コラム

感情のメタ認知

皆さん、こんにちは。シェイクの吉田です。

「最近の新人、仕事で泣くんですよ。すぐに限界にきちゃって・・」
先日、某企業のマネジャーから聞いた言葉です。
人事担当者からは、「素のまま」の新入社員が増えたとの声も多く聞くようになりました。

そのような新入社員に対し、上司は「甘えている」「弱い」「感情的」と捉え、
一方の新入社員は、組織に染まっていくことで自分らしさが失われることへの恐れを感じ、
我慢するくらいなら辞めればいいと開き直っている人も多くなっていると感じます。

新入社員の「自分自身を大事にしたい」という想いと
上司の「社会人としての適切な言動」や「強さ」をもってほしいという想いを両立させるために、
新入社員に対してどのような育成をしていくといいのでしょうか?

その一つのアプローチとして、私が注目しているのが、
「感情のメタ認知」です。

メタ認知とは、米心理学者ジョン・H・フラベル氏が提唱した概念で、
「自分の思考を客観視して制御する力」を指します。

「感情のメタ認知」とは、特に「感情」に注目し、
今自分が何を感じているのかを客観的に言語化することです。

「感情のメタ認知」に注目している理由は2つあります。

一つ目は、「自分らしさを持ち、磨くこと」です。

AI時代において、人の感性や感情が益々重要になっていくと考えられます。
誰にでも出来る仕事は、AIやロボットに置き換えられていく中、
自分らしさを発揮し、自分ならではの価値を出すことが重要になります。

その点で、新入社員の恐れは、的を射ているとも言えるでしょう。
新入社員が恐れるのは、知らず知らずのうちに、会社の論理に染まり
自分らしさが失われることだとすると、自分の感情の動きを自覚することは、
自分らしさを持ち、磨き続けることに繋がります。
自分らしさを持つことは、意志や主体性を育むことに繋がります。

二つ目の理由は、「感情をコントロールできるようになること」です。

感情をメタ認知すると、怒りやモヤモヤといった感情の動きを自覚出来るようになり、
感情をコントロールできるようになります。
感情をコントロールできるようになると、セルフコントロール力が高まり、
企業リスクとなる身勝手な行動の抑制に繋がります。

また、他者との関係性やコミュニケーション時において他者から見た自分への自覚が高まり、
自分と他者との違いを知ることが出来るようになります。

人との違いを客観視することで、多様性を受け入れることが出来、
協働・共創できる人材育成に繋がります。

では、どうすれば「感情のメタ認知」力を高めることが出来るのでしょうか?

一番効果的な方法は「感情を書き出す」ことです。

一つは、今、自分が感じていることを書き出すことです。
今、何を感じているのか。何にイライラして、不安を感じているのか。
何に、喜んでいるのか。自分の感情を書き出すことが自覚に繋がります。

もう一つは、過去の感情の動きを振り返って書き出すことです。
一日を振り返る際に、自分の感情に焦点を当てて振り返ります。
このようなトレーニングをしていくことで、「感情のメタ認知」力が高まります。

これからの上司は、部下育成において、
「感情のメタ認知」力を高める指導が出来ることも求められるでしょう。

そのためには、まずは、上司自身が「感情のメタ認知」力を高めることが重要ですね。
私自身も例外ではありません。

実践者として、人に教え伝えられる人になっていきたいと思います。

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