」の違い
ここまでの内容を整理すると、「前に進める人」と「止める人」の違いは以下です。
前に進める人(真のリーダーシップ)
・「目的・成果」を最優先する
・自分の意見(ポジション)を明確にする
・最善策なら自説を捨てる潔さがある
・結果にコミットし、推進する
止める人(非リーダーシップ)
・「自分の正しさ・納得」を優先する
・反応・批評・懸念に終始する
・自分の意見を通すことに固執する
・「自分は反対だった」と後出しする
結局のところ、前に進める人は「目的」を基準に動き、止める人は「自分」を基準に関わっているのです。
最後に:チーム全員を「当事者」にするために
リーダーシップとは、一部の選ばれた人が持つカリスマ性ではありません。
「自分の影響で、この状況を少しでも前に進める」という意識があることが重要です。
リーダーシップに関する誤解を解き、メンバー一人ひとりに、「今、その発言は物事を前に進めているか?」と問い続け、全員を「評論家の席」から「当事者の土俵」へと引き上げることが重要です。
その場に関わる一人ひとりが、「自分はこの状況を前に進めているだろうか」と問い続けることが、強いチームをつくる第一歩になるのではないでしょうか。










