Cross Talk 01
社長と新卒2年目が考える人材育成の未来
シェイクの代表取締役と2年目社員のお2人が、今後の人材育成や研修業界について、最近の印象に残っている研修から、10年後の未来予想まで、ざっくばらんに対談してもらいました

Profile
-
-
-
吉田 実2003年 中途入社
入社後、営業チームリーダーとして事業成長に携わり、2009年より代表取締役社長。経営全般に加え、ファシリテーターなどにも従事
-
-
-
-
永沼 大翔2023年 新卒入社
入社後はコンサルティング営業・研修プログラム開発に従事。営業推進やサービス開発の社内プロジェクトにも参加
-
-
-
-
矢木 貴晴2023年 新卒入社
入社後はコンサルティング営業や研修プログラム開発を担当。「自ら気づき、前向きなエネルギーを持って意識や行動が変わる」ことを大切にファシリテーターなどにも従事
-
普段、どの程度の頻度でかかわりがありますか?
-
-
吉田さんは普段研修案件でご一緒することが多いです。私が営業担当をしているクライアントの研修で、吉田さんがファシリテーターとしてご一緒いただくことが多いです。
研修を開発するときや当日にはどうしたらよくなるかということを吉田さんと対話させていただいています。電車移動の中でも、最近の自分のテーマや育成関係の話をしていることが多いです。
-
-
私は吉田さんとは案件でのかかわりはあまりないのですが、昨年参加していた社内プロジェクト(新人研修サービス開発プロジェクト)でご一緒して、定期的にお話しする機会がありました。業務以外だとリフレッシュルーム(社内で執務スペースとは別にある、食事をしたり本を読むスペース)でお昼ご飯を一緒に食べて、近況や今話題になっていることなどを話すこともあります。

最近印象に残っているシェイクの研修はありますか?それはなぜですか?
-
-
この前吉田さんとご一緒した、あるクライアントの5年目社員向けのキャリア研修が印象に残っています。
実施に至った課題感として、離職問題があったのですが、研修を見ていると受講生の皆さんが仕事を続けられている理由があるんだ、と感じたことが理由の1つ目です。3年3割(3年間で全体の3割離職する)と言われながら、5年間続けてこられている背景には、自分にとって嫌な仕事であっても向き合ったり、きちんと自分でやり抜こうという姿勢を持っていたり、今の仕事が好きだという気持ちだったり、5年間その仕事を続けてきた方々ならではの力強さみたいなものがあるのだと分かりました。もう1つは、受講者のニーズと企画側のニーズがマッチしているとすごく感じたことです。受講者は、自分なりに頑張って続けてきた中で、このままこの仕事を続けていいのか、自分の本当にやりたいことってなんだろうなとか、この先のキャリアを漠然と不安に感じている方々が多かったです。その中で、企画側の意図としては、今後の自分のキャリアや成長、方向性を見出していくにあたって、軸となるものを1本見つけるのがテーマでした。なので、そういう意味では人事様の要望も満たしながら、受講者のニーズも満たすことができたと感じたことが印象に残った背景です。
-
-
私が最近すごく可能性を感じたのは、インフラ系の会社の研修で、弊社の「強みサーベイ」を実施したときの研修後のアンケートに書かれていた内容です。ある女性のコメントで、強みサーベイを通して自分の強みを自覚し、周囲に貢献できたことを力強く書いてくれました。強みを自覚した行動がこんなにも人をパワフルにするんだなと感じましたし、そういった実感を本人に持ってもらうことが、その人の与える影響の大きさにつながるんだというのが印象に残りました。自分の強みを発揮することがリーダーシップそのものでもあるし、やっぱり人の”イキイキ”に大きなインパクトを与えるなと思っています。
また、そこに可能性を感じるとともに、課題克服を強制したり、本人の良さを制限してしまうようなマネジメントのあり方は変えていかないといけないと感じました。
-
-
私はIT系の会社で行ったキャリア研修ですね。理由は、受講者にとって重要な学び・気づきが提供でき、意義のある研修だったと感じたことです。テーマがキャリアだったのですが、自律的にキャリアを歩むとはどういうことなのか、それを実現するために今後どういった行動が必要なのかを、 明確化できた気がしています。「キャリアを自律的に歩むこと」はすごく複雑なもののような気がしていて、物事を俯瞰して見たり、広い視野をもって物事と向き合うことなしに理解するのは難しいと思っています。そんな中で、サーベイや研修などを実施することによって、受講者が少しずつ「キャリア自律」に近づいていることを強く感じました。本人に委ねてしまうとなかなかできないことを研修という仕組みをつくり、再現性がある成長機会を提供できたことがすごく良かったのではないかと思っています。


会社・組織や社会にとって、人材育成とはどういったものだと思いますか?また、人材育成における研修の立ち位置とは?
-
-
人材育成は、よりよい社会を作っていくものだと思います。社会を構成しているのは人で、そのうちのほとんどが何かしらの組織・企業に所属しているため、企業で人の成長を支援していくことは、社会がより良い方向に進むことに影響を及ぼすと考えます。一方で、必要不可欠だけれど、投資対効果が見えにくいという点では、扱いづらい、厄介なものだと思います。
そこにおける研修の意味は、シェイクは講義型よりも対話型が多いため、日常業務から離れて他者とかかわることにあると思います。他者と話す中で、「こんなことをやった方がいいのかもしれない」や「こんなことやってるんだ」、反対に「自分ってこういうところあるんだ」と気づけることは、とても重要な学びを与えると思います。
前提として、人間は矛盾をしている状況を保ち続けなければならないんじゃないかと思っています。それが仕事とプライベートのバランスでも起きていて、どちらも頑張りたかったら5:5にしないといけないけれど、仕事を頑張ろうとして10にするとプライベートに問題が生じてしまいます。その状態を打開するには自分自身を俯瞰して見たうえでの気づきが必要で、その気づきやきっかけを提供するための場として研修があると思っています。
-
-
人材育成という言葉は人材開発ともいわれますが、私は「開発」という言葉にすごく意味を感じています。開発=デベロップは、 本来持ってるものを引き出すというのが語源なのですが、そこが大事だと感じます。「人材育成」と聞くと、教える・伝えるイメージが強いかもしれませんが、それぞれの人が本来持っていたり経験の中で気づいていたりするものを、研修という場を通じて、 いかに自分で気づいたり、引き出せたりするかがポイントになると思っています。そういう意味では、人材育成とは一言でいうと「本来持っている力を引き出すもの」だと思います。
-
-
永沼さんの言う社会をよりよくしていくという視点や、矢木さんの本来持っている個人の力を引き出すという観点はとても共感しますね。会社で行う人材育成ですから、会社にとってのメリットになることは欠かせない視点だと考えています。ただ、会社にとって都合の良いように個人を枠にはめるような形にならないことを大切にしています。個人の視点に立ち、個人の可能性を拡大していく人材育成をすることが大事で、具体的には、個人の強みや自分らしさを活かすことで、組織や社会に対する影響力を増加させることを目指しています。「この会社にいると自分の可能性が広がっていく、この会社には、自分の居場所があり、自分が貢献していける役割がある」と感じることが、組織や社会に貢献していくエネルギーになり、会社も個人もWIN-WINになります。
研修の意味として大切だと感じているのは、気づきを得ることと関係性が変わることです。「自分自身に対する気づき」、「視野が広がり認知が変わる気づき」の2つが有効で、今まで気づいていなかった自分の可能性に気づき、未来に希望を持つことや、組織や上司の背景が分かるように認知の範囲が広がり、組織を自分事としてとらえるようになっていきます。
関係性においては、研修という機会を通じて、上司と部下がお互いの背景を知ることで関係性が変わり、パフォーマンスの向上につながることもありますし、社員同士がお互いに学び合い、高め合う関係に変わることで組織風土が変わっていくこともあります。

10年後の人材育成(研修)業界はどのように変わっていくと思いますか?また、そこで求められるものは何なのでしょうか?
-
-
市場の視点でいうと、人材育成の重要性は高まってくると思います。働く個人でいえば、人生100年時代で寿命が延びていますし、企業は人手不足で、激変する環境の中で少し前までは採用をすることでまかなえていた労働力が量も質も賄えなくなってきています。そういう意味で、人材育成の存在感はもっと高まってくると思います。
-
-
私は、世の中はAIの発展で、人がやらなくていい仕事が増加すると思っています。その中で人にしかできない仕事とどのようにかかわっていくかが大事だと考えています。
-
-
AIと人間の違いは何かみたいな話も出てきていますよね。下手したら今のAIはとても優秀だから、AIが人間よりも上手く「上司」をやってくれる、みたいなこともありそうです。個人の傾向が分かるツールを使って1人1人の特性、相性、役割をすべて学習すれば、AIがその人にとって最適なかかわりを見出すことが出来るようになるかもしれません。
-
-
私はAIは目的地を決められない・目的地に行くまでに道をそれることができないものだと考えていて、だからこそ研修の狙いを考えるのは人間で、研修をやってみて寄り道をしながら色んな視点で何かに気づくことも人間ならではだと思います。
-
-
その狙いを置くみたいなところも、AIはそれも10年後くらいにはできそうな気もします。例えば、定点カメラで職場をずっと撮影して、コミュニケーションの様子を見て、「こういうこと狙って研修やった方がいいです」のような提案が、もしかしたら10年後起こりうるかもしれないですよね。
-
-
とはいえ、AIはすべてにおいてインプットが必要で、枠組みを決めるとその通りにやってくれるけど、内なる動機の源泉が人間らしさで、そこがオリジナリティだと思います。
-
-
今、研修は基本的に目指すものは成果で、そのために行動変容があって、だから学習が必要になるというロジックだと思います。ただ、AIが発展して仕事そのものも変わると、そもそも成果を出す必要がなくなるかもしれないですよね。そうすると我々は何のために学習するのか?となりそうです。
もしかすると、今は成果を最大化するための人材育成という側面が強いですが、これからはより良い人生のためや、福利厚生としての育成・学習に変わる可能性があるかもしれないと思いました。例えば、企業内大学の設立が進んで週のうち2~3日は学ぶようになったり、AIで労働力を確保して、従業員は大学教授的な働き方をしたりなど、そんな世界が来るのかなと、妄想しますね。
-
-
やっぱり今の人材育成の考えの基本は、組織利益を最大化するための教育をしましょう、グローバル競争力を高めるための教育をしましょうという前提で設計されています。それはすごく合理的なんだけど、教育は経営効率よりも、人のやりがいとか、むしろ人そのものの可能性を開放することが企業利益につながるっていう考え方になるかもしれませんね。
人を目的にした教育というものが、実は企業において重要になってくるみたいな、組織のための人という発想から、人があって組織があるという認知に転換し始めているのかも知れないと思いました。
社長はメンバーに何を期待していますか?
メンバーはそれを受けて、どう感じますか?
-
-
社員に対する期待をうまく言葉にできるか分からないですが、「自分の人生を生きてほしい」という言葉に尽きる気がします。シェイクで体現できればいいなと思うと同時にシェイクという会社を一緒に当事者として作っていけたら嬉しいです。ただ、半分自分自身のエゴのようにも思うので、自分で自分の人生を切り開ける人であってほしいと思っています。
-
-
お聞きした時に、吉田さんのメッセージが今までと一貫していらっしゃるから、すごくしっくりくるなと感じました。
個人的には、自分の人生を切り開くことと、日々の業務とどう向き合うこととの行き来が大事だと思っています。両方を行き来しながら、どちらも成長していくことが、吉田さんの話を受けて感じ、改めて大事にしたいと思いました。
-
-
私も吉田さんらしいと思いました。普段すごく言われているわけではないですが、社内の人事制度・成長支援面談などを踏まえて、シェイク社員に一貫して自分自身が自律することが求められていると感じています。
実際の事業や業務内容を考えてみても、 営業や開発、ファシリテーターまで関わる時に、自分が関わる範囲が大きいからこそ、自分自身が自律した人間でなければ、自律した人は育てることは難しいのではないかと思います。
-
-
シェイクの事業のためにという側面ももちろんあるかもしれませんが、どちらかと言えば、自分の人生をしっかりと主体者として生きることの方が、大切な気がします。結果として、サービスが提供されていくことは大切ではありますが、目的は人としての成長だと思っています。
