コラム

フィードバックの受け取り方

皆さん、こんにちは。シェイクの吉田です。

今、ある企業様で「フィードバックの実践」と「心理的安全性」をテーマにした長期プログラムを実践しております。

「フィードバックの実践」と言えば、フィードバックを「伝える」ことをイメージする人が多いのではないでしょうか? もちろん、成長支援や成果創出に当たって、フィードバックを「伝える」ことは欠かせません。

一方で、フィードバックを「受け取る」ことの効果は見過ごされてはいないでしょうか?
今回は、フィードバックを受け取ることによる効果や実践方法など、フィードバックの受け取り方について、見ていきたいと思います。

さて、変化の激しい時代において、どのような組織風土の企業が勝ち残るでしょうか?

  • 現場からアイデアがどんどん出てくる
  • 日常の会議においても、メンバーから自由闊達な意見が出る
  • 上司に対しても、遠慮することなく反対意見を伝えることが出来る
  • 新しい挑戦が歓迎される

といった状況が望まれていますが、現実には、

  • 会議では上司が殆ど話している
  • 上司は「何でも言ってね」と言っているものの、メンバーは「何でも言おう」とは思っていない
  • 主体的な発言がないため、上司が指名してメンバーが答える一問一答のコミュニケーションがなされるにとどまる

といった状況が多いのではないでしょうか?

このような状況において、いくら上司がメンバーに「もっと主体的に考えて発言するように」と伝えても、メンバーは白けてしまいます。指名して発言を求めたら、相応の意見は出てくるので、全く何も考えていない訳ではないのでしょうが、どうすれば、メンバーの主体性が向上し、職場が活性化するか、悩んでいる上司も多いのではないでしょうか?

このような状況を打破することにおいて有効なのが、
「フィードバックを受け取る」
ということです。

具体的には、2つのアプローチがあります。

一つ目は、自分自身について、フィードバックを受け取ることです。
上司がメンバーに対して、自分の課題と行動計画を部下に自己開示をして、その内容についてフィードバックをもらうことです。360度サーベイなどを事前に取っておくと、メンバーとの対話がしやすくなります。

二つ目は、組織についてフィードバックを受け取ることです
どうすれば、もっと自由闊達な意見交換が出来る職場になるかについて、率直にメンバーからフィードバックをもらうことです。

大事なのは、この際の、フィードバックの受け取り方です。
メンバーは、相当な勇気と覚悟を持って、上司に意見をするでしょう。最初のうちは、思っていることの半分も本音を話してくれないかもしれません。

その際に、一瞬でも顔をしかめ、「それはだね・・」と上司の正当性の弁明が始まると、二度と、メンバーは上司に意見を言わなくなります。

上司が心のどこかで、「自分の方が偉い」「自分の方が正しい」と上から目線の意識を持っていると、部下からのフィードバックに対して、自分の正しさを主張したくなります。この意識と行動こそが、部下の主体性を妨げる主因なのです。

フィードバックをしてくれたことに、感謝の気持ちをもってフィードバックを受け取ることこそが、メンバーの主体性の発揮や組織の活性化に繋がっていくのです。実際には、フィードバックをしてくれたことに、心からの感謝の気持ちを伝えることが大切です。

メンバーのリーダーシップ開発の視点から見ると、言われたことをこなしているだけでは、リーダーシップは育まれません。自ら意見を出し、行動をしていくことがリーダーシップ開発に繋がります。

組織が活性化せず、人が成長していない組織においては、
上司が自分の考えを押し付ける
→部下の主体性低下、組織の不活性化
→メンバーのリーダーシップ開発を疎外
という悪循環が起きています。

理想の状況になるために、上司がフィードバックを受け取るということを起点に考えると、
上司がフィードバックを受け取る
→部下の主体性発揮、組織の活性化
→メンバーのリーダーシップの向上

という好循環が生まれるのです。

フィードバックは与えるだけではなく「受け取る」ものだという意識をもって、組織の活性化や人材育成に活かしてみては如何でしょうか?

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