コラム

強みとリーダーシップ

皆さん、こんにちは。シェイクの吉田です。

最近嬉しかったことがありました。

大手企業の役員を退任後、子供向けのボランティア活動などをされている方と、
シェイクの若手社員3名と意見交換会をしたときのことです。

その方がシェイクの若手社員に次のような質問をされました。
「〇〇さんは、自分の強みをどのような点だとお考えですか?」

私が嬉しかったのは、若手社員3名全員が、
経験豊富で、かつ自身とは50歳ほども違う方に対して、自分の強みを堂々と答えていたことです。

自分の強みを自覚するのは難しいことだと思いますが、若手社員が、
自分なりに強みを言語化して、社外の人に対して堂々と伝えている姿に、
自信と成長を感じました。

私自身、日本の人材育成について以下のような問題意識があります。

それは、「日本の社会人育成は、弱み克服になっていないか」ということです。

研修をしていて、若手社員の声を聞くと次のような言葉をよく聞きます。
「自分らしくなくなっていく気がします」
「今の自分は、問題ないでしょうか」
「自分に自信がありません」

現場での育成は型を教えて、問題を起こさないことを目的とする比率が高いように感じます。これは、「マイナスをゼロ」にする育成。弱み克服です。

これからの時代を作っていく社員に必要なのは、イノベーションを起こす力、価値を生み出す力です。イノベーションを起こし、価値を生み出すために必要な力は、卓越した違い=強みではないでしょうか。

ピーター・ドラッカーは次のように言っています。
「強みのみが成果を生む。弱みはたかだか頭痛を生むくらいのものである。しかも弱みをなくしたからといって何も生まれはしない。強みを生かすことにエネルギーを費やさなくてはならない。」

そのために必要なのは「プラスをプラスプラス」にする育成、強み強化だと思います。

時代は、イノベーションを必要としています。価値創造を必要としています。
弱み克服が生み出す人材は、「オペレーション人材」です。
強み強化が生み出す人材は、「価値創造人材」です。

弱み克服を無しにしましょう、ということではなく、
強み強化:弱み克服=0:10 になっているならば、
強み強化:弱み克服=5:5 にしませんか
、という提案です。

リーダーシップ開発の第一人者でいらっしゃる立教大学の石川淳先生は、
著書「シェアド・リーダーシップ」で、「パーソナリティ・ベース・リーダーシップ」という概念を提唱されています。
これは、リーダーシップを発揮するには、自らの強みを活かしたリーダーシップをとることが効果的であるという考え方です。

では、強み強化の育成とはどのような育成でしょうか?

私は、2つの要素が重要だと考えています。
一つ目は、「強みを自覚」することで、二つ目は、「強みを強化」すること
です。

最近、強み強化の育成だと感じた出来事がありました。

3月に入社した中途社員を、そのトレーナーが部署のメンバーに紹介する際に、次のような発言をしました。

「入社された〇〇さんの過去のキャリアをじっくり聞かせてもらうと、〇〇さんは、目標を明確にして、決めた目標に拘って活動するという強みを持っておられます。是非、皆さん、〇〇さんの強みが活かされるような関わりを宜しくお願いします」と。

これが「強みを強化する」育成の第一歩だと感じました。
「これまでの経歴や経験」「何ができる、できない」にフォーカスをするのではなく、「その人の強みを知り、強みを生かす関わりをすること」に、周囲の人も意識を向ける

強みを自分で見つけて、経験を通じて強化していくことは前提として大切ですが、周囲の人もその人の強みを見つけて強化する関わりをすることも、同様に重要だと思います。

もちろん、これは、中途社員だけに当てはまることではなく、働く人、全員に当てはまることでしょう。

強みを自覚すること、強みを強化すること

それが、リーダーシップ開発に繋がっていくと思います。

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