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人材育成業界

【研修企画の新任ご担当者の方 必見!】 人材育成・人材開発に携わるうえで知っておきたい、 ”心得”と”企画設計のポイント”とは!?

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「管理職の期待・実態・課題」に関する意識調査レポート

はじめに:自社の研修企画は、「イベント化」していないか?

こんにちは、シェイクの池田です。
年が明けたのも束の間、年度末に差し掛かってまいりました。
年度末といえば、各社様で人事異動や昇格試験、次年度に向けた予算調整・施策検討など、
人事領域では、大きな動きがある時期です。

私が担当している企業様では、現場でバリバリ活躍されていた方が、人事異動で、ある日突然、人事部に異動し、育成施策や研修プログラムの企画を担うという場面をよく目にします。
人材育成・組織開発の分野は、「自社の未来を創る」という非常に重要で且つ、やりがいがあるものです。しかし、いざ企画を始めると、理想と現実のギャップに直面することも多いのではないでしょうか。

現場の管理職から「最近の新人は打たれ弱いから、マインドセットを鍛えてくれ」と言われたり、経営層から「管理職の視座が低い、マネジメントスキルを向上させる施策を企画してほしい」と要望されたりする。このような関係者からの要望に応えようと、有名な講師を呼び、評判の良いプログラムを詰め込む。しかし、研修後のアンケートでは「学びになった」と書かれるものの、数ヶ月経っても現場の行動は何も変わらない・・・。

多くの新任担当者が陥りがちな、このような状況は、
「研修というイベント」を計画すること自体が目的化しているために起こります。

本来の育成施策・研修企画の担当者に求められるのは、単なるイベントの運営者ではなく、「組織の課題を解決するために、人の行動変容を設計するアーキテクト(設計者)」としての視点です。
本コラムでは、育成施策・研修企画を成功に導くために、新任担当者が押さえておくべき理論と、企画設計の肝となる観点を解説します。


研修企画に携わるうえでの心得:人材育成のゴールは、「行動変容」にある

まずはじめに、人材育成という仕事のゴールについて、触れていきます。
よく「研修は投資か、コストか」という議論がありますが、結論から言えば、人材育成は、人を通じて組織の成果を最大化させるための「未来への投資」と言え、以下のような成果を生み出していると考えることができます。

  • 短期的な成果: 学習による「職場での行動変容」
  • 中長期的な成果: 行動の積み重ねによる組織風土の改革や業績への貢献

研修中にどれだけ感動的な講義があったか、どれだけ話が盛り上がったか、どれだけ知識を得たかは、あくまで通過点に過ぎません。
「この施策によって、現場の、誰の、具体的な行動がどのように変わるのか?」という問いに答えられない企画は、まだ設計を見直す余地があります
 特に、新入社員であれば「不明点を抱え込まず、30分以内に上司へ相談するようになる」、管理職であれば「部下へのフィードバックを週1回以上実施するようになる」といった、観測可能な行動をゴールに設定することが、企画設計の第一歩といえるでしょう。

企画設計のポイント①:現状分析の重要性
 ~現状(As-Is)と理想の姿(To-Be)を徹底的に解像度高く描く~

現場からの「研修をやってくれ」というリクエストに対して、
すぐにコンテンツ(中身)を考えてはいけません。
企画者が本来的に最初に行うべきなのは、徹底的な「ギャップ分析」です。

ケース1:新入社員育成の企画立案の場合

企画への要望: 「主体性のある新人にしてほしい」

To-Be(理想の姿)
配属1ヶ月後、不明点を整理した上で、
「ここまでは調べましたが、ここから先がわかりません」と、
先輩社員に自ら相談できる状態。

As-Is(現状)
完璧主義で間違えることを恐れ、仕事で行き詰まっても、
黙々と一人で作業を続けてしまい、結果として納期を遅らせている。

真の課題
主体性の欠如ではなく、
「周囲に確認する質問スキルの習得不足」と、
「早期に相談すること=恥という誤解の解消」

ケース2:新任管理職育成の企画立案の場合

企画への要望: 「もっとマネジメント能力を高めてほしい」

To-Be(理想の姿)
自分ですべての業務を抱え込む管理職ではなく、部下を動機づけ、適切に業務を割り振りながら、チームとしての成長と部下の成果を同時に支援できている

As-Is(現状)
プレイングマネジャーとして自身の業務に追われ、メンバーへの関わりが「進捗確認」のみになっている。

真の課題
スキルの不足以上に、「マネジャーとしての役割認識の欠如」と、
「管理職としての時間の使い方・業務マネジメント」の見直しが必要。
また、部下への権限委譲が機能していないため、権限委譲スキル・エンパワーメントスキルの強化が必要。
このように、「何が足りないのか」の解像度を高めることで、
打ち手(研修のテーマや手法)の方向性は自ずと見えてきます。

企画設計のポイント②:学習効果を最大化する理論の活用 ~企画設計の質を高める観点・フレームワークを理解する~

方向性が決まったら、学習効果を高めるための理論・フレームワークを活用しながら、
学習効果を最大化できるよう、企画設計を進めると良いでしょう。
今回は、人材育成に携わる企画担当者として、まず押さえておきたい3つの基本理論をご紹介します。

① インストラクショナルデザイン(ID)
インストラクショナルデザイン(ID)は、教育の効果・効率・魅力を高めるための設計手法です。
有名な「ADDIEモデル(分析・設計・開発・実施・評価)」を用いることで、企画の抜け漏れを防ぎます。また、受講者が「なぜこれを学ぶのか」という動機付けから、学んだことを忘れないための反復練習まで、「学習者の脳にどう情報を届けるか」を科学的にデザインします。

② 70:20:10の法則(経験からの学習)
個人の能力向上に寄与する要素の割合を示した法則です。
70%: 現場での直接的な経験(OJT、アサインメント)
20%: 他者からの助言・フィードバック(上司、メンター、同僚)
10%: フォーマルな研修・読書(OFF-JT)
研修担当者が肝に銘じるべきは、「研修(10%)はきっかけに過ぎない」ということです。1日間の研修で、劇的に人が変わるというような”魔法の杖”を期待するのではなく、
行動変容のキッカケをいかにデザインし、また研修での学びをいかに現場の経験(70%)に繋げ、周囲の関わり(20%)で定着させるか。
この「全体設計」こそが、育成担当者の真の腕の見せ所です。

③ カークパトリックの4段階評価モデル
研修の成果を測る指標です。
レベル1:反応(満足度)
レベル2:学習(知識・スキルの習得)
レベル3:行動(現場での行動変容)
レベル4:結果(事業への貢献)

よく陥りがちなこととして、企画担当者は、アンケート結果など満足度(レベル1)を気にしがちですが、目指すべきはレベル3(行動変容)です。企画段階から「受講者の行動が変わったかをどのように測定するか」を決めておくことで、施策の説得力は劇的に高まります。

企画設計のポイント③:研修転移とは?~「点」を「線」に変える4:2:4の法則~

研修内容に目が向けられがちで、意外と見落としがちなのが、研修前後の設計です。
研修で学んだ内容が現場で実践されることを「研修転移」と呼びますが、その定着率はわずか10〜20%と言われています。ここを打破するために、ブロード&ニューストロムが提唱した「4:2:4の法則」という考え方をご紹介します。

【研修の成果を左右する要因の比率】
研修前(40%): 受講者の意欲、上司の期待、課題の認識
研修中(20%): プログラムの質、講師のスキル、教材
研修後(40%): 職場での実践機会、上司のフォロー、評価・支援
大事なポイントとしては、研修そのものの質(20%)よりも、その前後の設計(80%)の方がはるかに重要であるという点です。
例えば、研修転移を最大化するための具体的なプロセス設計を一部ご紹介します。

フェーズ目的具体的な仕掛け(施策例)
研修前
(影響度40%)
研修への自分事化、期待形成・上司との事前面談
「なぜあなたが受けるのか、何を期待しているか」を上司より伝達
・事前課題:現場での具体的な悩みや失敗事例の持ち込み
研修中
(影響度20%)
実践との接続・現場事例のケース演習:抽象論ではなく「明日自部署で起こる課題」を解く
・具体的アクションプラン:「いつ、誰に、何をするか」まで落とし込む
研修後
(影響度40%)
実践と習慣化・アクションプランの共有:上司や同僚に宣言し、サポートを依頼する
・フォローアップセッション:1カ月後に実践の壁と成功体験を共有する

特に重要なのが、、「上司の巻き込み」です。
新入社員が研修で学んだ「理想的な報告」を現場で実践した際、上司が「忙しいから結論だけ言え」と切り捨てれば、その教育効果は一瞬で消滅します。
 逆に、上司が「研修のアクションプランは上手く進んでいる?」と声をかけるだけで、転移率は飛躍的に高まります。人事担当者・企画担当者の仕事は、研修当日だけでなく、受講者が現場に戻った後の「職場での実践」をサポートすることにあるのです。

さいごに

ここまで解説してきた理論やステップは、あくまで企画を形にするための「型」です。
シェイクでは、よく「研修=生モノ」という言い方をしますが、人材育成・組織開発において絶対的な正解はありません。
ただ、今回ご紹介した型や考え方を活用しながら、企画者として常に自社の人・組織に対して「問い」を持ち続け、より解像度高く企画設計することが、『人的資本の価値を最大化する」という人事部門のミッションを果たすことにつながります。

・その研修は、現場の課題を解決するものになっているか?
・その研修がもたらしている価値、実施することの意義は何か?
・その課題設定は、経営が目指すビジョン・戦略に合致しているのか?
”理論”という武器を持ち、”現場”という現実に真摯に向き合う。
その思考の往復を通じて、ただの「イベント」ではなく、組織の未来に影響を及ぼす「投資」へと進化します。新任担当者としての第一歩は、この「アーキテクト(設計者)」としての誇りを持つことから始まるかもしれません。

まとめ:学びをさらに深めたいあなたへ

本コラムでご紹介した内容は、人材育成の企画者として歩み始めるための「羅針盤」のようなものです。しかし、実際の現場では「上司をどうやってその気にさせるのか?」「予算が限られる中でどこまで設計すべきか?」といった泥臭い課題が次々と現れます。
そんな新任担当者の皆様のために、弊社では「新任担当者のための研修企画の基本」を徹底解説したセミナーのアーカイブ動画を公開しています。
この動画では、今回ご紹介しました「インストラクショナルデザイン(ID)」や「4:2:4の法則」を、他社の成功事例も交えながら、より具体的に解説しています。
 自社の育成施策の企画を、より効果性の高い施策にブラッシュアップしたい方は、
ぜひこの機会にご視聴ください。
育成施策の企画担当者としての第一歩を踏み出すための、一助になりましたら幸いです。

▼ご参考いただけるアーカイブ動画はこちら
タイトル:
『新任教育研修担当者向けウェビナー~効果的な研修設計のポイントと研修企画担当者の役割~』
詳細URL:https://shake.co.jp/seminar/73568/
本ウェビナーでは、初めて教育研修を担当される方を対象として、企業が教育研修を行う意義、研修担当者の役割を確認するとともに、教育研修における計画策定・研修企画方法から研修効果測定までご紹介いたします

ーこのような方におすすめですー
・育成施策・研修プログラムの担当になったが、何から実施すれば良いかわからない
・育成施策・研修プログラムを企画する際の考え方、ポイントを知りたい
・企画を立案、実行していくにあたり、上司や現場を巻き込むポイントを知りたい

▼サービスの概要はこちら
詳細URL:https://shake.co.jp/service/leadership/

「管理職の期待・実態・課題」に関する意識調査レポート
この記事を書いた人
池田 裕亮
組織・人の課題解決において、絶対的な正解がないからこそ、お客様の本質的な課題解決を共に考え抜く伴走者でありたいと思います。
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